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大学生だった頃の私③〜社会人と大学生の恋愛編

私が大学生だった頃ってもう30年以上も前です。

ってことは昭和の終わり頃の時代です。そんな大昔のことを今更ながら思い出して書いているのですが、見えていなかったことが見えてきたというのか、あらためて自分を知るというのか。よくも悪くも自分を客観視できるのです。

どんな過去でもそれらが積み重なって今の私があるわけだから、目を背けずに正直に書こうと決めた私。

逃げずに自分が納得できるまで書き続けたいと思います。そしてどんなにだらしなくて自己嫌悪に陥ったとしても過去の自分を許し認めてあげようと思います。

これから書くのは、他大学に通っていた2つ年上の彼が大学を卒業して社会人になってからのことです。

神戸〜姫路〜倉敷〜尾道〜広島〜山口のふたり旅は、奇しくも彼の元カノの故郷にも立ち寄れたので彼にとっては思い出深い卒業旅行になったのではないかと思います。

私にとっても初めて訪れた場所だったし、彼とこんなに長時間一緒に過ごせたことは最初で最後の楽しい思い出でしたが、同時に切ない気持ちにもなりました。

大学生だった頃の私②〜序章はこちらをご覧ください⬇


旅行から戻ってしばらくして私は寮から大学周辺のキャンパスから徒歩10分以内のところにあるお風呂付きの1Kの新築のアパートの2階の1室に引っ越しました。

晴れて社会人となった彼は新人研修が終わって、東京勤務になって日本橋界隈で働くことになりました。

他の同期の人たちはほぼ地方勤務になったので遠距離恋愛にならず本当にラッキーでした。でも思いのほか残業が激しくて学生の時みたいに頻繁には会えなくなりました。

私のアパートの部屋にも時々遊びに来てくれたけど、最寄り駅から遠かったので仕事で疲れ切った彼にとっては私の部屋はとても遠い場所だったと思います。

それで、いつだったか彼は会社のある沿線で通勤時間があまりかからないところに部屋を借りてひとり暮らしを始めました。

私は合鍵を貰って時々遊びに行きました。週の真ん中と週末。

彼の部屋は最寄り駅から徒歩5分くらいのところにあったお風呂なしの古いアパートの2階の1室。料理はしないからと、鍋もフライパンもありませんでした。唯一あったのはコーヒーを飲むために必要なやかんとコンロ。

もしかしたら冷蔵庫もなかったかも。

あとは布団が一組とテーブル代わりのこたつがひとつ。

仕事から帰ってきて寝るためだけの部屋だからそんなもんかもね。とても質素な部屋でした。

私が遊びに行って居心地の良い部屋にしたいって思ったこともあったけど結局何もしませんでした。

彼が仕事カラ帰って来てから晩ごはんは外へ食べに行きました。お風呂屋さんも一緒に行きました。そして帰ってひとつの布団でふたりで寝ました。もちろん性生活も楽しみました。というか、私はセックスをしてもらいたくて彼の部屋に遊びに行っていたのかも知れません。からだが繋がることでヒステリックになっていた気持ちが落ち着くってこと無意識に知っていたのかも。安心感も得ていたかも知れません。

というのも、大学から徒歩10分以内の私のお城はいつの間にか友人たちの溜まり場になっていたから。空きコマの時間だっり、突然休講になっちゃった時だったり、サボりたい時だったり。いつも誰かが私の部屋にいる感じ。

同じアパートの1階には寮時代から仲の良い友達も住んでいたからひとりきりになる時間なんてほとんどなかったかもしれません。

だから彼の部屋は少々殺風景でも彼の帰りを待つ時間は私にとってひとりでゆっくり過ごせるひとときだったのです。

私の部屋が現実だとすると彼の部屋は現実逃避の場所でした。穏やかだったから時々物足りなさを感じつつも3年生の時は彼の部屋へ行くのが習慣になっていました。

彼の帰りを待つ間、暇を潰すために彼が好きだと言っていた村上春樹の小説を読み始めました。「風の歌を聴け」から読み始め、私のほうがハマってしまったくらい村神春樹の作品を追い続けました。

軽いタッチの文章と比喩表現が素晴らしくて読みやすかったけどセックスの描写とか友だちの自殺とかはちょっとなぁと思ったこともあったけど「ノルウェーの森」まではドハマリして読んでいました。

実は、タバコを吸うようになったのも彼の影響でした。といっても彼の前では吸わなかったけど。

彼は1日2箱吸うほどのヘビースモーカーでした。そんな彼のことも知りたくて部屋で待っている間に彼と同じ銘柄のタバコを私も吸ってみたくなりました。置いてあったタバコを1本試してみたら吸えたからそのまま私も喫煙者になってしまいました。


編み物もしました。1枚は寮生活中にプレゼントしたくて編んだけど、もう1枚は彼からリクエストがあったので編みました。そう考えると元カノに嫉妬はしていたけれど本当に彼のことが大好きだったんだな。

そのあと付き合った人には、肩こり酷いし目はショボショボするからとマフラーすら編むことなかったから。

彼のこと知りたくて知りたくて彼の好きなもの真似して。それくらい好きだったのです。

それなのに、私の好奇心は別の方向へ流れてしまったこともありました。

続きは血迷ったOne Night Loveのことを書きます。

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