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未来にとらわれてしまう時には?(ACT実践編③)

前回は、
過去へのとらわれ(フュージョン)に対して、
思考と距離を置くための
「文字化」エクササイズをご紹介しました。

今回の内容は、
未来へのとらわれです。

前回と同じく
「心ここに在らず」
と表現される状態を思い浮かべてください。

今、目の前で起きていることに
意識が向いておらず、
どこかに心が出かけています。

何か気になることがあって
その思考が意識を支配しています。

その結果、
「心ここに在らず」になっているのです。

未来へのとらわれというのは、
心が未来に行ってしまっている状態です。

「来月の旅行が楽しみで過ぎて、仕事が手につかない」
という場合もありますが、
これは問題ありませんね。

こうした状態がたまにあっても、
困難を感じていなければ問題はないです。

ただもし、あなたが今

「家族との時間を過ごしているのに
 仕事で先々すべきことが浮かんでしまい
 一緒の時間をまったく楽しめない」

「仕事をしていても、
 自分の将来が不安になってしまい
 目の前のことに集中できない」

そのような状態が続いていて、
苦しい気持ちがあるのなら、
この記事がお役に立てるかもしれません。


未来へのとらわれ

「心ここに在らず」の状態。

ACTでは、このように
思考が意識や行動を支配してしまう状態を
(思考との)フュージョンと呼ぶのでしたね。

頭の中の考えが、
自分の意識、感情、セルフイメージなどと
べったりくっついて離れないような状態です。

私はもう少し一般的な言葉で、
「とらわれている」とも表現します。


未来にとらわれて、問題になるのは、
将来への不安、という場合が多いでしょう。

「明日のプレゼンが不安で眠れない」
というものから、
「この先の人生が不安で、何も手につかない」
というものまであります。

もしあなたが、
未来への不安で頭がいっぱいになる時間が多く、
目の前のことに集中できていないと感じるなら、
今回のエクササイズに取り組んでみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介するエクササイズは、
「物語にタイトルをつける」です。

なんだかメルヘンな名前ですね。

例えばあなたが、
「この先の人生が不安でしょうがない」
という思考にとらわれているとしましょう。

「今、働いている仕事を続けて昇進はないな」
「働いていてもやりがいがなくて、続かなさそう」
「恋人ができなくて、人生どうなるんだろう」

そうした考えが、
ことあるごとに浮かんで、
だんだん仕事も遊びも手につかなくなってきた。

このように、
私たちの頭は、とても優れているので、

未来のことに対しても
「なんとか解決しよう」と思って
フル回転してしまう
時があるのです。

具体的に、解決策が見つかったり、
行動できたりすればよいのですが、

そうではないのであれば、
次のことをやってみてください。


それは、
繰り返し頭に現れる不安な物語に
タイトルをつける
のです。


例えば仕事上で、

「このままだとお金も増えないで、
苦しい生活が続く」

という不安がたびたび現れるのなら、
その物語に、

「お先真っ暗物語」とか
「ゆでガエル物語」とか
短い名前をつけてしまう
のです。

「ふざけないで!」
と思いましたか?

ふざけているのではありません。
おちゃらけた名前をつけろというでも
ありません。

大事なのは、自分の頭に浮かぶ未来への不安を
あくまで自分の頭が作った「物語」だと捉えること、
それに「タイトル」をつけて、客観視すること

そのためにやるのです。

あなたの頭が勝手に作り上げた、
未来の悲劇に飲み込まれる必要はありません。

またその物語が浮かんできたら、
また『ゆでガエル物語』が出たな!」と
口に出してみてください。

そうしたら、
重たい暗いものだったモヤモヤした不安が、
タイトルのついた物語の一つに過ぎないことに気づくはずです。

かの喜劇王チャップリンは、
次のような言葉を遺しています。

「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、
 ロングショットで見れば喜劇だ

頭が勝手につくる物語にタイトルをつけて、
ロングショット、つまり「引き」で
客観的に見てみましょう。

あなたの人生は、
引きで見たらハッピーエンドの喜劇、
かもしれませんよ。

おわりに

最後までお読みいただき、
ありがとうございます!

ACTの全体像については、
以下の記事をお読みください!


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