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インフレで得する人?損する人?

こんにちは!藤丸です。

私の独断と偏見によるミーゼス「自由への決断」の紹介と感想の最終回です。最後まで気軽に読んでいただけると嬉しいです😊


いきなりですが、クイズです‼

「インフレで得する人と損する人は誰でしょうか?」



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答えです。

ミーゼスによると、インフレで得する人は、
「最初に(ものの価格が上る前に)新しい貨幣を受け取った人たち」です。


「ん?どういう意味?」と思った人もいると思います。

たとえば、戦争を考えてみましょう。

昔から政府は戦争をするときは、貨幣量を増大させて、軍需品を購入してきました。
この場合、政府によって増発された貨幣を最初に受け取るのは、
「軍需産業関係者」です。
この人たちは、最初に売上が増えて、得することになります。

この軍需関係者たちは、新たに得た貨幣で、今までよりも多くのものを購入できます。
だから、次に得するのは、
新たな貨幣が次に回ってくる先である「軍需関係者が購入する店」です。


このように増発された貨幣は少しずつ波及していきます。

これにより少しずつ、ものが値上がりしていきますが、
「ものの値上がり前に購入できた人たち」は、有利な立場なのです。


一方、インフレで損する人もいます。それは、
「増発された貨幣がずっとずっと後に回ってくるグループの人たち」です。

彼らは、増発された貨幣が回ってこないうちに、
買いたい商品の一部(あるいはほとんど全て)が値上がりしています。




このようにインフレによって得をする人たちもいますが、損をする人たちもいます。

貨幣は政府が増発するものなので、
「政府に相対的に近い人たちが得することが多い」と言えるのではないでしょうか。


また、歴史上の権力者たちは、「増税」をすると国民の反発があるので、
インフレによって資金を獲得しようとしてきた事実があります。
これをインフレ税といいます。


今は「経済成長にはインフレが必要だ」という意見を聞くこともあり、
あたかもインフレが国民の幸せのためのように言われることもありますが、少なくとも歴史上では、
「インフレは権力者が資金を容易に獲得するための手段」だったのです。



いかがでしたでしょうか?


クイズの他の答えとしては、以下も◎ですね!
「インフレで得する人は、お金を借りた人。損する人は、お金を貸した人」

次の二つも、ある程度はあてはまると思います。
「得する人は、お金を貯めずにぱ~と使っていた人。損する人はコツコツとお金を貯めていた人」
「得する人は、若者(今までの人生での貯金が少ない)。損する人は高齢者(今までの人生での貯金が多い)」



このように、インフレ・デフレといった「ものとお金の関係性」にはいろんな側面がありますが、
このような面から考えてみるのも、見方の一つとして面白いなと思います。
皆さんのご意見をぜひコメントでお聞かせくださいね😊


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今回でミーゼス「自由への決断」の話は一旦終わりです。
個人的に印象に残った部分をかんたんに紹介&感想を書いてみましたが、いかがだったでしょうか?

少しでも面白いなあと思っていただけたら、ぜひ「自由への決断」読んでみてくださいね。
「もっと他にここが面白かったぞ!」
「ここの解釈はおかしい!」
「これには賛成できない!」
などの異論は大歓迎です。
コメントなどお待ちしています。
「自由への決断」を多くの人に知ってほしい。もっともっと広がってほしいと思います😊

ミーゼス「自由への決断」の無料PDFはこちらです。(今回の話に関連するところはP47~です)
http://www.catallaxy.jp/files/EconomicPolicy.pdf



最後まで読んでいただきありがとうございました。
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                              (藤丸)







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