見出し画像

12/27 ニュースなスペイン語 Síndrome de la silla vacía:エンプティチェア症候群

英語では「Empty Chair Sydrome」という。

日本語ではタイトルの名称以外にも、「空の椅子症候群」と訳している記事もある。

去年のクリスマスには居た人が今年は居ない――。

世間がお祭り気分で浮かれる程(cuando todo el mundo alrededor está de fiesta)、自分だけ、悲しみ(la tristeza)、怒り(la rabia)、郷愁(la nostalgia) 、不安(la incertidumbre)が顕在化( se hacen más presentes) し、大切な人を亡くしたという実感がより強まる(Entonces hay una sensación más real de la pérdida)――。

このような「何とも言えない悲しみ(el dolor inexplicable)」はエンプティチェア症候群と呼ばれている。

ある心理学者は次のように話す。

式典、特に、クリスマスのパーティーは、時の経過を意識させ、愛する人の不在をより一層際立たせてしまう(Las celebraciones, en especial las navideñas, marcan el paso del tiempo y hacen que se note más la ausencia de nuestros seres queridos)。

記事には19年前に長男を亡くした女性の話が出てくるが、この女性は次のように語る。

愛する人がいた場所に別の誰かが座ると、時に、その愛する人を裏切ってしまったという気持ちになってしまう(Cuando se sienta una persona en el sitio de nuestro ser querido a veces se siente como una traición)。 

ある専門家は、こうした悲しみにある人は、ここからは一生抜け出せないのではないかと考えがちだが、「時間が必要(requiere tiempo)」で、「喪失感を感じる自分自身をまず許すことが大切(Hay que perdonarse a uno mismo y permitirse sentir la pérdida)」という。

こうした「必要な苦しみ(sufrimiento necesario)」を経てのみ、「かつていた人がいない生活を取り戻せる(reconstruir una vida sin los que ya no están)」という。

周りの人々はどように接するのが良いのか。

専門家は「もう泣かないで(no llores)」とか「私たちのためにも、ほら、頑張って(haz un esfuerzo por nosotros)」という声がけを避けるようアドバイスする。

そして、「何て言ったら良いか…(No sé qué decirte)」と人は言いがちだが、「何かを言ったり、やってあげる必要はなく、ただ、そこに居て、話を聞き、そしてそっと抱きしめあげるだけで、良い(Pero no tenemos por qué decir ni hacer nada, sino simplemente estar ahí, escuchar y abrazar)。

23日に発出した記事もそうだが、クリスマスの報じ方に何か変化が現れているか。

今回のこの記事以外にも、高齢者のクリスマスを書いた記事も出ていた。見出しには、

ひとりぼっちのクリスマス。高齢者たちの大きな悲しみ(Solos en Navidad, la "gran tristeza" de muchos mayores)

とあり、「もう私にはブドウを食べることにも、ときめきを感じない(Ya no tengo ilusión ni por las uvas ni por nada)」という言葉が紹介されている。

どんちゃん騒ぎの脇には、常に孤独や困惑を感じる人がいる。

写真はイメージ。

小生は記事に書いたような感覚を持ったことは、当然、あるが、まさか、名前が付いているとは思わなかった。

「Síndrome de la silla vacía」を、まず、ググると最初に出てくるのが、「Síndrome de la silla turca vacía」という「トルコの」という形容詞が付いた病名。

これは、「トルコ鞍空洞症候群」とか、英語の「Empty Sella Syndrome」という術語をカタカナ読みした「エンプティセラ症候群」という、脳関連の病名らしい。

まだまだ、知らないことがある。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221224/navidades-duelo-sindrome-silla-vacia/2410321.shtml