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【読書記録】世界一流エンジニアの思考法(牛尾剛)

Kindleのセールを定期的にチェックしているのですが、その中で目についた本がありましたのでポチッと購入して読んでみました。

著者がエンジニアなのでわかりづらい専門用語もたくさん出てくるのですが、そこは本筋ではないので理解せずとも読み進めることは可能です。
主に日本とアメリカにおける、働き方への考え方の違いにフォーカスを当てた内容となっています。

その中で気になったトピックをいくつかご紹介します。



1.手を動かす前にまずは脳内で

プログラムがうまく作動しない事象が起きた際の例として、思いつきの解決策をあれこれ実行するより、脳内で仮説と検証を繰り返ししっくりきたものだけ実行する、というのが挙げられていました。
手数で解決を試みるのは時間がかかるのと、仮にそれで解決できたとしても全体の構造把握につながらない、似た事象が起きた際に応用が効きづらい、といったことがあるようです。
これを読んで思い出したのが学生時代のテストで、いきなり問題を解き始める前に、まずは全ての問題に目を通して解く順番や時間配分などを決めてから取りかかった方がよい、というのを教わった記憶があります。
手を動かさずに考える時間を設けるというのは一見時間のロスのように思えますが、結果的にその方が早く事を進めることができる、ということですね。

2.聞くことを遠慮しない

日本では「誰かに聞く前にまずは自分で調べる」「相手の時間を奪わないように」という意識が強いですが、著者は生産性の観点からわからないことはエキスパートに聞いた方が早いと述べています。
それも、メールやチャットなどのテキストベースではなく、対面での会話や電話・ビデオ通話など音声ベースでのものを推奨しています。
その方が圧倒的に早く情報量が多いからです。
もちろん、いきなり電話をかけるというわけではなく、「今から相談していい?」という事前のやりとりはあるようで、相談された側も「今は忙しいから無理」とか「それは他の人に聞いた方が詳しいよ」など気軽に断れる土壌があってのことのようです。
相談に乗ることで自分の時間は取られるかもしれませんが、相手の問題が解決すればチームの成果につながるし、結果的にそれが自分の利益にもなる、というマインドが定着しているのです。

これについては、私自身「話しかけられるの面倒だなぁ」と思ってしまうタイプなので、少し考え方を改めなくてはなりませんね・・・。

3.納期は絶対ではない

これも日本で仕事をしているとなかなか持ちにくい思考なのですが、アメリカでは納期に対する考え方が日本ほどシビアではないそうです。
一応納期は設定するものの、間に合いそうもなければ機能の一部を減らしてリリースするなど柔軟に対応するし、納期に間に合わせるために無理をすることもないようです。
業種によってはこういう考え方でないところもあるのかもしれませんが(例えば生産工場とか物流とか?)、納期を意識しすぎるがゆえに品質が落ちたり従業員に負荷がかかるよりは、柔軟に対応した方が確かに持続的ではあると思います。
著者も言ってますが、「納期に間に合わなかったとして、それがどれほどのインパクトを与えるのか?(そんなに深刻か?)」というのは考える上でひとつのポイントですね。


カルチャーの違いもあるので日本でこのような考え方が受け入れられるかは難しいところですが、生産性の観点からどのように働くべきか、という点でいろいろと考えさせられる一冊でした。

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