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リバタリアンの大統領が誕生‼

こんにちは、自由主義研究所の藤丸です。

世界中の自由主義者が注目する中、アルゼンチンの大統領選挙は決選投票によりリバタリアンのハビエル・ミレイ下院議員が勝利しました‼

上記の記事にもあるように、次期大統領に決まったミレイは、
”中国やブラジルに対しては批判的で、「共産主義者」とは取引をしない”
と表明しており、米国との関係強化を推し進める考えとのこと。
穀物やリチウム、炭化水素の貿易に影響する可能性があります。
米中の争いの中で、ラテンアメリカに新米政権が誕生することは、日本も大きな影響があると思います。


先日の記事でもミレイの政策については紹介しましたが、
今回は、大統領選の勝利を受けて、アメリカ自由主義系シンクタンク「ケイトー研究所」のHPにさっそく掲載されたレポート、
「Milei’s Remarkable Victory in Argentina Paves the Way for a ‘Dollar Zone’」(アルゼンチンでのミレイの快勝が「ドル・ゾーン」への道を開く)(by Daniel Raisbeck)を短いので全訳・紹介します(太字は藤丸です)。

原文は下記のHPから読めます。


先日に紹介しましたこちらのnoteもぜひ御覧ください。

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Milei’s Remarkable Victory in Argentina Paves the Way for a ‘Dollar Zone’
アルゼンチンでのミレイの快勝が「ドル・ゾーン」への道を開く


アルゼンチン大統領選の決選投票でハビエル・ミレイが予想外の勝利を収めたことは、驚くべき偉業である。

ミレイは、新政党を率いながらペロニズムの強大な政治機構を打ち破っただけでなく、有権者の大多数に、繁栄の真の源泉として生命、自由、財産という基本的権利の無条件の尊重をあからさまに強調した、アルゼンチンの失われた伝統である古典的自由主義への回帰を選択するよう説得した。

とはいえ、喜びに浸るのも束の間である。
ミレイは12月10日にアルゼンチンの新大統領に就任するが、年間インフレ率は140%を超え、自国通貨は事実上無価値であり、国民の40%が貧困ライン以下で生活している。
しかし、次期大統領(ミレイ)は、アルゼンチンの経済危機の深刻さに中途半端な対策は許されないと認識しているようだ。

ミレイの経済プログラムを実行することが、アルゼンチンがインフレを打破し、金融の安定を取り戻し、経済成長を取り戻す唯一のチャンスである。
自由市場経済主義者である次期大統領は、輸出に対するすべての税金と同様に、価格統制と通貨統制を廃止しなければならないことを理解している。
ミレイは、アルゼンチンの世界貿易障壁を一方的に撤廃することを示唆している。これは、80年にわたる保護主義的失敗の後では、急進的かつ必要な転換である。

最も重要なことは、ミレイがアルゼンチン経済のドル化と中央銀行の閉鎖を計画していることだ。
ドル化は、インフレを迅速かつ恒久的に一桁台に引き下げるための最良の手段である。ドルを法定通貨とすることで、ドルに対する自国通貨の切り下げを不可能にし、国民の購買力を保護することもできる。

ミレイ自民党は議会を支配していないが、中道右派のユントス・ポル・エル・カンビオと連立を組む可能性が高い。
たとえ彼が意図する改革をすべて議会で承認させるのに苦労したとしても、ドル化はそれ自体立派な業績である。


パナマ、エクアドル、エルサルバドルの経験が示すように、ラテンアメリカのドル化された国々は、民間セクターの支払能力のある関係者にとって、より低い金利とより長い融資期間を享受している。
さらに、ドル化は現地の政治層に厳しい予算制約を課すため、アルゼンチンには欠けていた公共支出に対する制度的な歯止めを提供する。

ドル化は銀の弾丸ではなく、高い経済成長も健全な財政運営も保証しない。とはいえ、ドルの法定通貨化はインフレを抑制し、物価の安定をもたらし、アルゼンチンの次期政権が他の必要な供給側改革を実施するための基礎的条件をもたらす。

アルゼンチンのドル化が成功すれば、ラテンアメリカ全体に影響を及ぼす可能性がある。
パナマ、エクアドル、エルサルバドルは比較的小さな国であるため、この地域でのドル化の成功はほとんど見過ごされてきた。
しかし、アルゼンチンは大きな影響力を持つ国である。
アルゼンチンがドル化すれば、ラテンアメリカの「ドル圏」が拡大し、非公式には、事実上ドル化しているベネズエラも含まれることになる。

金融の安定をもたらすだけでなく、ハードカレンシーの共通使用は、ラテンアメリカで最低水準にとどまっている域内貿易(特に北米やEUと比較した場合)を促進する可能性もある。

ブラジルのルーラ・ダ・シルバやコロンビアのグスタボ・ペトロなど、この地域の左派指導者たちがミレイに反対し、対立候補であるペロン派のセルヒオ・マッサ財務相を支持するなど、アルゼンチンの政治に露骨に介入したため、アルゼンチンの大統領選挙戦は国際的な様相を呈した。

最近、ブラジル、チリ、コロンビアなどで、ペロン派の強硬左派が選挙で勝利していることを考えると、今日のアルゼンチンの選挙は、ラテンアメリカの将来そのものを問う国民投票と見ることができる。そのため、ミレイの勝利はより重要な意味を持つ。


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