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日本の技術で世界一のいちごを Oishii Farm編 ~金星・Jカーブの企業深堀り6~  

こんにちは。金星・Jカーブです。皆さんには金星・Jカーブの名前の由来をまだ話せていませんでした。どうしてこの名前にしたかというと、金星をとるようなJカーブを描くスタートアップを探していきたいと考えたからです。
そもそも、金星(きんぼし)とはなにかというと相撲の用語で平幕の力士が横綱との取組で勝利することです。言うなれば、下剋上をしたときに得られる称号みたいなものです。スタートアップもこれに似たところがあると思っていて、大企業を相手に下剋上を果たせる力を持っています。そんなスタートアップを僕は見つけていきたいし、作っていきたいです。以上が金星・Jカーブの名前の由来でした。さて、前回のZepotの記事どうだったでしょうか。Zepotを医薬品特化にしたら日本でも流行りそうだなと先輩と考えていました。これからもマネできるところはどんどん取り入れていきたいです。

では、本題に入ります。今回紹介する海外のスタートアップはOishi Farmです。oishi Farmはアメリカでいちごやフルーツトマトをを生産している植物工場スタートアップです。現在では、日本円にして総額200億円のシリーズB調達を完了させています。なんでいちごなのか、日本ではなくアメリカなのか、どうやって生産しているのかを深ぼっていきます。 

Oishi Farmってどんなスタートアップ?

Oishi Farmは2016年に古賀大貴氏とBrendan Somerville氏によって創業された植物工場スタートアップです。植物工場では主にいちごやフルーツトマトの生産をしています。そんな、Oishi Farmの魅力は、培ってきた卓越した技術力にあります。従来、いちごやトマトは栽培サイクルが長く最も高度な農作物でした。しかし、日本の農業技術をベースに開発した独自の栽培方法や受粉技術また、自社開発した世界最先端の自動気象管理システムによって高品質で安定的な栽培を可能にしました。そのため、世界最高品質のいちごを通年で栽培することができます。今では、高品質ないちごを求めにミシュランレストランから注文が殺到しているそうです。Jカーブもいちごと言ったら冬の時期が旬と思ってきましたがOishi Farmによって常識が覆りました。ではなぜ、いちごだったのでしょうか。

いちごを選んだ背景と理由

いちごを選んだ背景として、取り組んでいる企業が他にいなかった点が挙げられます。上記で述べたようにいちごは栽培方法が極めて困難です。例えば、温度調整や連作障害、蜂による受粉などです。そのため、比較的生産が簡単なレタスやスプラウトなどの植物工場はありましたが、いちごの植物工場はありませんでした。そのような高度の技術を要する農作物をあえて作ることによって市場を独占しようとしたのだと考えられます。ではなぜOishi Farmは日本ではなくアメリカを拠点にしているのでしょうか。

アメリカを拠点にした理由

日本でなくアメリカを拠点にした理由を古賀氏は「圧倒的に品質差がある市場にプロダクトを投入した方が、話題性もあり、高い価格をつけることができるため」だと古賀氏は語っています。このことから、いちごに圧倒的な品質差があったアメリカの市場を狙ったことがわかります。実際に、「オイシイファームのイチゴの糖度は10〜14度。米国で流通するイチゴの多くは7〜8度で、日本で有名な、とちおとめや紅ほっぺといった品種でも9〜10度程度が通常である。」とForbes Japanが述べていました。

Oishi Farmの強み

Oishi Farmの強みはいちごの生産力にあります。通常いちごの苗は一回から三回の栽培で病気になったり、苗がくたびれて死んでしまったりします。しかし、Oishi Farmのいちごの苗は植物工場内で苗の環境と健康をコントロールしているため、一回果実を実らせると半永久的にいちごを生産させることができます。そのため、圧倒的に生産速度が速くなり、生産量も増加していきます。生産量が増えれば規模の経済や蓄積されたナレッジによっていちごの販売価格をより一層下げることができます。これは植物工場だからこそできるOishi Farmの強みだと思います。また、いちごでOishi Farmのブランディングをすることによって、その他の作物を作った際にも販売
しやすくできるところに強みを感じました。

Oishi Farmの創設者

創設者である古賀大貴氏は慶応大学を卒業したのち、コンサルティングファームを経て、UCバークレーでMBAを取得しています。在学中に「Oishi Farm」を立ち上げました。日本人として初めてとなる「lunch」での優勝も果たしました。そんな古賀氏もOishi Farmを設立した当初は、生育の専門的な知識がなく、農家や植物工場の方々から指導を受けていたそうです。そんな中で知識を習得できた一番の理由が短期間に植物工場で何十回、何十年分のトライアルを繰り返すことができたためだと古賀氏は語っています。通常、農作物は一年に一、二回しか収穫ができません。しかし、植物工場の場合は土地さえあれば、一年に何十回もの収穫が可能になります。その結果、最適な栽培方法を確立することができました。このことからも、Oishi Farmは農業と科学技術のシナジー効果によって急成長を果たすことができたことがわかります。また、古賀氏も最初から成功していたわけではなく何十回、何百回の失敗や苦労を経て、いまのOishi Farmを作り上げたんだなと感じることができました。

まとめ

今回はアメリカのスタートアップであるOishi Farmについて深掘ってきました。やはり、未知の市場に飛び込んみ、その市場を占有していくスタートアップは、本当にかっこいいし、夢があるなと感じました。今回のように海外の市場を席巻できる日本の高度な技術はまだまだあると思いました。重要なのは高度な技術を投下する場所なんだなとOishi Farmから学ぶことができました。

以上、金星・Jカーブでした。次回の投稿もお楽しみに!






参考資料

https://oishii.com/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000075385.html

https://minorasu.basf.co.jp/80045


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