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社会的に受け入れることができない医療

アルツハイマー病に対する抗体医薬レケンビ(薬剤名レカネマブ)の普及を図るべく、エーザイが必死だ。
東京海上日動と組んで、「認知症治療支援保険」なるものを開発した、という。以下、プレスリリースより。

2.認知症治療支援保険 (業界初※2)の概要
(1)補償・サービスの内容
新たな治療薬は、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度認知症の方が対象と なりますが、その判断にはアミロイドβ病理の確認を行う PET 検査等を受ける必要があります。
(中略)
① 軽度認知障害等一時金【早期発見の支援】
初めて軽度認知障害(含む認知症)と診断確定された場合、アミロイド PET 検査の費用等に充てていただける一時金をお支払いします。
② アルツハイマー病による軽度認知障害等一時金【早期治療の支援】
初めてアルツハイマー病による軽度認知障害(含むアルツハイマー型認知症)と診断確定された場合、新たな治療薬による治療費用等に充てていただける一時金をお支払い します。
また、付帯サービスとして、加入者に「のう KNOW」を提供します。
(中略)
(3)保険料
月額:1,370 円(50~54 歳の男性、軽度認知障害等一時金 30 万円アルツハイマー病によ る軽度認知障害等一時金 100 万円の場合) ※契約条件によって異なります
(4)契約方式
企業等を契約者とし、その構成員等が任意に加入する団体契約となります。

今のところ、これ以上の詳細は不明だ。
これが一般的にどう受け入れられるのか、保険商品としてお得なのかどうか、私には全くわからない。もはや私の理解の範疇を超えている。

なお、「のうKNOW」とはエーザイが開発した認知機能のデジタルチェックツールのことだ。既に231の企業及び自治体に導入されている、と記載されている。

個人的には、こんなお遊びを導入する企業や自治体もどうかと思うし、こんなお遊びで一喜一憂する方々は気の毒としか言いようがないと思う。
これが一般的にどう受け入れられるのか、私には全くわからない。もはや私の理解の範疇を超えている。

なお、厚労省によるとレケンビの「年間市場規模が1500億円を超える可能性が生じる」とのことだ。これはすごいね。
9月27日より、レケンビの薬価が検討されている。承認から90日以内に薬価を決めるというルールがあるらしく、年内に薬価収載及び保険適用されることになると言われている(つまり、10月段階では承認されたのみで、保険は適用されていない)。

エーザイは、認知機能低下を抑制した場合、削減できる介護費用や負荷を薬価に反映することを求めている、という。
以下、上に示したサイトより引用。

レケンビの薬価算定でポイントの1つとなるのが、介護費用に対する影響を薬価にどう反映するかです。
エーザイは今年、日本の医療システム下でレケンビの社会的価値をシミュレーションした結果を論文として学術誌に発表しており、薬価収載にあたってもこのデータを提出。このデータは、医療費だけでなく介護費や家族によるインフォーマル・ケアコストなども含んだもので、こうした社会的観点に基づくレケンビの年間価値は193万8740円~467万5818円になるとしています。
薬価算定では、承認審査の過程で評価された臨床試験成績をもとに加算適用の可否などを判断しており、介護費用に対する影響などは通常、評価していません。介護費用の扱いについては、2019年4月に導入された「費用対効果評価制度」でも検討事項とされており、中医協の専門部会で今年7月に議論が始まったばかり。製薬業界は介護負担の軽減などを評価する仕組みの検討を求めている一方、海外でも先行事例が少なく、部会では「時期尚早では」との意見も出ています

エーザイのシュミレーションについては知らない。正直、調べる気にもならない。
そもそもレカネマブが本当に既存薬より認知機能低下抑制に寄与するかどうか自体が眉唾なのだから。

どうなるんですかねぇ・・・もう世論に期待するしかない。

しかも、アルツハイマー病の抗体医薬、これだけではないのだ。次はイーライリリーのドナネマブが順番待ちしている。これがまた「レカネマブの上位互換」な感じで、厄介だ。

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75371

社会として受け入れるべき医療と受け入れることができない医療をきちんと区別しないと、国民皆保険制度が破綻するように思う。コロナ対策禍で散財したばかりだというのに・・・・
困るのは次世代なのだ。

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