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「やること」よりも「やり方」を見直す

ちいさなブランドをつくり、それを生業としていると、「どうしたらそんな生き方ができるんですか?」と聞いてもらうことが結構ある。

この質問に一言で答えるとしたら、これだ。

「 試行錯誤を続けたから 」

シンプルだけど、これが一番しっくりくる。

能力やセンスやコツよりも何よりも「続けたこと」が、大きな要因だと思っているから。

自分で何かを始めたいと思ったとき。種を蒔いてから実がなるまでには、ほとんどの場合、思っている以上の時間がかかる。

わたしが『じぶんジカン』を立ち上げたのは2019年のことで、もう5年近く続けているらしい。

有名人でも何でもないただの一般人が「自分のブランドをつくって生きていきたい」と思ってから、それが生業となるまでには、これぐらいの時間がかかるよねって客観的に考えたらわかる。

だけど、自分事として考えてみると、意外とこの長い年月を待てる人はいないのかもしれない。すぐに目に見える成果や結果が出ないと「やっていても意味がない」と判断してしまう人の方が、きっと多いのかも。

実際のところ『じぶんジカン』も、ちゃんと生業となるまでには3年かかってる。つまり、もしもわたしが1年目や2年目であきらめていたら「うまくいかなかったな」と結論づけてるわけだ。

幸いなことに、わたしは最初から「長い目で育てる」と決めていた。何年かかってもいいから、育てていくんだ!って、決めてた。だから、続けられた。

「じゃあ、続けるためのコツは?」と、聞かれた時に。コツかどうかはわからないけれど、わたしがいつも意識している視点があって。

まず目指したい方向性がある時、わたしは常に「そのためにやること」と「そのやり方」の二つを考える。

例えば自分でものづくりをして、それを誰かに使ってもらいたいと思った場合。「そのためにやること」は、ものづくり自体もそうだし、見つけてもらうための発信なんかも含まれる。一方で「そのやり方」は、例えば見つけてもらうための発信なら、どこで・どれくらい・どんな内容や見せ方で…などなど。

そして「これをこのやり方でやってみよう」と決めて実践した結果、もしもあまり上手くいかなかったとしたら、「やること」と「やり方」のいずれかを見直すことになる。

そしてここからが、とっっても大事なポイント。

わたしは基本的に「やること」ではなく「やり方」を見直すことにしてるのだ。これが、続けられた理由なのかも。

具体例を挙げるとしたら、わたしは「自分で仕事をつくって生業とする」の方向に進みたいとして、そのためにやることとして「ノートをつくる」と決めた。ノートのつくり方、発信の仕方なんかをいろいろと決めて実践してみたけれど、うまく成果が出なかったとする。

・進みたい方向
- 自分で仕事をつくって生業に
・やること
- ノートをつくって販売する
・やり方
- 〇〇な印刷・製本方法、△△のWebショップ、××のSNSで週◯回発信など

やってみたけれどもなかなか成果に繋がらないとき、「ノートの販売じゃあうまくいかないんだな」と結論づけるのではなくて、「なんかやり方が違うのかも」と考える。

「じゃあ作り方を変えて品質を上げてみようか」とか「SNSの更新頻度を見直そうか」とか「発信内容が違うのかも」とか「使うプラットフォームはここじゃない方が良いのかな」とか。

もちろん「やること」自体が外れている場合もあるとは思うのだけど、経験上たいていの場合は「やり方」が間違っている確率の方が高いと思っていて。「やること」を見直すのは、「やり方」を思いつく限り試した後でも良いのかなって。

つまりわたしの場合、『じぶんジカン』でなかなか成果に繋がらなかったとしても、「じぶんジカンをやめよう」と結論づけずに「やり方を変えてみよう」と考えるから、続けてこられたんだと思う。

わたしがブランド運営でやってきたことをまとめた本『ちいさなブランドをつくる』にも、「やり方の見直し」について詳しく載せていて。

特に「発信のやり方」については、こんなことを書いています。

とはいえ、ずっと売れない状態では、ちいさなブランドの存続が危うくなってしまいますよね。では、どうすれば良いのか。もっとも重要なのは「伝えること」です。売れないときは大抵「伝える」が足りていないのです。

ちいさなブランドをつくる』より
※このあと「伝え方」について具体的に続きますが、それは本でお読みくださいね

想いを込めてつくったものやサービスが間違っていることって、そうそう無いと思う。つまり「やること」は間違ってない。ほとんどの場合。

だから、それを誰かに見つけてもらえなかった場合に「需要がない」とあきらめるんじゃなくて、「見つけてもらう努力」や「受け取ってもらえる方法」を考えることに舵を切るようにしたい。

実際、『ちいさなブランドをつくる』の読者さんが「このページを読んで発信方法を変えてみたら、すぐに注文があって驚きました」と教えてくれて、わたしはとっても嬉しかった。そうなの、「やり方」だけで随分と変わるの。まあでもすぐ結果が出たのは、この方がずっと努力を重ねていたからこそだけどね。

自分で仕事をつくって生業にするための秘訣は「続けること」だ。

ありきたりな結論だから、特効薬を期待していた人は「なーんだつまらない」と思っただろうけど。

でもきっと、ここまで読んでくれた人は「当たり前だけど実践するのが難しいこと」こそが、大事なことなんだってわかってくれる気がする。最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

続けること。
やり方を見直して大切に育て続けていくことを、これからも、大切に。


おわり


ちいさなブランドをつくるために試行錯誤してきたことのすべては、この本にまとめています。ブランドづくりのお力になったら嬉しいです。


運営している「じぶんジカン」では、自分と向きあう時間をつくるノートをお届けしています。もっと心地よく自分を生きるための一歩目に、よかったらどうぞ。


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