『風の歌を聴け』「村上春樹小説の定義」と「普遍性の追求」
すっかり忘れていたが、私にも確かにそんな時代があった。
しかしそれは長続きせず、「言わざる(猿)」の境地には至らなかったし、今は至るつもりもない。
また、村上春樹作品群に特徴的な、無味無臭な無機質的ライフに憧れもした。が、私がそのようなライフを過ごすことはまるでなかったし、この先もないのだろう。
「村上春樹小説」=「自分を含む、特別ではないみんなの啓発のためのもの」さて、デビュー作やデビューアルバムにはその作家や音楽家のすべての萌芽が詰まっているともいわれる。村上春樹氏のデ