ボードレール「夕べの調べ」 «Harmonie du soir»
近代詩がここから始まったと名高いシャルル・ボードレール(1821-1867)『悪の華』の、最初の章「憂鬱と理想」に収録されている「夕べの調べ」が突然ぼくの胸を衝いたので、ここにまるごと掲載しておこうと思う。
仏語原文↓
幾つもの邦訳を見たけど、上の杉本秀太郎訳が原文の韻律を残しながら意味の流れもうまく掬い取れていてとても素晴らしいと感じる。
全ての行、すべての字句に染み渡るノスタルジックな感覚(音,香り,触感,…)と重くしとやかな倦怠の情が、句の反復と韻のこれまた気だる