ネットワークエンジニア入門 - LANケーブルの自作で初心者がやりがちなミス
こんにちは、株式会社ジャスミンシステムの佐野です。
毎月三週目は技術や製品に関する記事ということで、ネットワークエンジニア入門と題していろいろなテーマについて書いていきたいと思います。
なるべく初心者向けにわかりやすく書くつもりですが、表現や言葉について気になる点がある方は筆者のTwitter(@sano_shoichi)までご一報いただけると嬉しいです。DMでもツイートでも、どちらでも構いません。よろしくお願い致します。
LANケーブルとは?
突然ですが、みなさまLANケーブルを使ったことはありますでしょうか。
タブレット端末や小型のノートパソコン、スマートフォンには、LANケーブルを指すための端子がないこともあります。普段は無線LANを中心に使う方も増えてきましたし、もしかしたら一般のみなさまには、あまりなじみがないものかもしれません。
ご自宅のコンセントの近くにテレビのアンテナ線の端子があり、その隣にLANポートがあることもあります。この、LANポートに挿すケーブルが、LANケーブルです。ケーブルを使うので、有線LANと呼ばれることもあります。
しばしばインターネットに接続をするための用途で使われることもあるので、これを使うことでインターネットに繋げられる、と理解している方も多いかもしれません。おおよそ正解ですが、インターネットに接続するためにはほかにもいろいろなことをしなければならない、という点を頭の片隅に置いておいて欲しいです。(こちらは書くと長くなるので、また別の機会にでも…)
なぜLANケーブルを作るのか
さて、LANケーブルはお店で既製品を買うことができます。電気屋さんでも買えますし、オンラインショップでも簡単に買うことができます。しかし、僕たちの会社では既製品ではなく、材料を買って来てLANケーブルを作ることがあります。それはなぜか、理由は色々ありますが、主に下記のような理由でLANケーブルを作ることがあります。
・長いケーブルや短いケーブルが欲しい
仕事で使うLANケーブルは、一般のご家庭で使うものより長かったり短かったりします。短いものだと10センチ、長いものだと80メートルや100メートル近いものを使います。
・特殊な用途を期待している
野外のイベント会場などでは、多くの人が踏んでも大丈夫な固いもの、水に濡れても劣化しにくいものを使う必要があります。
・作った方が安いことがある
このあたりは自炊の考え方に近いのですが、たくさん作ったり素材にこだわりたい場合は、部材を買って作った方が安いこともあります。
どうやってLANケーブルを作るのか
手順を書こうと思いましたが、参考にするためにインターネット上の解説しているサイトを見ていたらそれらを超える手順を書ける気がしなくなってしまいました。下記の2つのサイトが、わかりやすいなと思いました。
作るときに初心者がやりがちなミス
弊社の新人にも、後学のためにLANケーブルを作ってもらうことになりました。研修中、調べながらやる習慣をつけてもらうためにも手順書を準備せずに、Webで調べたり先輩の作り方を見よう見まねでやってみることに。すると…
部品の組み合わせ方を間違えてしまう
まずは正しい部品の向きから。パズルと同じように、各部品は正しく取り付けることで、外れにくい、ゆがみのない形になります。
このあたりはよくできているなあと感心する部分ですが、接続方法を間違えると外れやすくなったり、歪んで抜けやすくなります。
正しいものと比べたとき、よく見ると形がおかしいことに気付けると思います。
8つのケーブルの順番を間違えて作ってしまう
こちらも、初心者にはありがちかもしれません。部品の組み合わせを間違えても通信事態はできることがありますが、ケーブルを逆向きにつなぐとそもそも通信ができない/使えないことがあります。
難しいことに、内部の8つのケーブルの順番を間違えて作ってしまっても、部品の組み合わせが正しければケーブル自体は一見すると歪んでいないので正しくできたかのように見えてしまうかもしれません。
ストレートケーブルであれば、一般的には左から下記のような順番の配線になります。
白橙、橙、白緑、青、白青、緑、白茶、茶
あまり使う機会はないかもしれませんが、クロスケーブルであれば左から下記のような順番の配線になります。
白緑、緑、白橙、青、白青、橙、白茶、茶
余談ですが、より線をほどいて手作業で作ると、指先の力を使うのでちょっとだけ指が痛くなります。(筋肉痛?)
このスキルが役に立つ場面
ネットワークエンジニアとして仕事をしているのであれば、ネットワーク機器同士を接続するためのケーブルを作ることがあるかと思います。機器の設定だけやるのがネットワークエンジニアの仕事だと思っている方もいるようですが、ネットワークに関するあらゆることを守備範囲にしておくことで、トラブルの解決や周囲への提案幅が広くなります。
また、総務の仕事をしている方であれば、小さい会社や部署であればシステム管理者を兼任することもあるかと思います。既製品を使ってもいいのですが、頭が取れてしまったLANケーブルを修理することで、オフィス内の配線を再度しなくても済むことがあるかもしれません。
必須ではないかもしれませんが、できると何かと良い。それがLANケーブルを作るスキルなのではないかなと思います。
今日はこのあたりで!