尾形光琳《燕子花図屛風》
東京・表参道にある根津美術館には、年に1回、4月半ばからの約1ヶ月間だけ見られる作品がある。
17世紀に生きた絵師・尾形光琳の代表作・《燕子花図屏風》である。
金地に、群青と緑の2色のみで燕子花の群生を描き出したシンプルな画面は、目を楽しませる美しさと遊び心とを兼ね備え、その斬新なデザイン感覚には目を見はらされる。
美術館の庭園に咲く本物の燕子花と見比べてみるのも楽しい。
ところで、この作品は一体どのようにして生まれたのだろうか。
今回はその誕生の経緯を追ってみたい。
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