音楽がすぐそこにありいちばん身近に接することができたころ
はじめに
最近、休日の昼間はFMをBGMにしている。1週間でいちばんゆったりすごせる時間。やりたいことをしながら耳もとにきこえる音楽はここちよい。
これはむかしよく聴いたなあという音楽がひとつ、ふたつ流れたり、最近のこまかなビートと超絶なスピードの曲のなかに共感できるところをみつけたり。いずれにもそれぞれいろんな想いが湧いてくる。
きょうはこんな話。
ラジオからネットで
中学のころのラジオは実家においたままだった。先日、立ち寄るとこのソニーのラジカセがいまだに健在なのにおどろいた。そのころ洋楽にハマった。電波づたいの情報にたよっていたのでラジカセはなくてはならない。お気に入りをみつけるとすかさず録音して何度も聞く。
友人たちの何人かもおなじで共通の番組の翌日には話題になった。聴いている番組も似たりよったり。当時流行したグループの曲のことが多かった。
高校にすすむと
高校は進学校だったが伝統的に自由な校風。どこを自由と捉えるかはほんとうにヒトそれぞれだと感じた。なかにはアルバイトでギターやドラムセットなどを手に入れバンドをくむ級友も。クラスで時間があるとそれぞれどこにもちこんでいたのかギターをとりだして1曲ということも。ホームルームで担任教師もいっしょにたのしんでいた。どこか余裕のある時代だった。
わたしの出身は福岡。そののち故郷をはなれて西日本を転々とした。そのふるさとの事情を外からながめるとわりと音楽に熱心な土地柄だったらしい。ちょうど財津和夫のチューリップがふたたび流行ったころ。地元の方とのちに知る。そういえばと当時から今日まで流行をつくった歌い手が何人かうかぶ。
ギターを買おうか
周囲がそうだと気づかないうちにやはりその色にそまるもの。わたしとて例外ではなく、クラスに指の数ほどバンドが存在し、ほかにも単独で音楽をやっていると気づいた。
あるクラスメイトからいっしょにやらないかとさそわれ、フォークギターを買おうかどうしようかあれこれ品定めまでしかけたわたしはとまどったぐらい。小学校以来ゆびづかいをわすれた鍵盤のキーボードをかんたんなコードだからたたいてほしいと。
さて話はかわり文化祭の軽音楽の発表はハレの場。本番の2日間でおさまらないほどで予選がまえもっておこなわれていた。本番よりおもしろいからと友人にさそわれ、土曜(当時は出校日)昼から予選会を見学に音楽室にむかった。あくまでも聴衆者のひとり。
たくさんの参加者
文化祭の予選。硬軟おりまぜ、はっきりいってめちゃくちゃな爆音で音楽室の窓ガラスがはげしく振動するほどのハードロックからしんみりさせるフォークソングまで。じつに種々雑多なグループや個人。
かならずといってよいほど「ええ~あいつが活動していたの。」と毎年のように意外な人物の登場に驚かされた。じつにおもしろい催しでふだんとはちがう顔見知りのべつの顔を知れた。予選の審査員はえらばれた生徒たち。
感心したのはいずれも真剣だったこと。冷やかしでは到底ここでは受けいれてもらえない。懸命さがひしひしと感じとれるからこそおもしろいし、こちらに伝わってくるものがあった。受けると会場全体でもりあがった。
おわりに
予選が終わり爆音で耳がじ~んとしたまま音楽室をあとにした。まわりの満足しているようすがかんじとれた。この恒例行事は年に1回きり。むしろ晴れの舞台はこちらといっていい。音楽っていいなあといつも感じた。
文化祭で好評だったグループは、街の公会堂で卒業生を送る予餞会に登場して先輩たちを音楽でもてなし送り出した。ここは教師や全校生徒があつまり学校生活を思い返す場となった。いまふりかえると音楽がいちばん身近にかんじられた頃だったかも。
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