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5/5 ニュースなスペイン語 Premio Nacional de Tauromaquia:闘牛国民栄誉賞

文化省(Ministerio de Cultura)は闘牛関係者に送られる栄誉賞を廃止する(suprime)と発表した。

文化大臣(ministro de Cultura)のエルネスト・ウルタスン(Ernest Urtasun)は廃止の理由を「新たな社会の現実(nueva realidad social y cultural) 」と「動物の幸福度への懸念の高まり(aumento de la preocupación por el bienestar animal)」とした。

闘牛国民栄誉賞は2011年にホセ・ルイス・ロドリゲス・サバテロ(José Luis Rodríguez Zapatero)政権下で制定され、13年に初の受賞者(galardonado)が出た。

初代受賞者は闘牛士(torero)のパコ・オヘダ(Paco Ojeda(以下の写真))。

(動物愛護の観点からは、あまり、大きな声では言えないが、闘牛士の勇敢さは表彰に値すると思う・・・)。

それはともかく、現在の文化大臣ウルタスンは、動物虐待を認めないスペイン人が大勢いる(hay una mayoría de españoles que no comparte el maltrato animal)として、政治活動の中で、一貫して闘牛に反対の意を唱えてきた(se había mostrado contrario a la tauromaquia a lo largo de su carera política)。

2007年にスペイン全国で開催されていた闘牛(festejo taurino)は3651回だったが、2022年には1546回に激減したことも栄誉賞廃止の理由のひとつらしい。

こうした栄誉賞の廃止の決定を受け、闘牛が未だ盛んなカスティージャ・ラ・マンチャ州、マドリード州、アラゴン州、エストレマドゥーラ州では独自の闘牛賞(propios premios)を制定する(crearán)と発表した。

スペインと言えば闘牛、闘牛と言えばスペイン、というイメージはもはや昔の話。

闘牛の開催数もさることながら、その人気も、愛好家たちも減り、今度は賞までも廃止され、名実共に風前の灯。

写真は2年前にムルシア州で行われた闘牛への抗議運動(protesta)。

La tortura no es cultura
苦しみは文化じゃない

太字部分が韻を踏んでるが、中々、訳に反映できないのがもどかしい…。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240503/ministerio-cultura-suprime-premio-nacional-tauromaquia/16087236.shtml