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MMDのモーションデータでVRMモデルを踊らせる(Tips編その1)

VRM Live Viewerのバージョンアップで、ライティングの自由度が増しました。いい機会なので私が動画作成するときにレンズフレアをどのように利用しているかを、備忘録代わりに書き留めます。

本物のカメラに装着されているレンズには、レンズフレアを防ぐ為の仕組みが多数組み込まれているみたいですが、動画作成の場合、積極的に使う事がよくあります。今回は3つのケースに分けて書いてみます。

ケース1 背景となるスカイドームに太陽があって、その位置に合わせてレンズフレアを発生させる

まずは、++skies; (Incremented Skies)というサイトに行って、気に入ったスカイドーム用パノラマテクスチャを入手します。
https://aokcub.net/cg/incskies/

スカイドームの太陽に合わせる

今回の例では、incskies_022_16k という高い空のイメージを使います。
このイメージでは画面の正面(0度)に太陽がありますので、正面よりちょっと左(例では-18度)に回転させます。

メインライトの横回転を-18度に設定

イメージに付属している profile.txt というファイルを見ると、
[Sunlight Elevation]
+2.75 degrees

と、書いてありますが、それよりちょと下げて太陽の位置を+2.5度にセットしてます。これで、その太陽がカメラの画角に入ると、レンズフレア(ゴースト)が現れます。いくつかのレンズフレアが用意されていますが、私は50mmズームを選ぶ事が多いです。

スカイドームの回転を主ライトの横回転に合わせる

ケース2 屋内で特定の窓から日差しが入ってくる状況を想定する

キャラクターの立っている場所と、窓の位置関係、カメラがどのように動くか(影の位置とかも想定)を検討して、どの窓から日が差すかを決定します。

おおよその位置を合わせる

まずはおおよその位置にメイン照明の左右の回転、上下の回転を使って太陽の位置を合わせます。それからフレア(ゴースト)の中心部分を、窓に合わせます。既定のカメラから、viewer に設定を変更して、色々と動かしてみて、フレアが自分の希望通りに発生するか確認します。この確認にはジョイスティック(ゲームパッド)が手元にあると便利です。

レンズフレアのゴーストを丸窓の合わせる

最後に、フレアの強さ(どのくらいレンズフレアを発生させるか?)を決めれば良い感じになると思います。デフォルトは1ですが、わたしは0.3とか0.5位に設定することが多いです。

まるで丸窓から日が差してるような効果(レンズフレア)

ケース3 新しく実装された追加の照明、特にスポットライトからのレンズフレアを表現する

スポットライトを見上げた時のレンズフレア

これはまだ実験段階なのですが、そこそこ上手くいきます。レンズフレアは主ライトに連動するので、現状は1つしか設定できません。また、太陽をスポットライトの位置にあるように設定するので、主ライト(太陽)の明るさは限りになくゼロに近づけますが、ゼロにするとレンズフレアが発動しないので注意が必要です。私は0.001とかに設定することが多いです。実はレンズフレアの明るさは、太陽の明るさとは連動していません。あくまでレンズフレアの設定値としての明るさで決定されるようです。

ただし、フレア/レイの設定に含まれる、太陽光(レイ&フレア)は、太陽からの光線を視覚的に表現したり、正面近くから見たときの眩しさ等を可視化するので、レンズフレアとは異なり、太陽光の強さに影響されます。
今回の例のように、スポットライトを仮想的に太陽としてレンズフレアを使う場合には、太陽光の強さを最弱にするので、太陽光(レイ&フレア)の効果は使えません。

さて、ケース3では上記ケース1や2と違い、スポットライトの位置は舞台から近い位置にあります。デフォルトのレンズフレアの設定では光源が100m先にあると設定されているので、そのままだとカメラを動かした時にレンズフレアの出方が不自然(主ライトの位置がずれた感じになる)になります。

この例では6mに設定

三角関数を使えば、カメラからどの位離れているか計算できるのでしょうが、実際には光源の距離をおおよそ想定で設定し、それから viewer 画面に切り替えてから、視点を引いて、回して、動かして… レンズフレアの設定としての光源を、設置したスポットライトの位置に合わせます。厳密に合わせる必要はないので、だいたい合っていれば、動画としてはなんとなくそれっぽい感じでレンズフレアが発生すると思います。

■動画編集のスパイスとしてレンズフレアは有効ですが、これを使うような光源の配置は基本逆光っぽい位置関係になると思うので、キャラクターに落ちる影は、結構微妙な感じになります。

影がおかしいというか、特に顔が暗くなる場合には、キャラクターライトを併用して補正しています。
※リムライトの設定も絡んでくるので…

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