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『USJと実家を巡る旅』 #8 [5/6 12:00 - 13:00] ジェットコースターと駐車場

ジェットコースターは突然に

スーパーニンテンドーワールドを楽しんだ僕らは、いったん車に戻るためにエントランスへ向かって歩いていた。

エントランスへ向かう途中にはジェットコースターの「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」がある。
ジェットコースターは遊園地やテーマパークの定番であり花形のアトラクション。
だいたいは混んでるものだが、待ち時間を見るとなんと15分。
繁忙期のアトラクションにしては破格の待ち時間である。

これを逃す手はない。

子供達は以前からジェットコースターに乗りたいと言っていた。
中学生、小学生ともなると、ジェットコースター経験者が増えてきて、話を聞くうちに乗ってみたくなったようだ。

妻は怖いからと嫌がった。せっかくなら家族全員で、となりそうなものだが、こういうところは保守的で頑固な妻。
早々に家族全員は諦めて、妻以外の3人が乗ることになった。

入場しようとすると、息子の身長チェックが入ってしまった。
規定は132cm以上なのだが、息子の身長はジャスト132cm。なので問題ないはず。
今日は運よくソールが厚めのニューバランスを履いていたこともあり、チェックはあっさり通過した。

入場した後はサクサク進んだ。
手すりやロープで作られた道をぐにゃぐにゃと曲がりながら進んでいく。歩く距離が無駄に長くてショートカットしたかった。
やっと列の最後尾に辿り着いた。もうコースターが見える距離だ。
コースターの出発を2つ見送ったらもう順番が来た。

手荷物とメガネを荷物置き場に置き、コースターに乗る。
僕らの列に乗車するのは僕ら家族3人だけかと思ったら、別の男性客が1人乗るようだった。僕らはすでに安全バーを下ろしていた。彼は安全バーの上から僕らを跨いで座席に行こうとしたが、これはNG行動だったらしく、一度安全バーを上げることになった。
さすがにジェットコースターはしっかり管理されている。

そんなちょっとしたトラブルもあったものの、無事に僕らの乗ったコースターは発進した。

僕にとってはおよそ15年ぶり、子供達にとっては人生で初めてのジェットコースター。
がたんがたんと音を立てながら、ぐんぐんと高いところに登っていく。
頂上まで登りきったらそのまま一気に落下した。頂上で一度止まる余韻もなく、そのまま急速に下降してトップスピードになった。
怖い!そのせいで足元ばかりを見てしまう。

下降、上昇、カーブを繰り返しジェットコースターは進む。
隣を見ると息子は無表情。
気絶してるのかと心配になって声をかけたらちゃんと返事が返ってきた。ほっ。
娘は絶叫していた。僕もうおーーーと叫んでた。
そんなとき、座席から音楽が流れていることに気づいた。
そういえば音楽を切り替えられると説明にあったような。
今はドリカムが流れている。

曲を変えてみようと、呪術廻戦のオープニングの回怪奇譚のボタンを押してみた。

…おかしい、流れているのは変わらずドリカムである。
色々押してみたが曲は変わらなかった。
あとで調べてみると、発進するまでのわずかな間に曲を選択しなくてはならなかったようだ。
うーん、残念。情報不足がほんとに多いな。

僕らを絶叫の旅にいざなったコースターは、急速に減速してゆっくりと元の場所に帰った。

コースターが止まり安全バーが上がる。
僕らはよろよろとコースターから降りて荷物置き場から荷物を取り出した。3人とも無言で出口へ向かった。放心状態。

妻と合流して、子供に感想を聞いたら楽しかったそうだ。息子はもっと長く乗りたかったと言っていた。
このジェットコースターは絶叫度でいえばおそらく普通。それでも僕には十分だった。
子供の頃ならもっと楽しめたかもしれないな、などと思いながらエントランスに向かった。

車の中で一休み

ジェットコースターを乗り終えて、エントランスに戻った。

出口でスタッフに言えば再入場のためのスタンプを手に押してくれる。
スタンプと言っても透明で見えない。ブラックライトがなにかで見える仕組みなのかな。

エントランスから700メートルの距離を歩いて駐車場につき、自分たちの車を見つけてキーを開けた。
車内に入り、おにぎりを食べて、シートに体を預けた。
早朝出発と車を運転しまくる今回の旅。こんな旅行は人生で初めてのことだから大変だ。

僕の親は旅行などしない人たちで、旅行に連れて行ってもらったことがない。
そのせいか、大人になっても旅行は自分とは無関係なものだった。
妻と付き合ってるときや結婚して子供ができる前も、用事がない限り遠出はしたことがなかった。
子供が成長してあまり手がかからなくなったのをきっかけに、ノリと勢いだけでこの旅行が実現した。
旅行慣れしていないせいで無茶な計画になったりと、ハードではあるが楽しめている。
旅行は楽しい、という新しい価値観が自分の中に生まれたと思う。

昼下がりの駐車場は、パーク内の騒がしさとは対照的な静けさだった。
簡単な昼食を終えたら目を閉じて少しでも体が休まるようにした。
この日はエアコンをかけなくてもちょうどいい気温で、日陰の駐車場は快適に過ごせた。

今回の旅行の大きな目的だったスーパーニンテンドーワールドは十分に楽しんだ。
午後からは初日に乗れなかったアトラクションにできるだけ乗ろうと考えた。


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