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コーポレートサイトリニューアル |プロジェクトのプロセスをご紹介します

はじめまして。Japan Digital Designのデザイナーの柳沢です。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)の戦略子会社であるJapan Digital Design(以下JDD)でExperience Design Div.(以下XDD)に所属するデザイナーとして働いています。普段はデジタルプロダクトを中心に、体験設計やUIデザインを担当しています。
この記事では、JDDのコーポレートサイトのリニューアルプロジェクトについて、どのようなプロセスで進行したのかをご紹介したいと思います。

コーポレートサイトリニューアルプロジェクトの位置付け

XDDではコーポレートコミュニケーションの領域で、Corporate Culture室(以下CC室)と連携して、JDDのコーポレートカルチャーの醸成と浸透を担当しています。
JDDの経営方針は、2021年度より、MUFGへのソリューション提供を主軸としたグループ全体の新しいサービスの創出やDX推進に貢献する方針へ変更となり、その変更と合わせてJDDのブランド表現を見直す必要がありました。
リブランディングに合わせ、コーポレートコミュニケーション領域の施策も見直し、名刺デザインやコーポレートサイトについてリニューアルを検討することになりました。

※名刺デザインのリニューアルについては、以下の記事をご参照ください。

今回大きな焦点となったことは、リブランディング活動の側面以外に、採用に繋がるコンテンツの追加でした。以前のコーポレートサイトでは採用に関する項目が少なく、どのようなメンバーがどのようなプロジェクトを行っているか不明瞭でした。
また、JDDがMUFGの一員としてどのような役割を担っているのかを明確化し、JDDのプレゼンスを高めたいという目的もありました。

以前のコーポレートサイト

プロジェクトのチャレンジ

2021年にJDDの経営方針が変更されてから、説明資料用のテンプレートや名刺など、JDDの直接的な顧客となるMUFG各社の方向けのコミュニケーションツールを優先して順次リニューアルを行ってきました。
経営方針の転換を経て、MUFG内のポジショニングやソリューションの整理が進み、それに合わせてJDDのコーポレートサイトをリニューアルすることとしました。
また、並行して事業案件にも取り組んでいたため、合間の時間を使い、多くの関係者と連携して本プロジェクトを進める必要があったことが、チャレンジのひとつでもありました。

プロジェクトメンバーと役割

今回のリニューアルではXDDのプロジェクトマネジメント1名、UXデザイナー5名、CC室から2名がプロジェクトに参加しました。
UXデザイナーはそれぞれサイト内のコンテンツの制作、サイト全体の設計、ビジュアルデザイン、写真撮影、実装を分担して主担当を決め、CC室のメンバーはコンテンツの元となる情報収集や内容のとりまとめ、各部門との連携を担い、進行しました。

担当領域&役割

リニューアルのプロセス

各々がメインの案件を別で持っており、普段のプロジェクトの稼働率にも波があるため、都度スケジュールの調整をしつつ進行しました。

リニューアルのプロセス

ペインの洗い出しと採用担当者へのヒアリング

まず、現状のサイトにおけるペインの洗い出しをメンバー全員で行いました。同時に、採用を実際に担当している各部門のマネジメントへ、コーポレートサイトの採用面の期待値や、現状の採用への課題などのヒアリングを実施しました。
各部門のマネジメントへのヒアリングの中で、コーポレートサイト訪問者には、サイトにアクセスしたタイミングで興味や関心を持ってもらい、採用面ではそのままカジュアル面談へ応募がある状態や、MUFG向けとしては案件について問い合わせをしたくなる状態が望ましいという意見がありました。そのためには、各部門が行なっている活動やプロジェクト情報を魅力的に伝えていく必要があるという声が上がりました。

ヒアリングのまとめ資料より

カスタマージャーニーマップの作成と優先度づけ

採用面接を受けたいと考えるコーポレートサイト訪問者に対して、どのような体験が想定されるか、カスタマージャーニーマップを作成し、そのために必要なコンテンツを洗い出しました。また、それらのコンテンツの実現の可能性やコスト、効果などをマッピングし優先度づけを行いました。
ある程度の方向性が固まってきた段階で、各部門のマネジメントに対してプレゼンテーションを行いつつ、現在のサイトに抱えている課題感や今後のリニューアルの方向性に違和感がないかを確認した上で、サイトで表現したい考えや思いについてもヒアリングしました。

カスタマージャーニーマップの作成

各コンテンツを検討する中で、プロジェクトの詳細化、各部門の紹介は、採用・MUFG向けにて共に重要となると考えました。
また、採用面で重要視していたカルチャーを伝えるため、福利厚生の紹介や社員のインタビューコンテンツは注力して取り組むことにしました。
優先度を落としても問題ないものもメンバー内で検討しマッピングをしたものの、実際にはほとんどの項目をコーポレートサイトでは掲載できています。

コンテンツ実装の優先度整理

サイトマップとワイヤーフレームの作成

サイトの全体像を確認し、必要なコンテンツをどのページのどの位置に配置すべきか検討するためにサイトマップを作成しました。採用強化の目的から、各プロジェクトの詳細ページの追加や、カルチャーページとして会社の雰囲気や働き方を紹介するページの新規追加を行いました。
また、会社情報のページでも、MUFGにおけるJDDの役割、各部門の強みなどJDDの情報がより明確に伝わるよう、大きな構成変更を検討しました。

サイトマップの作成

構成の変更に際して、まずはサイトマップの骨格を中心に、ワイヤーフレーム上に必要となる情報を掲載していきました。この段階では、どの項目の新規の執筆が必要か、文字量はどの程度がいいのか、図や表としてどのような情報が必要なのかなどを検討していきました。

ワイヤーフレームの作成

コンテンツの制作

会社概要部分はCEO、COOと協力しながら既存のコーポレートサイトをベースに、現在のJDDの実態と合わせ見直しました。また
部門紹介/プロジェクト紹介は各部門のマネジメントへ記載を依頼しました。そして、カルチャーの紹介コンテンツはCC室と協力し、コンテンの作成と各部署との連携をしながら制作を進めました。

デザインの検討

リブランディングで定義した方針を元にUIコンポーネントを整理し、画面デザインを行いました。画面デザインと並行して、個々のページ内に掲載する写真のモチーフや図の構成を固めました。
以前撮影した写真のうちイメージが合致しないものはレタッチするなど見直し、また、新しいビジュアルの撮影も行いました。カルチャー面の取り組みに関するビジュアルや各部門の紹介などに関しては、JDDで働くメンバーが見えるビジュアルを意識し、どのようにカットを取るべきかサンプルを収集し、各部門のメンバーと協力し撮影を行いました。
デザインはレスポンシブ設定として大画面想定、13inch程度、スマートフォンサイズの3サイズでデザインを検討し、各デバイスで問題がないかとチェックしながら展開を進めました。

最終デザイン

カラーパレットは、リブランディングによりアップデートしたものを使用し、サイト内で使用されるモチーフなどのビジュアル要素もアップデートをしました。可読性やアクセス性の面からも社内でさまざまな声を拾いながら、ブラッシュアップを行いました。

STUDIOの利用について

今回、コーポレートサイトを作成するツールについても見直しました。
以前まで使用していたツールについては、デザインの自由度が低く、編集しづらい部分があったことを受け、今回は多くのデザイナーが使用しており評判が良かった STUDIO を採用することにしました。また、頻繁な更新により機能拡張が度々行われており、今後も期待できるプロダクトだと感じています。
今回のリニューアル作業中にも、STUDIO上でセキュリティ機能が一部追加されたり、Java Scriptなどが埋め込めるようになったりと機能拡張が活発になったため、今後の運用においても様々な要求にも答えやすいのではないかと考えています。

STUDIOでの実装

リニューアル後アンケートの実施

コーポレートサイトのリニューアル後、当初のリニューアル目的が果たせているかを確認するため、社内に向けてアンケートを行いました。概ね好意的な回答を得られており、特にカルチャーでは「1日の過ごし方」や「従業員アンケート」がJDDの働き方を理解しやすくイメージしやすいと好意的なイメージを持つメンバーが多く見受けられました。

アンケートの回答から、プロジェクトのイメージが持ちづらい、どのような会社なのか見えづらいなどの課題点も同時に見えてきました。どうコーポレートサイトに活かしてくのかは、フェーズやタイミングを鑑みて、今後の改善やコンテンツの拡張へ活かしていく方向で考えており、アンケートで社内の声を吸収することができる良い機会になったと感じています。

今後に向けて

今後の採用強化やMUFG内でのプレゼンス向上を目的としてリニューアルしたコーポレートサイトなので、きちんと機能するよう、社内へのアンケートやアクセス解析などから定期的にアップデートし、改善を行っていければと考えています。
また、コーポレートサイト以外のタッチポイントも存在するため、今回のリニューアルに留まらず、より広く深くJDDのことを知ってもらえるよう、さらに活発に発信活動ができればと思います。

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Hideomi Yanagisawa(柳沢 英臣)