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これからよろしくお願いします

1月末。このところ調子がいまひとつだったカラダが、元気になってきたので、近所を歩く。散歩というよりは、粛々と。
ずっとできていなかった氏神様へのご挨拶に行くのだ。
神棚(と呼んでいる場所)に祀った神社の御札やお守りを持って、赤塚諏訪神社へ。
公園をぬけ、ゆるやかな坂を上がっていったところにあった。参拝する人だろうか、自転車を止めている。
先に来た人もやはりお詣りをするようだ。もったいぶって、周辺に設置してある歴史案内板を読む。五穀豊穣と子孫繁栄を祈願する「田遊び」という行事を旧正月にしているらしい。

鳥居をくぐって、お参りをする。「ご挨拶が遅くなりまして……」というのと「やっと来れました」という気持ちを込めて、手を合わせる。

拝殿の横の社務所に立ち寄る。人はいないようだ。中の棚にはお守りが並んでいる。新しい御札がほしいのだけども……。窓に貼られた紙に「御用の方はインターホンを鳴らしてください」とある。
なんだかこの日はインターホンの呼び鈴を押す勇気があった。

中から若い宮司さんが出てきて「いらっしゃいませ」と言った。
御札がほしいことを伝えると、別のところから出してきてくれた。
「直射日光に弱いのでね」
引っ越しをして近所に来たことを伝えて、御札を買う。
これまで使っていた御札を納めたいんですが、と言うと
「神社の御札やお守りなら、後ろに納所がありますので、そこにどうぞ。お寺の御札はお寺さんに返納されてください」
そしてその宮司さんは言った。
「よくお参りいただきました。これからよろしくお願いします」

こちらに来て2年になるが、やっとここに来て挨拶ができたことで、氏神さまに認識してもらえたような気がして、じーんとする。
納所に置かれたこれまでの御札に対しても、手を合わせてありがとうをする。

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