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詩集「水版画」の読書感想文

峯澤典子さんの2008年発行「水版画」を読みました。2022年発行発行「微熱期」と比較すると割と尖った言葉が使用されている印象があります。
その尖った言葉と優しい言葉の化学反応。決して明るいとは云えない状況で最終的には明るい光の方向へと向かう心地よさはデビュー作のこの詩集にもしっかりと刻まれていました。
詩集を読みながら気づいたこと。
私は尖った言葉と優しい言葉のギャップの化学反応に触れたことがあるのではないか?
曖昧な記憶を辿って、思いついたのが洋楽の歌詞です。日本に比べて治安は悪く、薬物やアルコールの問題も身近にあり、それらを歌詞の題材として活かす土壌がある海外アーティストの作品には邦楽にはないテイストがあります。例えばロ゙ーリング・ストーンズの「Coming  Down Again」の歌詞から引用します。

She  was dying to survive.      《彼女は生き残るために死にかけていた。》

歌詞にスラングが多いので正確な意味は分かりません。ヘビーメタルやバンクを含めたロック・バンドも古典的な文学から大きな影響を受けていることは良く知られています。新しい分野を開拓しているようで、自分の心の中の神秘の洞窟に壁画のように刻まれた文学の片鱗を探したい。だからこそ決して親密とは云えない分野に手を伸ばしてみることが好き。そんな事を実感した読書でした。
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