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広報で「それっぽいこと」を言っても すぐにバレる→逆に嫌われる 時代がやってきた


「いい会社に見られたい」

広報の仕事をしていると、よくこんな↑オーダーが入ります。


私ももう17年広報経験があるので、手っ取り早くそれっぽく見せることはできます。

例えば
・公式HPにビジョン・ミッション・バリューを掲げる
・自社の関わる業界の課題や社会課題への提言を行い姿勢を示す
・リリース内に、自社が社会に果たしてきた役割を書き込む
・取材時にSDGsに向けた活動のまとめレポートを記者に渡す

など、情報発信物の中に嫌味なく溶け込ませることで
ある程度「いい会社」っぽく振る舞えてしまえるのは事実です。


ハリボテはすぐにバレる時代に

しかし、今の情報拡散力と、そして読み手の「違和感を覚える力」をなめてはいけません…!

どんなに「社員を大事にしています」と謳っていても、OpenWork(旧Vokers)のような転職口コミサイト評価が最悪だったり、常に求人していたり

流行りに乗って「LGBTQを差別しません」「女性活躍」とか言いながら、役員全員おじさんだったり

社外にも多くの接点のある外注業者を、契約終了をちらつかせながらあり得ない納期や待遇で使い倒したり…


情報拡散が一部のメディアにしかできなかった昔と今は違います。
力弱き個人だって、場合によっては会社を潰すほどのパワーを持ちうることだってあるのです。

たったひとりの個人が
「私こんな目に遭ってます。酷くないですか?」
とSNSでつぶやけば一気に会社が傾く
可能性だってあります。


週刊文春のネタもとは毎日300件寄せられるタレコミ

また、週刊文春の
「文春リークス」
というページをご存知でしょうか。

名前の通り、一般人が文春にネタをこっそりリークして提供する場。

このページに寄せられた一般人からのタレコミを元に取材が始まる例も多いのだとか。

先日、元週刊文春の記者さんが
1日に平均200-300件のタレコミがある」
と教えてくれましたが、いやはやすごい数。


その会社イメージと不祥事のギャップが大ければ大きいほど、スクープ誌からしたら面白くってたまらないのだそう。(ヒィィ…)


だからこそ、私がいつも広報という立場から言うのは

「”それっぽく見せる”のは意外と簡単。でも実を伴っていなければすぐにバレますし、それがバレた日にはむしろよけいに嫌われるから、注意が必要です」

ということ。



”家族思いの良いパパ” で通ってた男性俳優が、不倫報道で突如 毛虫のように嫌われるようになった例と同じです。

99.9%の一般人は、彼の不倫の影響なんて受けていないけれど、
「”この人好感持てる〜”なんて思って応援していた私の気持ちを返して!」

と、やっぱり傷けられた気持ちになるんですよね。


広報は経営のそばに

私の経営するJAYIDは創業から5年。
たくさんの会社と一緒にお仕事をする中で、うまく広報が機能している企業の傾向があります。

それは、広報の機能が経営と一体になっている企業

社長の直下に広報部が置かれたり、広報が経営企画部内に設置されたりしている企業です。そうした企業では、経営層が広報の重要性を理解しているのはもちろん、社内にも広報重視の姿勢を示せるため、ブランド浸透など広報の根幹をなすことについても、うまく機能します。


「ちょっといい会社っぽく見せときゃいいでしょ」
みたいな浅い考えにNOを突きつける。

「本質的にその企業にとって”良い会社”とはどんな会社なのか」
を徹底して突き詰めて、社内外に発信をしていく。

そうしたことをコツコツと実践されている企業は、
私のような社外の力をうまく利用していただきながらスイスイと自走を始め、あっという間にメディア取材の絶えない人気企業になってしまうのです。


直近で広報のあり方を考える機会が非常に多く、自身のアウトプットの機会も兼ねて書いてみました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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