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1/25 ニュースなスペイン語 Frío intenso y luz(2):厳しい寒さと電気代(2)

昨日の続き。

今回は電気代の話。

Luzの第1義は「明かり」のこと。ここから、意味が拡大して「電気(代)」になる。もちろん、電気そのものを表す「electrocidad」という語も使う。

スペインの国営放送(rtve)のサイトには、電気代が前日比(con respecto a)で上がったとか下がったという記事が出る。

25日の電気代は、前日と比べて、5.96%増加し、1時間あたり1メガワット(MWh)で93.82ユーロ(約1万3297円)らしい。

日本の相場は、1時間あたりキロワット(KWh)で27円とされているので、メガワット換算すると2万7000円。

ネット上の(比較的信用できそうな)情報では、日本はスペインより電気代が安いとされている(例えば、https://selectra.jp/energy/guides/ryokin/denkidai-ichibantakai-kuni)が、スペインでは、使用時間帯によって電気の料金がかなり違う。

記事では天気代の最安値と最高値の時間帯にも言及している。

25日を例に取ると、1日の中で、午後2時から夕方5時、そして、夜中の12:00が一番安く(la hora más barata)、 1メガワットあたり、64,8ユーロ(約9200円)。

一方、夕方7時から8時の時間帯が一番高く、1メガワットの価格が210.34ユーロ(約2万9000円)となる。

スペインと日本の電気代は、どの時間帯と比べるかによって、従って、価格の順位が変動する。

スペインは上で見たとおり、1メガワットあたり、平均約93ユーロとなるわけだが、この額は他のEU諸国と比べ、随分、安い。

2020年のデータで、かつ、出典も違い、しかもキロワット表示なので、ややこしいが、まぁ、順位だけを見てみると、スペインは、EU27諸国平均よりもずっと低い。

これは、「イベリア半島例外措置(excepción ibérica)」という特例をスペインとポルトガルが、EU圏内で、受けているためだ。

つまり、イベリア半島のエネルギー事情を勘案し、それぞれの政府が電気を生み出すための燃料であるガスの価格に上限を設ける(fija un tope para el precio del gas que se utiliza en la generación de electricidad)ことが特別に認められている。

これはあくまでも特例かつ限定的な措置で、欧州委員会は、現在のところ、2023年末までしか認めていない。

ちなみに、イベリア半島例外措置がないと、電気代の平均は1メガワットあたり、約120ユーロ(約1万7000円)に跳ね上がる。

今後、スペインとポルトガルは、例外措置の更なる期限延長を主張してくるだろうが、他のエネルギー高価国を説得するためのロジックをどのくらい構築できるか。

写真はイメージ画像より。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230124/precio-luz-enero-espana-electricidad/2417193.shtml