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大学生の頃の私⑦〜最悪の結末へ編

あの恐怖の夜から数日経ったのかそれとも数週間経ったのかうろ覚えだけど、ある日シロが別の後輩男子を連れて私の部屋にやってきたのだ。 

恐怖の夜のことは⬇こちらに書いています。


その別の後輩というのが、「四国のケシが小説書いて出版するから買って読んでみて❢」と連絡をしてきた後輩。

この男のことはケユと呼ぶ。

シロとケシとケユとオコ
みんな後輩だから3年生の時はまだ出逢っていなかった。

シロは35歳で亡くなったけど、何故かオコとケユとはずっと繋がっていた。他の人たち、先輩たちや同級生たちとはほとんど縁が切れてしまったのに不思議とこのふたりの後輩とはずっと繋がっていたのだ。

シロが亡くなったことやケシが卒業して地元に戻って子連れの女性と結婚したとか、小説書いたとか、ゼミの教授が亡くなったこととか、そんなこんなゼミ関係の話はいつもケユから聞いていたのだ。

そんなケユはゼミの同級生と結婚した。しかも私の苦手なタイプの女性だ。ケユも奥さんも同じゼミだったからどっちも知り合いではあるけれど今でも連絡取り合うのはケユだけ。それも不思議といえば不思議かも。


話は戻るが、昔は個人情報ダダ漏れだった。友だちが友だちの住所や電話番号おしえることに罪悪感なんてなかったし、聞かれたらおしえていた。ゼミとかサークルとかメンバーには住所録配っていたからどこに誰が住んでいるかなんてバレバレだった。

特に私は大学から徒歩圏内に住んでいたからキャンパスの延長線上に部屋があったので溜まり場にもなっていた。

でも、シロが私の部屋まで来るなんて思いも寄らなかった。あの日のことはあの日で終わったと思ってた。

でも、ちがった。

知らない男だけど同じゼミのともだちを連れてきた。その人も一緒だし大丈夫だろうと思ってふたりを部屋に入れてしまった。

酒呑んで喋って、覚えてないから他愛もない話だったのだと思うし、つまらなくもなかったのだと思う。そんなことが何回も続いた。私の友達も呼んで4人で飲むこともあった。

3人でどこかへ遊びにでかけたこともあったからケユとも仲良くなっていた。もしかしたらそんな悪い人じゃないのかも。


そんなある日シロがひとりで私の部屋にやって来た。

何回も遊びに来てるし、素性もなんとなく分かったから鍵開けてシロを部屋に入れてしまったのだ。 

すっかり油断してしまったみたいで、もうどんな展開か忘れてしまったけどシロとなし崩し的にカラダの関係を持ってしまったのだ。

あの襲われた夜付き合ってくださいとは言われたけど断ったからその後、付き合おうとかそんな話はなかったから付き合っているつもりもなかったのにからだの関係を持ってしまったバカな私。

彼は車を持っていたのでいろいろなところにドライブしてくれた。近場だったり、遠いところは日光にも行連れてってくれた。私も運転免許持っていると話したら少し運転もさせてくれた。

でも危なっかしくてすぐに止められたけど。

そんなふうに楽しい時間を過ごした。まるで恋人同士みたいに。

まだシロのことそんなに知らないのにカラダの関係だけがどんどん先に進んでしまった。部屋に来るときはいつもだったし、何度も何度もだったし。一晩中していた時もあった(と思う)。それくらい濃厚な時間で動物みたいなふたりだったし、こんなの初めてだった。

どれくらい経ったのか。

忘れてしまったけどたぶん3ヶ月くらい経っていたと思う。社会人の彼ともまだ付き合っていた。こんなことしてていいのか?という罪悪感が生まれた。

というより、シロにどんどんのめり込んでいる。もっともっとシロのこと知りたいと思った。だからこんな2重生活はやめようって思った。

社会人の彼は私がこんなことしてるなんて知らない。というより本当に私に興味あったのかすらわからない。それくらいただ別れたいと告げたらあっさりOKしてくれた。

2つ上の他大学の先輩だった彼はもうその時社会人2年目。仕事忙しいのに暇な大学生の私の相手するほどたっぷり時間があったわけじゃなく、時間を作ってくれて会ってくれていたんだな、きっと。もしかしたら彼も別れたかったのかもしれない。

2年近く付き合ったのにこんなにいとも簡単に別れることができるって私の存在なんていてもいなくても同じなんだなって。ただなんとなく続けていただけの薄っぺらい関係だったのかな。そんなこんな別れたことよりも時を経てそんな関係になってしまっていたことがとても寂しかった。

彼と別れたあと、次にシロが部屋に来た時に彼と別れたことを告げた。

そしたら

「えっ!?なんで?!オレを引き金にしたの?!彼氏と別れるためにオレを利用したの??」

と言われた。

思いもよらない言葉だった。

「遊びでもいいから付き合ってください」って言わなかったっけ?

とは言えなかったし、すごく怒っていたから何も言えなかった。

その日から私の部屋には来なくなった。

音信不通

当時携帯電話もスマホもなかった時代。シロが住んでいるところは共同電話だったからいつかけても話し中で繋がらなかった。

私、捨てられた?

理由がぜんぜんわからなかった。それも昨年末まで。


とにかく彼と別れてシロに捨てられた私はアタマがおかしくなっていたと思う。

続きは⑧へ

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