見出し画像

JAEAの先輩職員をご紹介!(研究職)

滝藤 聖崇
安全研究センター 材料・構造安全研究ディビジョン
耐震・構造健全性評価研究グループ

2021年入社。構造健全性評価研究グループに配属後、原子力科学研究所(東海村)にて主に原子力発電所配管系の構造健全性評価の高度化に関する研究に従事。

私が入所した理由

私は小学生くらいのとき、ある展示会の経済産業省・資源エネルギー庁のブースで原子力発電所の話を聞いて以来原子力分野に興味がありました。ただ震災を契機に原子力分野への興味はすっかり薄れ、防災だとか流体だとかその時々話題になった分野に興味が移っていき、最終的には「何かきっといいことがあるだろう」とおぼろげながら思うに至り、気がつけば機械工学を学ぶべく理工学部に入学したクチでした。大学入学後は幸いなことに指導教授から「滝藤君は耐震工学に興味はないかね」とお声がけいただいたのをきっかけに研究室に拾っていただき、院生になってからは機構の特別研究生(※)に推挙していただきました。そこで安全研究センターの研究に触れ、取り組むべき研究課題がまだまだあることを実感し、「ならば私も」と(小生意気にも)意気込んで機構を志望した次第です。私はいくつかの内々定のお話をいただいており、1・2週間ほど真剣に悩みましたが、最終的には大学入学以来お世話になった大先輩から「研究に挑むのは難しいかもしれないけれど、まずはやってみたら」と背中を押していただき、機構の門をたたいた次第です。


※特別研究生
原子力機構の研究推進への貢献度が高いことから、研究環境の整備やスキルアップなどを目的として奨励金を支給される大学院生及び大学院研究生。

安全研究センター及び私の紹介

安全研究センターは、原子力安全規制行政への技術的支援に資する安全研究、すなわち原子力安全の継続的改善に関わる重要な事象に重点化した研究、将来の課題を見据えた幅広い安全研究を実施する組織です。安全研究に係る分野は多岐にわたることから、当センターでは10の研究グループが設置され、それぞれの専門分野をフィールドに専門家が日々研究に取り組み、得られた成果等を規格基準の整備等に還元することで科学的な安全規制に貢献しています。私は10あるグループの内の一つ、耐震・構造健全性評価研究グループに所属しています。当グループは原子力発電所で使用されている建屋や機器・構造物の構造健全性を評価するための手法の研究開発を進めています。当グループの主な研究テーマは設計基準を超える大きな地震等の外部事象を考慮した構造健全性評価手法の高度化に関する研究であり、私は地震時の配管の構造健全性評価手法の高度化に関する研究に主に取り組んでいます。具体的には、地震が発生した際の配管の損傷状態、配管の支持構造物の特性を試験・解析をもとに調べています。最近では、学生さんと年齢が近いこともあり、実習生さんや特別研究生さんの話し相手(?)になることも。実習などで当グループに来られた際には、どうぞお気軽にお声がけください。(安全研究センターの詳細はこちらhttps://www.jaea.go.jp/04/anzen/)

入社して感じたこと

思ったよりも福利厚生が充実しているなあと思いました。私は社員寮に住んでいますが、設備は整っており、住み心地は悪くはないです。今ではすっかり趣味人の部屋です(笑)。また、最近は月に一度のペースで我々のいるオフィスの前にフードトラックが来るので、(都心じゃ当たり前なのかもしれませんが)特別感があっていいですね。ほかには、JAEAには原子力専門図書館があるため、図書館利用の便がいいところも、原子力科学研究所ならではのいい点かなと思いました。工学分野の蔵書は報告書等を含め非常に多いので、重宝しています。また他の拠点にも図書館がありますから、原子力科学研究所の図書館にない資料も取り寄せて閲覧することができます。入社して感じたギャップ、とは少し異なるかもしれませんが、原子力に携わる国立研究開発法人ですのでルールが多く、運用も厳格というのは大学とはまた違った雰囲気があると思います。

学生時代の専攻と私

私は電子・機械工学専攻でしたので機械工学分野の基本的な用語、簡単な科学技術計算、耐震・振動工学の基礎知識…学生時代に学んだことが日々直接役立っています。最近では例えば、研究室にて振動台を使った加振試験を何度か経験していたことで、試験体の基礎設計等において積極的に意見やアイデアが出せた…なんてことがありました。一方、原子力分野の用語、例えば機器名等は入社してから初めて聞くものが多く、お恥ずかしい話ではありますが未だに勉強中です。

就職戦線異状なし

これをお読みの皆様は、具体的ではないにせよやりたいことがある程度頭の中にあるのではないでしょうか。私の周りでも例えば「○○電機で××の開発に携わりたい」、「△△業界で●●の管理に携わりたい」など皆さんそれぞれだったかと思います。一方私は、やりたいことは何もなく、やりたくないことは色々と浮かんでくる…何とも情けないと言ってしまえば情けない就活生でした。ひどい話ですね(笑)。前置きが長くなりましたが、そんな私の就職活動を少しだけ紹介いたします。私は修士卒なのですが、学部生の頃からインターンシップにお邪魔したり、説明会に顔を出したり、ES添削をやったり、「周りに後れを取らない」よう、就職活動を見よう見まねでやっていました。前段で述べた通り、将来像もない中(TAと特別研究生も掛け持ちしながら)漫然と就職活動を進めていたので、エントリーとESをひたすら出し、とりあえずスーツを着て面接を受けていました(当然上手くいきませんでした)。今思えば、ずーっと、漠然とした不安感の中にいたのだと思います。ところがいざ何社か面接を受けると、不思議と自信がつき、考えもまとまって自分がやりたいことを言えるようになり、少しづつ内々定をいただいたり、面接に受かるようになりました。その中で縁あって機構に拾っていただいた、というのが私の就職活動の顛末です。こうして振り返ってみると、私の経験は全く皆さんにお話しできるような模範解答ではありませんが、どうしようどうしよう…と思い悩みつつも、その場に立ち止まらず、脚や手を動かし続けたのは案外よかったのかもしれませんね。