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傷のケア② 〜抜糸後〜

手術後や刃物とかで切って縫った後のケアについて。(いわゆる一次創傷治癒後)

傷痕は消えません

残念ながらニンゲンはトカゲがしっぽを再生できるような再生と言った治り方はしません。別の組織に置き換わって治ります。なので、〝痕〟はできてしまいます。


傷の目立つ要因は2つ。正確には3つ。

向き

しわ(皮膚割線)に沿うと目立ちにくいです。怪我の場合これは選べませんが、手術の場合は極力これに沿わせます。怪我の場合、少しでも向きを変えたりする修正方法もあります。

実際、自分で予防、対策できるのは以下の2つになります。

皮膚は常に引っ張られてます。スパッと切れた傷を想像してもらうとわかりますが、パカッと開きます。それに加えて、動きます。なので幅がでない様に固定を行います。
テープを貼れる場所はテーピングを行い、固定します。

具的な貼り方ですが、傷にテンションかからない様に貼ります。基本的に傷に垂直になりますが、部位にによっては平行になったりもするので貼り方は聞いてみて下さい。

期間はできれば3ヶ月。

傷の保護用のテープ色々

色が濃いとまた目立ちます。1番は紫外線によるもので、茶色い感じで濃くなります。なので紫外線予防も必須です。↑のテープにUVカットの効果もあるので、貼ってる時はそれだけでも大丈夫です。

少しでも赤みも引くのを早くするのにヘパリン類似物質は有効で、マイクロポアだと併用も可能です。赤みが強くなる1〜2ヶ月ぐらいから始めて6ヶ月続けてもらえると十分かなと思います。

炎症性色素沈着と言いますが、時間が解決することが多いので待つのも治療の一つになります。

内服

・トラニラスト(リザベン)
肥厚性瘢痕予防に有効とされています。
副作用に膀胱炎様症状(おしっこが近いような感じ)があります。

・柴苓湯

共に飲んでて効くなぁ〜と実感することが少ないのと、1日3回は飲みにくいな、と。希望される場合はという感じです。

注射

傷周囲にボトックス打つ場合もありますが、部位によるかなと思います。
筋肉が緩むと動きで引っ張られることはないですが、筋肉の緊張が無くなるので皮膚への負担が増すのではないかと思い積極的には勧めていません。

加筆(2022.7)
神経と筋線維芽細胞のシグナルサイクルを遮断する点で、予防効果あるかもです。



*肥厚性瘢痕、ケロイドになってしまうと別で治療が必要になります。
*検診、経過観察はちゃんと行って、気になれば早めに受診しましょう!

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