ブックスタマ 加藤勤

書店『ブックスタマ』を経営しています。読書が好きなので、自分が読んだ本の感想をこのブロ…

ブックスタマ 加藤勤

書店『ブックスタマ』を経営しています。読書が好きなので、自分が読んだ本の感想をこのブログに載せています。 料理レシピ本大賞の実行委員長もやっています。 自分で執筆した本『中国語が1週間でいとも簡単に話せるようになる本』は2万部以上売れています。

記事一覧

【読書感想】一度読んだら絶対に忘れない中国語の教科書

中国語を著者独自の視点からとらえた画期的な中国語の教科書です! 冒頭に書かれている、 「じつは、日本人は中国語が上達しやすい!」 「じつは、中国語は英語よりも日…

【読書感想】I型(内向型)さんのための100のスキル

MBTI性格診断がネットを通じて若い人たちに流行して内向型の人をⅠ型、外向型の人をE型という言い方が一般的になってきました。 「陰キャ」と呼ばれたり、内向型の人はマ…

【読書感想】デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか

他国に比べて日本の生産性が低いという話は最近よく聞かれます。 それなら、生産性が高いデンマークの働き方に学ぼう、というのがこの本です。 著者は13年以上デンマーク…

【読書感想】ビジネスマン超入門365

先週日曜日に、高円寺の蟹ブックスで行われたデイリーポータルZのイベントに行ってきました。 こちらのビジネス超入門365のイラストを描いている、ヨシタケシンスケさ…

【読書感想】成瀬は天下を取りに行く

本屋大賞受賞、おめでとうございます! ちょっと型破りな女子中学生の成瀬が、M-1グランプリに出たり、女子中学生らしくないことに青春を燃やす物語です。 舞台が滋賀県…

【読書感想】 板上に咲く

芸術家に関連した小説をよく執筆される原田マハさんが棟方志功とその妻チヤを主人公にした小説を書きました。 名前を知らなかったとしても 棟方志功の作品は、だれもが目…

【読書感想】孔丘

イエス・キリストを主人公にした映画はいくつもありますが、孔子を主人公にした映画や小説は、少ないと思います。そう考えると、孔子はイエス・キリスト以上に神格化された…

【読書感想】分析する広報

日経平均株価がバブル時代の最高値を超えて値上がりし、新NISAの導入もあって、株式市場が盛り上がっています。 上場企業の株主になると、株主総会の案内が来ると思います…

【読書感想】パッキパキ北京

綿谷りささんの本は「インストール」「夢を与える」以来、 しばらく読んでいませんでしたが、今回は舞台が北京ということで、 読んでみました。 綿矢りささん自身が北京…

【読書感想】M-1はじめました

麻布台ヒルズの大垣書店さんでかなり推していたので、M-1グランプリには特に興味はなかったのですが、買ってみました。 第1回のM-1で勝ち残ったコンビ名を見てみると今も…

【読書感想】まちかどガードパイプ図鑑

アマゾンランキング1位! 道路のガードパイプだけの本が出版されました。 いつも見過ごしている、ガードパイプですが、 町の自然や、名産品、お祭りなど その町のさ…

【読書感想】 極楽征夷大将軍

足利尊氏は将軍になった割には、あまり人気のない人物です。 ドラマや小説の主人公になることはあまりありませんし、ゲームの題材にもなりません。 戦前には朝敵とされた…

【読書感想】問うとはどういうことか

日本人はとかく、質問するのが苦手と言われます。 講演会の後の質疑応答の時間で、だれも手を上げないことはしばしば見られますし、会社の会議も、偉い人の意見をただ追認…

【読書感想】ビジャの女王

世界征服を目指し、苛烈な攻撃をしかけてくるモンゴル軍に果敢に立ち向かうペルシャの都市、ビジャの美しい女王、オッド。 絶体絶命の状況を打開するために、ひとりでも大…

【読書感想】ChatGPT vs 未来のない仕事をする人たち

刺激的なタイトルですが、堀江貴文さんと、4人の生成AIに知見を持つ人との対談形式で、ChatGPTとどうつきあっていったらいいか指針を示してくれる本です。 プログラマー…

【読書感想】江戸大名庭園は挑む

東京都で造園の専門職についていた著者が今も残る江戸時代の大名庭園について、その歴史と庭園を保存・再生する過程について書かれた本です。 江戸時代には実に1000を…

【読書感想】一度読んだら絶対に忘れない中国語の教科書

【読書感想】一度読んだら絶対に忘れない中国語の教科書

中国語を著者独自の視点からとらえた画期的な中国語の教科書です!

冒頭に書かれている、

「じつは、日本人は中国語が上達しやすい!」

「じつは、中国語は英語よりも日本語と似ている!」

という意見には心から同意します。

入門書とうたってありますが、中国語の文法の要点は、ほぼ網羅されています。

カラーで図解が示されているのでわかりやすく初心者にも理解しやすい一方で、この本の例文の文章構造をおさ

もっとみる
【読書感想】I型(内向型)さんのための100のスキル

【読書感想】I型(内向型)さんのための100のスキル

MBTI性格診断がネットを通じて若い人たちに流行して内向型の人をⅠ型、外向型の人をE型という言い方が一般的になってきました。

「陰キャ」と呼ばれたり、内向型の人はマイナスにとらえられることが最近は特に多くなってきたように思います。

そんな内向型の人が、「内向型」であることを自分の強みに変えていくための100のスキルを紹介した本が、この本です。

内向型の人であっても、オバマ大統領のように優れた

もっとみる
【読書感想】デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか

【読書感想】デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか

他国に比べて日本の生産性が低いという話は最近よく聞かれます。

それなら、生産性が高いデンマークの働き方に学ぼう、というのがこの本です。

著者は13年以上デンマークに暮らしている日本人。

日本人とデンマーク人の働き方の違い、仕事に対する考え方の違いを、分かりやすい言葉で説明しています。

よく誤解をされていると感じるのは、

「こんなに一生懸命働いているのに、なんで生産性が低いと言われるんだ!

もっとみる
【読書感想】ビジネスマン超入門365

【読書感想】ビジネスマン超入門365

先週日曜日に、高円寺の蟹ブックスで行われたデイリーポータルZのイベントに行ってきました。

こちらのビジネス超入門365のイラストを描いている、ヨシタケシンスケさんのニセものの、ニセタケシンスケさんが来ていると聞いていましたが、ニセタケシンスケさんのさらにニセものだったのでびっくりしました。

ちゃんとサインも書いていただきました。

ヨシタケシンスケさんの世界観で、ビジネスマンの心得?を楽しく学

もっとみる
【読書感想】成瀬は天下を取りに行く

【読書感想】成瀬は天下を取りに行く

本屋大賞受賞、おめでとうございます!

ちょっと型破りな女子中学生の成瀬が、M-1グランプリに出たり、女子中学生らしくないことに青春を燃やす物語です。

舞台が滋賀県で、大津や膳所などの実在する場所が頻繁に出てくるので、自治体が地元PRに取り込んでいるらしく大津駅前は成瀬に埋め尽くされているそうです。

冒頭は西武大津店の閉店から始まるのですが、東京西部で生まれた私にとってなじみの深い西武百貨店が

もっとみる
【読書感想】 板上に咲く

【読書感想】 板上に咲く

芸術家に関連した小説をよく執筆される原田マハさんが棟方志功とその妻チヤを主人公にした小説を書きました。

名前を知らなかったとしても

棟方志功の作品は、だれもが目にしていると思います。

特に、画面いっぱいに表現された仏像やなまめかしい弁財天を描いた作品は見る人の目を引き付け、一度見たら忘れない印象を残すのではないでしょうか。

小学校の授業では必ず版画を習うと思いますが、日本の芸術における版画

もっとみる
【読書感想】孔丘

【読書感想】孔丘

イエス・キリストを主人公にした映画はいくつもありますが、孔子を主人公にした映画や小説は、少ないと思います。そう考えると、孔子はイエス・キリスト以上に神格化された人物かも知れません。

この小説は孔子を、思うように出世できない悩みや嫉妬をかかえ、妻や息子との関係に苦しむ一人の人間として描いています。孔子をあえて孔丘と呼び、タイトルにもすえていることから著者の意図が伝わってきます。

あらためて思うの

もっとみる
【読書感想】分析する広報

【読書感想】分析する広報

日経平均株価がバブル時代の最高値を超えて値上がりし、新NISAの導入もあって、株式市場が盛り上がっています。

上場企業の株主になると、株主総会の案内が来ると思いますが、だいたい平日に行われるので、株を持っていても出席する人は少ないのではないかと思います。

その株主総会に10年間参加しまくり、今も1000社以上を継続リサーチしている著者が、株主総会から読み解ける成長する会社、しない会社のポイント

もっとみる
【読書感想】パッキパキ北京

【読書感想】パッキパキ北京

綿谷りささんの本は「インストール」「夢を与える」以来、

しばらく読んでいませんでしたが、今回は舞台が北京ということで、

読んでみました。

綿矢りささん自身が北京に滞在した経験があるので

コロナ終息後の北京の様子を、リアルに描いています。

ショッピングモールで買い物したり、

公園でスケートをしたり、街を歩く人の髪型やファッション、

そして食べ物の描写が、とてもよいです。

ザリガニ、鴨

もっとみる
【読書感想】M-1はじめました

【読書感想】M-1はじめました

麻布台ヒルズの大垣書店さんでかなり推していたので、M-1グランプリには特に興味はなかったのですが、買ってみました。

第1回のM-1で勝ち残ったコンビ名を見てみると今もテレビでよく見る人たちばかりで、M-1が若い才能を発掘する役割をしっかり果たしていたことがわかります。

もう20年たったから時効と思ったのか、M-1を立ち上げた時に、協力してくれた人、してくれなかった人のことが、ほぼ実名で書かれて

もっとみる
【読書感想】まちかどガードパイプ図鑑

【読書感想】まちかどガードパイプ図鑑

アマゾンランキング1位!

道路のガードパイプだけの本が出版されました。

いつも見過ごしている、ガードパイプですが、

町の自然や、名産品、お祭りなど

その町のさまざまな魅力が表現されています。

鉄製のパイプで表現しなくてはならないという制約が、

逆におもしろさを増しています。

テレビ、ラジオ、雑誌でも話題沸騰です。

【読書感想】 極楽征夷大将軍

【読書感想】 極楽征夷大将軍

足利尊氏は将軍になった割には、あまり人気のない人物です。

ドラマや小説の主人公になることはあまりありませんし、ゲームの題材にもなりません。
戦前には朝敵とされたことも影響しているかも知れませんが、人物像がわかりづらい、というところが一番の理由ではないかと思います。

織田信長や徳川家康が、天下人になるという目標にまっすぐ向かっているように見えるのに対して、足利尊氏はいまひとつ行動が煮え切らないで

もっとみる
【読書感想】問うとはどういうことか

【読書感想】問うとはどういうことか

日本人はとかく、質問するのが苦手と言われます。

講演会の後の質疑応答の時間で、だれも手を上げないことはしばしば見られますし、会社の会議も、偉い人の意見をただ追認するだけの早く終わる会議がよいとされたりします。

それは、子供のころから、「そんな質問をするんじゃない」とか、「昔からそう決まっているのだ」とか、問うことを否定するように教わっているからだと思います。

この本では、人は問うことで考えを

もっとみる
【読書感想】ビジャの女王

【読書感想】ビジャの女王

世界征服を目指し、苛烈な攻撃をしかけてくるモンゴル軍に果敢に立ち向かうペルシャの都市、ビジャの美しい女王、オッド。

絶体絶命の状況を打開するために、ひとりでも大軍を打ち負かす秘術を持つという、インドにいる墨家の助けを借りようとする。

相当前に、こちらのコラムで墨攻 を紹介しましたが、森秀樹さんの描く世界観にひかれて、購入しました。史実にそっているかどうかはさておき、エンタメとして楽しめる内容だ

もっとみる
【読書感想】ChatGPT vs 未来のない仕事をする人たち

【読書感想】ChatGPT vs 未来のない仕事をする人たち

刺激的なタイトルですが、堀江貴文さんと、4人の生成AIに知見を持つ人との対談形式で、ChatGPTとどうつきあっていったらいいか指針を示してくれる本です。

プログラマーやイラストレーターなど、クリエイティブと思われている仕事もChatGPTが人間に代わりに働くことが可能になっています。

かなり辛辣な会話が飛び交いますが、最後には、日本がこれからどう進むべきか堀江さんならではのポジティブな展望が

もっとみる
【読書感想】江戸大名庭園は挑む

【読書感想】江戸大名庭園は挑む

東京都で造園の専門職についていた著者が今も残る江戸時代の大名庭園について、その歴史と庭園を保存・再生する過程について書かれた本です。

江戸時代には実に1000を超える大名家の庭園が存在し、江戸は世界に誇れる緑園都市でしたが、明治維新や関東大震災、第二次世界大戦でその数は大きく減少しました。しかし、小石川後楽園や浜離宮公園など、都立公園として4つの大名庭園が現在も残されています。

著者は東京都の

もっとみる