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本当の心の声こそ一次情報!in NY

ウクライナを応援するロシア人アーテイスト

先日、あるロシア人のアーテイストの女性が、ウクライナの旗が描かれたタンクトップを着てウクライナ支援を表明していた。

最初にウクライナ侵攻が始まった時、彼女は自身のSNSで自らの国の犯してしまった大きな罪を謝罪していた。きっとあまりのことに言葉を失ってしまい、それしか出来る術がなかったのだと思う。

今の狂った情報戦の中で、そういう本気の愛の行為を果たしてどれだけの人々が理解しているだろう。

ワルシャワの日本語学校の坂本龍太郎さんがピロシキーズと対談

前回紹介した関西育ちのロシア人の二人組、ピロシキーズの最新のYoutubeでは、ポーランドにあるワルシャワ日本語学校の教頭先生である坂本龍太郎さんという方がコラボゲストとして登場していた。

https://youtu.be/tq1qo3E3Bgw

坂本龍太郎さんについては、ニュース動画での取材などを見てご存知の方もいらしゃるかもしれないけれど、米国ネブラスカで勉強した後に、奨学生としてベラルーシに渡り、ポーランドで大学院在学中に日本語学校を現地で設立された、いわば日本と現地をつなぐ国際交流のプロのような教育者の方である。
スラブ語系の言語体系から、ロシア語、ウクライナ語、ポーランド語もそれぞれ理解していらしゃるようだ。

参考までに、坂本龍太郎さんの書籍はこちら。

正直言って、このタイトルにはしびれた。

これはまさに私が常々考えていることの根幹だったからだ。

この動画コラボでは、今回の侵略でポーランドに移民してきたウクライナの難民の人たちのポーランドでのリアリテイーや、もともとのウクライナの状況についても語っている。

ウクライナ人の多くは生活の中でもロシア語を使っていた

坂本さんがおっしゃるには、ポーランドでは、英語を使えるのは30代までの世代で、40代以上の世代では、むしろロシア語の方が英語よりも使いこなせる人が多いらしい。そうなると難民の人たちとの会話も、全くアイデアのないポーランド語よりは、むしろロシア語の方が意思の疎通も簡単だというわけだ。

なので、坂本さんも、難民の人たちとの会話は全てロシア語で行なっているとおっしゃっていた。

つまりこれは、ウクライナの内部では本当に数多くの人たちがロシア語言語を使って生活していたり、ロシア語を理解できたりするってことだ。

この事実には、実のところ、結構驚かされた。

そう考えると、メデイアの報道によるロシア対ウクライナっていう激しい敵国争いのイメージは、果たして本当に最初から市民たちの中にあるべきものだったのだろうかと思わず疑問を感じてやまない。

便利な外国語変換アプリよりも目と目を見た対話が大事

そんな中で、ずっとポーランドで日本語学校をされている坂本さんは、今の時代は外国語変換アプリなどでのコミュニケーションも増えているけれども、だからこそ、逆に目と目を見て直接話すということの重要性を坂本さんは感じていらっしゃるとのことだった。

その想いは、ただでさえコロナによって閉鎖的状況を強いられてきた上に不安に押し潰されそうになっている移民の人たちにとってはどれほどのサポートになっているかは計り知れない。

そして、今回の動画の中の最後の方では、遠い日本からも応援しているということをどうかウクライナの人たちにも見せてあげてほしい、そのことが現地の人にとっての大きな支えにもなるともおっしゃっていた。

その言葉を聞いた時に、私は、311が起こった時のことを思い出した。

311の時にトロントで聞いた忘れられないポーランド人の言葉

私が311のニュースを知ったのは、カナダのトロントでのことだった。
自国(日本)では何が起こったのかわからず、ゲストハウスに宿泊する日本人や他の外国人のみんなも、さすがにその時期は、得体の知れない不安感を隠し切れない様子で落ち着かない日々を過ごしていた。

私はその後も一ヶ月近くカナダに滞在しなくてはいけなかったので、マイナス気温の冬のトロントで、日本に対して何もできない自分に対し、苛立ちと暗い気持ちに押しつぶされそうになる毎日だった。

だから、洗礼をしたカソリックでもないのに、毎週異邦人として彷徨うように日曜日の教会のミサに出かけて祈ったりもしていた。

そしてある時、ミサの帰りに僅かながらの気分転換にと近くにあるエリアで行われているアンテイークマーケットに立ち寄ったところ、アンテイークのヨーロッパ食器を売っていたポーランド人のベンダーのおじさんが、そこに立ち寄った私を見るなり話しかけて来た。

地球の裏側で私たちのことを本気で想ってくれる人たち

おじさんは、私のことを見て日本人と察したのか、いきなり心配そうな表情で、
”君の家族や友達は無事だったのか?”と声を荒げて聞いて来た。
この時期、こう言ったことをカナダに移民して来ている人たちから聞かれることが結構多かったので、私はその時も心からの気持ちで感謝して、知り合いは全員無事だったと答えた。

そして、それを聞いて少しホッとした顔になったおじさんが、その後に彼のポーランドにいる家族が、今回の日本の津波の映像を見て、可愛そうにといって大泣きしたんだよ、と言う話を聞かせてくれた。

この時のことを思い出すと、今でも本当に心が熱くなる。

全く知らない地球の裏側で起こっている悲劇に本気で涙を流して同情できる心を持つ人たちがこの世界にいる。

それだけでも、どれほどの救いになるだろうか。

日本人の忍耐強い姿が世界中の人々の心を打った

そして、カナダやアメリカでは、震災にあった現地の人たちが、全く取り乱すことなく、列を作って配給の順番を待ったり、できるだけ穏やかに地域の人々で助け合う映像が流され、その忍耐力やまっとうな思いやりを持った真面目さを見て、多くの人々が、圧倒され、この時の日本人の行動にとても心を打たれていた。

東洋の小さな島国である日本という国では、こんな大変なことが起こっているのに、決して取り乱すことなくみんなで助け合おうとして必死で支え合っている姿は、その時の西洋諸国の人々には大きなインパクトを与えた。

個人の人権や主張を守ることが最優先とされがちな欧米諸国では、他人に自主的に親切にする人たちはいても、協調性を持って決して取り乱さないで助け合うと言うような和合の精神で忍耐強く行動している人達の数は、決して日本のようには多くはない。

そして、その姿は欧米には多大なる衝撃をもたらした。

国や場所や距離を超える想いの力

そう言う意味では、国を超えたり、場所を超えたり、また距離を超えたりして何かを伝え合うってことは、きっと他の国にいる私たちにもできるはずだし、そういう現象は私たちの本気の想いを通せば、決して起こせなくはないと思う。

だから、本当は世界は一つになれるはずの場所なんだってことを信じる気持ちだけは、何があっても忘れないでいてほしい。

今、辛いこと、厳しいことがある場所に対して、平和な願いを送ってどんな小さなことでもいいから何か行動を起こせば、それは今は目に見えない形でも必ず届くはずだから。

少しづつでもいいから頑張ろう。

戦争が起こっていることを知らない9歳の女の子の描く地球

最後に、この動画の中でも説明があるけれど、動画のサムネにもなっている一枚の絵を見せている小さな女の子の写真をよく見てほしい。
この子は現実社会で戦争が起こっていることを全く知らないポーランドの日本語学校で学ぶ9歳の女の子だ。

そこには、まず大きく地球の絵が描かれていて、周りには、4つの国、ポーランド、ウクライナ、ロシア、そして日本の旗が描かれている。
そして、地球の絵の下には、現地の言葉で”平和”と書かれているのだ。

もちろん彼女は外で戦争が起こっていることなんて全く知らない。
純粋に、自分の知っている4つの国が仲良くなって、こういう風に地球が平和になるといいな、と言う想いを描いただけだ。

この絵と、純粋な彼女の表情を見て、本当に思わず目頭が熱くなった。

私たちの本当の姿を思い出そう

この平和への願いを絵に描いて幸せそうに見せている澄んだ目をした女の子、実はそれが私たちの本当の姿なんじゃないかな。

誰もが本当はそうなれるんだよって言うことを、彼女の存在が教えてくれているような気がした。

だから、みんな諦めないで。
本来の私たちは、みんなきっと彼女みたいに澄んだ目をした幸せな存在のはずだから。

今戦地にいる人たちも、そうでない人たちも、人生の中のどこかで知らない間によじれてしまった現実を全て取っ払えば、きっと彼女のような素直な笑顔が取り戻せる瞬間が待っているはずだ。

だから、そのことを今は少しでも思い出しながら、日常を過ごして欲しい。


















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