見出し画像

10/17 ニュースなスペイン語 Ecofeminismo:エコフェミニズム

初めて知った語だか、「eco-」が「環境」、「feminismo」が「男女同権を求める運動」であることは分かる。

しかし、このふたつがなぜ共起するのかが分からなかったが、記事を読んで合点がいった。

今回参考にした記事には、エコフェミニズムを主張する人たち、つまり、エコフェミニストたちのスペインでの活動が紹介されている。

エコフェミニズム自体は1970年代のフランスで生まれたというから、そんなに新しい考え方ではない。

環境問題にフェミニズムを絡めることで、新しい視点が生まれるというのがミソ。

世界中の二酸化炭素の10%が、実は、ファッション業界から排出されている(la industria de la moda es responsable del 10% de las emisiones mundiales de carbono)。だから、ファッション業界は、石油に次いで、地球を汚染する産業ということになる(Es la segunda industria más contaminante del planeta después del petróleo)。

ここまでは環境問題の活動家たちが主張することとそんなに違わない。

しかし、そのファッション業界を支え、流行の服を作っている人たちの90%が女性たちで、彼女たちのほぼ全員が大変深刻な労働環境にある(El 90% de las personas que hacen estas prendas son mujeres y casi todas están en unas condiciones laborables muy precarias)という事実を知ると、環境問題の後ろには女性たちの犠牲も隠れているということが見えてくる。

さらに、地球環境の悪化によって作り出される汚染物質は男性よりも女性に蓄積されやすい(los tóxicos ambientales se acumulan más en el cuerpo femenino)。男女の脂肪細胞(células grasas)が関係しているらしい。脂肪細胞の多い女性に汚染物質が貯まりやすく、こうした環境毒が、体全体に痛みを発症させたり(=線維筋痛症(fibromialgia))や慢性的な倦怠感(fatiga crónica)、ひいては、乳がん(cáncer de mama)を引き起こすという。これは、記事の受け入れだから、事実かどうかは、小生自身はまだ確かめていないけど、しかし、環境汚染が男性と女性に等しく影響を与えるわけではなく(Las afecciones no son iguales)、より女性たちが被害を受けるとすれば、環境問題との向き合い方が変わる。

私たちが男性と同じ権利を主張しながら、その一方で、ヒト以外のあらゆる生物より優位にあると感じるのは、一貫性が無く、不当に思えるのです(Sería incoherente o injusto alcanzar la igualdad con los hombres, pero seguir sintiéndonos por encima del resto de especies)

あるエコフェミニストのことばだ。

彼女たちは、男性中心主義(androcentrismo)だけでなく、人間中心主義(antropocentrismo)にも終止符を打つことを目指す。

男性にはない、優しくも、力強い目標を前に、マチスモ(男性優位主義)の何と虚栄心に満ちて、みすぼらしいことよ・・・。

写真は今回の記事で紹介されていたエコフェミニストのアリシア・プレオ(Alicia Puleo)とディナ・ガルソン(Dina Garzón)。

ちなみに、「エコロジー(ecología)」の「エコ(eco)」はギリシア語の「家」を表わす「オイコス(oîkos)から派生した接頭辞。

エコロジーは、つまり、「住んでいるところの学問」というのが原義。

なお、エコロジーは1866年にドイツ人の動物学者のエルンスト・ヘッケル(E. H. Haeckel)が作った「Ökologie」が原語。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221016/objetivo-igualdad-revolucion-ecofeminismo/2405768.shtml