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不況は「睡眠」のようなもので、一見無駄だが必要なものだ

こんにちは。自由主義研究所の藤丸です😊

今回は、アメリカの自由主義系シンクタンク「ミーゼス研究所」のHPに掲載されているGarrett M. Gess氏のレポート、
「RECESSIONS ARE LIKE SLEEP: SEEMINGLY WASTEFUL, BUT NECESSARY」(不況は「睡眠」のようなもので、一見無駄だが必要なものだ
(2023年10月2日掲載)を紹介します。

短いレポートですが、さらに簡略化して紹介します。太字は筆者(藤丸)です。
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不況は「睡眠」のようなもので、一見無駄だが必要なものだ


民間企業によるいわゆる「市場操作」は、1934年証券取引法の下では違法だが、政府がする場合は合法である。
実際、連邦準備制度理事会(FRB)は2、3週間ごとに通貨供給量を調整することでそれを行っている。

「不況」は過去の経済の誤りを反映するが、これは重要な役割を果たしているのだ。

「完璧な世界」では、誰もが王様のような生活を送ることができ、給料は上がるのが商品やサービスのコストは上がらない。しかし、そのような「ファンタジーの世界」の経済は実現不可能だ。
政府はそのようなファンタジーな世界の経済を作ろうと主張しているが、
その試みは問題を覆い隠し、インフレという眠れる巨人を作り出している。

景気後退期には、経済は自ら修復し改革する。
不良企業や不良債権が淘汰されるのだ。

米国はCOVID後の2年間に、財政と金融を合わせて10兆ドルの景気刺激策を実施した。それでも2022年の株安は止まらなかった。
市場の成長が伴わない大規模な政府支出は、最終的に大惨事を招く。

優秀な企業は不況に耐えられるほど強くあるべきで、弱い企業は失速する。しかし、アメリカではそうなっていない。


金融の専門家でハーバードMBAを卒業したハリー・デントは語る。
不況が悪いことだと思うなら、あなたは何もわかっていない。経済について最も基本的なことを理解していない。
8時間余分に働けるから、決して寝てはいけないと言っているようなものだ。人体を理解していない証拠だ
」と。


人間の身体は一晩睡眠をとらないと、翌日の生産性が著しく低下する。
アメリカ経済は「睡眠」なしで15年間を過ごしてきた。

バブルの問題は、バブルを極端に上昇させることだ。いったん極端に上昇すれば、いずれは適正価格を見つけなければならず、軟着陸することはない。

FRBは過剰な景気刺激策を講じ、その結果、インフレに顔を殴られ、引き締めを余儀なくされたのだ。
ハリー・デントの言う通りなら、今度の景気後退は時限爆弾のようなものだ。いつ起こるかは誰にもわからないが、その結果は非常に破壊的なものになるだろう。
この経済縮小は、2021年から22年にかけての財政出動で不適切な投資をした企業に跳ね返ってくるだろう。

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論文の紹介は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

以下、藤丸の感想です。

優秀な企業は不況に耐えられるほど強くあるべきで、弱い企業は失速する」
→これはとても重要なことだと思います。

弱肉強食のように聞こえるかもしれませんが、自由市場では「優秀な企業」とは「客の期待に答えるサービスを提供する企業」ともいえます。
「弱い企業」はその逆です。
客の欲しがるサービスを提供できずに利益をあげれない企業が、政府の援助などによっていつまでも市場にとどまることは、その企業は「ゾンビ企業」とも言えます。
これは、消費者にとって良いことといえるでしょうか?
そのような企業へ投資される資本やそこで働く人の労働力は、残念なことですが、消費者にとって有益なものを生み出してないのです。
そこに資本や労働力がとどまるよりも、その企業は市場から撤退してもらい、他の企業へ資本や労働力が移る方が、消費者にとって望ましいことです。
また、長い目で見れば、そこで働く人にとっても、より良い企業でキャリアを積める方が良いと思います。

このような考え方には賛否両論あると思いますが、日本にはあまりにも「ゾンビ企業」が多いという現実があります。
「倒産」を避けるあまり、消費者にとって望ましくない企業が延命される弊害をもっと考えるべきかではないでしょうか?



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