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選手たちは今、何を思う?

先日行われたJ2最終節、大宮アルディージャは0-2で敗北。
降格が(ほぼ)決まった直後のホーム最終戦、せめて最後ぐらいは勝ってくれと願うサポーターも多かったと思いますが、その期待に応えることなくあっさりと敗北してしまいました。

試合後、ホーム最終戦ということもありセレモニーがあったのですが、そこでゴール裏から掲げられたメッセージが各メディアに取り上げられていました。

セレモニーでクラブへの不満を示すメッセージが掲げられるのは(悲しいかな)毎年の恒例行事なのですが、今年はいつも以上に強い文言が並んでいました。

中でも賛否を呼んだのが、上記リンクのタイトルにもなっている言葉です。

「走れない闘えない努力もしない口先だけは立派な史上最低イレブン」

これまでのメッセージといえば、社長や強化部長に対して、ビジョンの不明確さや結果に対する責任を問うものばかりでした。
選手に対してのものはなかったと記憶していますし、あったとしてもここまで直接的ではなかったと思います。
今までにない文言だったので、これに違和感や拒否反応を示すサポーターも多かったのではないでしょうか。
私も、最初に見た時はビックリしました。

このメッセージに否定的なサポーターからすると、
「選手たちはピッチで一生懸命にやっている、悪いのは道筋を示せない監督やクラブのフロントだ」
「選手たちは毎試合、試合後にサポーターと対峙してるし、そこで厳しい言葉をかけられることもある。それ十分なのでは?」

そんな感情があるのではと思います。
確かにそれもあるのですが、一方で、選手たちにももっとやれることがあったのではと私は感じます。

シーズンを通して変わらなかったコメント

毎試合、試合後には監督と選手数人のコメントがアップされるのですが、その内容がシーズンを通してほとんど変わらないものでした。
「もっと球際でファイトしなくては」
「ハードワークが足りなかった」
「練習からもっと突き詰めていくことが必要」

おおむねこのような内容です。
負けるたびにこのようなコメントが出てくるので、やがて私も
「それ毎回言ってる気がするけど、いつ実行してくれるんだろう」
と思うようになりました。
シーズン終盤になると、「どうせまた同じこと言うだけだから」とコメントも読まなくなるほどでした。

球際とか、ハードワークとか、突き詰めるとか、そういったものは意識さえあればひとりで明日からでも始められます。
最初はひとりで浮くかもしれませんが、態度で示したり、言葉で発信したりしていくことで、理解してくれるチームメイトも現れるはずです。
やがてそれがチーム全体に波及していけば、厳しさのある環境が自然と培われ、プレイにも緩さや甘えといったものがなくなります。
そういったメンタリティや、チーム全体を考えてのリーダーシップはやはり足りていなかったのではと思うのです。

サポーターに反論するぐらいの選手がほしい

試合が終わって数日経ちますが、選手たちのSNSを見ても、シーズンを終えてどう感じているのかといったことを書いている選手はほとんどいません。
シーズンが終わってひと息つきたいからまだ書いていないだけかもしれないし、セレモニーでのメッセージに対して思うところはあるがうまく言葉にできないのかもしれません。
こういうご時世なので、炎上や誤解を避けるために表現に気を遣う必要もあるので大変です。

ただ、あれだけ言われて何も感じない選手はおそらくいないはずです。

昔、確か柏だったと思うのですが、選手とサポーターが口論になった時に選手の側から「共に戦ってるだったら、俺たちからも要求させてほしい」と言ったことがあったような記憶があります(違ってたら申し訳ありません)。

大宮にも、「シュートを打て」というサポーターのチャントに対して「そういうのは好きじゃない」と言った選手がいました。
その一件以降、私はその選手のことが好きではなくなったのですが、今これを書きながらちょっとだけ気持ちが変わっています。
そういうのも必要だったんだな、と。

今の大宮の選手たちは、良く言えば「大人」なのですが、感情や本音を表に出さない選手が多いです。
クラブがそういう選手を集めがちというのもあるのですが。
しかし、真に「戦える」チームを目指すのであれば、熱い気持ちをさらけ出せる選手が何人かは必要です。
外から呼び寄せることも必要でしょうし、そういう選手が育つよう体制や環境を整えることも必要でしょう。

クラブがそのあたりをどう考えているのか?来シーズンに向けた編成に注目です。

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