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楽天2019ドラフトの意図を徹底解説!

「楽天ドラフト、この順位でこの選手!?」というのが何人もいて驚いた、というファンも多かったであろう、楽天2019ドラフト。「意図がわからない」とし最低評価をつけるプロのライターも少なくない。しかし、ちょっと勉強すれば明確に意図がわかるのが2019楽天ドラフトなのだ。今回はそれを解説していきます。

実は1位ではなく2位の黒川がコア

自分も驚いたのだが、楽天のドラ1は社会人の内野手である小深田だった。小深田自身の是非もあるが、日本ハムのように「良い選手からドラ1は指名していく」というスタイルなら、小深田には申し訳ないがドラ1ではなかっただろう。これは戦略上の指名だ。

まず、ドラ2で阪神に小深田が指名されるのを楽天フロントが把握していた。小深田以外に即戦力で使える遊撃の選手はいない。そう考えたときに、阪神に取られる前にはドラ1で取るしかなかったのである。ここで重要になってくるのが2位である。楽天は二軍にプロスペクト高卒内野手がおらず、1位で直前まで東邦・石川の指名を検討していた。しかし、地元東北の大船渡・佐々木に行かないのはありえないというスカウト、ファンの声は無視できないと悩んでいた中で中日が早々に石川の指名を宣言したのである。これで楽天は最初に佐々木に行って石川の指名を回避したのである。ここで2位に持ってきた肝入りの選手が智弁和歌山の黒川である。つまり、1位小深田2位黒川は逆のようなものなのだ。楽天の2019ドラフトはドラ2黒川が最大の目玉だったのである。

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先発は最初から狙ってなかった

普通、大抵の球団は若いエース候補を指名しに行くものだ。自分も外れでは創志学園・西青森山田・堀田あたりに行くかと思っていたが、しかし楽天の考えは違った。はなっから現エースの後継など今年のドラフトで指名する気はなかったのである。佐々木を地元の声を無視できないと指名したが、佐々木のクジが仮に当たっていたら、逆に戦略が無茶苦茶になっていたと想像できる。投手であるドラ3津留崎、ドラ5福森、ドラ6瀧中はいずれもリリーフタイプのパワーピッチャーである。楽天は今年リリーフが強かったが、更に層を強化しようと考えていたのだ。これは、完投を嫌う石井GMらしい考え方だと思う。

ドラ4・武藤に求められる役割とは

ドラフト4位で楽天は高校野球マニア以外は知らないと思われる都城東の武藤を指名した。彼に期待されている役割は「二軍センターのレギュラー」はっきり言ってこれ以外ない。今年の楽天ファームのセンターはたまに調整の田中、オコエ、辰己がやるくらいで、ほとんどフェルナンド卓丸のような両翼が本職の選手がやる酷い有様だった。武藤は本人も認める足と肩のある柳田二世。二軍のセンターでバリバリ出場機会があるのである。ドラ4という高い順位からも彼にかかってくる期待は絶大である。

ドラ1小深田の起用法

小深田の起用プランは明確だ。茂木の負担軽減である。茂木は元々サードの選手で、怪我も多く一年間ショートでやる体力はない。茂木をサードに回して小深田をショートで起用すれば、茂木の打撃成績が伸びる可能性が大なのである。また、楽天は去年、オコエに辰己、堀内に太田をぶつけている。同じように同世代の三木監督肝入りの山崎剛に小深田をぶつけて競争意識を芽生えさせる効果も狙っているのである。

黒川を10年後浅村の後継者に

黒川は内野全般守るとは言え基本的にセカンドの選手である。完全に浅村の後継者として育てていく選手だ。西武から来た浅村は来年29歳、まだまだバリバリである。18歳の黒川が28歳になる頃に一流にする為には、二軍でセカンドを中心に守る同世代の西巻を切らなければいけなかったのかもしれない。それくらい二軍のコーチたちは、絶対に黒川を大きく育てるという使命を課されたのだ

最後に

楽天は今回のドラフトでトレンドを変えてしまったのかもしれないくらいの大胆な指名だった。今までは、日本ハムのように良い選手から指名していくというのがトレンドで、新しい考え方の様に言われていた。しかし流行は一周回るのである。楽天のように補強ポイントをしっかり見て、そこの層を厚くしていくことは絶対に重要である。2019楽天ドラフトの指名された選手が今後どれほどの活躍を見せてくれるのか、今から楽しみである。

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