じぶんのへやでネットをつうじて細胞やタンパク質の構造について議論する時代になって思うこと
(2024.1.9加筆)
はじめに
さきほど研究パートの職場でふとノートパソコンをひらいた。ことしの初しごと。顔をかべにむけるとカレンダーが12月のままなのに気づき、表紙をとり最初の月の数字のならぶようすをみつめる。1年の最初の週。
昨年からことしにかけて公私ともにひっこしつづき。まだ道なかばでこんどはここの職場のひっこしが待っている。体調を万全にしないと。こうしたちからしごとの一方で、研究のスタイルがかわりPCの支援をひとむかしとくらべてなおさらたよるようになった。
きょうはそんな話。
ひっこしつづき
年末にかけておこなった学習サポートの拠点をひとつ閉めるひっこしでは腰のぐあいがよくなく、だましだまし3週間かけてものをはこんだ。こんどは研究パートのしごとさきで年度末にかけてひっこしの予定。
おなじ建物内の1階へ移る予定。なかなか重量級の物品が控えており、専用の搬出入口をひらいて外からクレーンをつかっておろすおおがかりな方式をとるかどうか、スタッフの先生方がお話しされていた。
なかなか費用がかかりそう。もちろん人手もいる。わたしもふくめ講座いりしたばかりの学生さんたちにもちまちましたものをはこぶのを手伝ってもらいそう。
研究のスタイルは
この研究室は生体物質や細胞をあつかう生命科学系の研究室。コンピュータの支援なしではしごとにならない。DNA配列の解析のみならず、研究対象の物質やタンパク質の構造解析、細胞をさまざま染めわけたり、光らせたりする作業にコンピュータが活躍。
さらに「こんな構造がでましたけど。」とか、「色はこれでいいですか。」など画面とやりとりしながらモデルの構築や結果を編集してくれる。
そしてとおくはなれた研究室同士をむすんでそうしたデータをもとにネット会議。共同で研究をどうすすめるかあれこれ議論し合う。
じつにべんりになった。もちろん昨今の状況以降にヒトの往来を再開し、行き来がはじまった。往来以上にこうしたネット上での会議がごくふつうになった。
自宅からでも
昨年などは学生さんと研究内容のうちあわせなど、いちいち研究室にでむかなくても自宅どうしでネット上で話し合えて、データのやり取りや添削指導などができる。そこでは海外のタンパク質構造に関するデータベースやAIによる立体構造予測などを画面を共有しつつ議論しあう。
なんとべんりな時代になったものか。20数年まえわたしは国内留学先にいた。国内有数の研究拠点。温度管理のいきとどいた大型コンピュータをとなりの部屋に控えた一室でほぼおなじ作業をすすめた。しかもインターネットが公開されてまもないころ。そこでようやくかなう技術だった。あっさりそれをうわまわるやりとりを自宅でできる時代が4半世紀あまりで訪れるとは夢にも思わなかった。
おわりに
そのべんりさを享受しつつ20年後、もし生きながらえていればどんな世界をみつめることになるだろう。バーチャルで大写しにしたタンパク質の立体構造の一部をまえにして、手にとりながらべつの配列や分子構造にかえつつ、ああでもない、こうでもないと議論し合うことになるのだろうか。
議論し合いデザインした分子を「生体分子3Dプリンター」でただちに試作して、その機能が予測どおりかどうかロボットが実験してくれて確認し合うなど…。正夢になるだろうか。
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