見出し画像

50代のお母さん&お父さんへ

月が替わりました。爽やかな新緑の季節です。テレビのニュースは、GWを満喫する親子の笑顔でいっぱいです。こどもの日の後には、「母の日」が、来月になれば「父の日」がやってきます。離れて暮らす親子であれば、年にほんの何回かしかない、格好のコミュニケーションの機会です。もちろん、LINEやメールでノープロです。

そこで今回は、50歳以上のお母さんとお父さんにお願いがあります。多くのお母さん&お父さんが、娘や息子から、花束とかお酒とか、ちょっとしたギフトをもらうことになります。直接手渡しでなくとも、LINEやメールで動画やカードが送られてくることでしょう。そうなれば必然的に、親のほうも何かしらのサンキューメッセージを返すことになります。実はその時に、是非とも盛りこんでほしいことがあるのです。

こんな感じです…。

****************************************************************************

いつもありがとうね。あなたが仕事と家庭を一生懸命がんばりながら、笑顔で充実した日々を送っている様子が目に浮かんできます。お母さん(お父さん)も元気でやってるから安心してください。

親想いのあなたに、いい機会だから伝えておきたいことがあります。お母さん(お父さん)も齢を重ねて、いつかは介護や医療の問題が出てきてもおかしくないでしょう。実際にそうなってしまったら伝えることができなくなるかもしれないからね。お正月やお盆に顔を合わせても、なかなか面と向かっていうのも変な感じなので、文字にしておきます。

お母さん(お父さん)があなたにいちばん願っているのは、あなたが仕事と家庭を一生懸命こなして、日々と人生の時間をハッピーにエンジョイしてくれることです。だから、お母さん(お父さん)が、仮に認知症とか寝たきりとか脳梗塞とかで介護が必要になったとしても、まちがってもあなたの仕事や家庭や人生に支障をきたしてほしくありません。ためらうことなく、然るべき病院や施設に入れてください。そのために必要なおカネは、早々にあらかじめ渡しておくようにします。だって、ボケちゃったら渡すことができなくなっちゃうから(笑)

自宅で療養してあなたに身の回りのことで手間をかけるよりも、病院や施設のほうが安心で安全で快適です。あなたはたまに元気な顔を見せてくれればそれでいいからね。こういうことは一時の感情ではなく、合理的に理性的に考えなくっちゃ。仕事や家庭のマネジメントと一緒でしょ(笑)。

繰り返します。将来、お母さん(お父さん)に介護が必要になった時には、まよわず病院や施設に入れてくれること。約束です。あなたは親孝行でやさしい子だから、この機会にあえて伝えておきます。

****************************************************************************

以上です。

介護離職とかビジネスケアラーとかの文字が報道を賑わせて久しいです。結婚してる人なら、4人の老親リスクがあることになります。そして、仕事上のリスクヘッジと決定的に違うのは、このリスクは100%必ず起きるということです。でも縁起が悪いからと親を気遣って、子の側からはなかなか切り出せない話題です。だから、親のほうから宣言してあげてほしいのです。人生の折り返し地点(50歳)を過ぎた親であれば、必ず実行してほしいと思っています。

本当に覚悟を決めて実行する人は、100人中数人だとは思いますが…(苦笑)

人間だれしもが通る道です。いざその時になって、親本人の意向がわからなかったとしたら、子どもたちは仕事や家庭のことで超多忙な中で、あれやこれやと考え込んでストレスを抱えてしまいがちです。

親たるもの、自分の老後のことで子どもたちに大変な思いなど、ふつうはさせたくはないはずです。だから、まさかが起きてしまう前に、手遅れになってしまう前に、明確に伝えるようにしておきましょう。これ、親の超重要な役目です。

そもそもこれって、エンディングノートの本来の目的なのですが、ほとんどの親は、買っても書きませんからね。書けないと言ったほうがいいでしょうか。

だったら、母の日&父の日とか、年末年始とか、(子の)誕生日とか、そういうイベントの際に伝えてしまったほうが簡単だと思います。こどもが複数いる場合には、老い先のことを託したい娘か息子をひとり決めて伝えるようにします。

その上で、その子とはマメにコミュニケーションを取るようにして、おカネも早いうちに渡していくようにします。もちろん、贈与税など発生しないように、また、他の子が反旗を翻さないように十分に配慮しながらです。ま、このあたりのことは、またの機会に詳しく触れようと思います。


ということで、「母の日&父の日」目前です。お礼のメッセージには是非、「親の介護は絶対するな!」と添えてあげてください。それこそが、手っ取り早い終活に他なりません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?