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アドヴェントの季節

フランス・アルザス地方、ドイツ・各地

ドイツ語圏では、クリスマス前の四週間をアドヴェント(Advent)と呼ぶ。
アドヴェントとは、ラテン語の「advenire(到来)」に由来し、ローマ帝国時代には皇帝が都市へ入城の時のセレモニーを「アドヴェントゥス(Adventus)」といっていた。
後世、天の支配者となるイエスがロバに乗ってのエルサレム入城もアドヴェントゥスと呼ばれていた。

アドヴェントは日本語では、待降節、降臨節、待誕節とも訳される。イエスの最初の弟子でもあった使徒聖アンドレアの祝日、11月30日に最も近い日曜日をアドヴェントの始まりとする。四つの蝋燭を立てたアドヴェント・クランツ(Adventskranz kranz=冠)の蝋燭に各日曜日に火を点し、聖誕の日を待つ。11月に入るとドイツの花屋、市場でアドヴェント・クランツが店頭を飾る。
2022年のアドヴェントは、11月27日から始まる。

この時期限定のカレンダーもある。袋や小さな引き出し窓があるアドヴェント・カレンダー(Adventskalender)には、小さなプレゼントが入っている。子どもたちは、アドヴェント・カレンダーを12月1日より1日ごと開け、12月25日を迎える。学校から帰るとアドヴェント・カレンダーの窓を開けて、毎日何が入っているか?で一喜一憂する。

ドイツ語圏の文化の影響が色濃く残るフランス東北部アルザス地方のアゲノー(Hagenau)の市庁舎は、赤いクリスマス・ツリーで飾られ、窓もアドヴェント・ギャラリーに化す。

アドヴェントになると、ドイツの花屋の店頭には、クリスマスの星(Weihnachtsstern)と呼ばれる赤や白のポインセティア、クリスマスの薔薇(Weinachtrose)、冬の実(Weinachtbeere)とも呼ばれるヒイラギ(Stechpalme)などの植物が並ぶ。

アドヴェントが到来する11月下旬頃、ドイツのクリスマスの風物詩といわれるクリスマス・マーケットが各地で始まる。
木製細工で知られるドイツ東部のドレスデン、おもちゃの町ドイツ南部のニュルンベルグ、大きなクリスマス・ツリーが立つフランクフルトとクリスマス・マーケットもオリジナリティに富んでいる。

ドレスデンのクリスマス・マーケット
ドレスデンのクリスマス・マーケット
ドレスデンのクリスマス・マーケット
フランクフルトのクリスマス・マーケット
フランクフルトのクリスマス・マーケット
ニュルンベルクのクリスマス・マーケット
ニュルンベルクのクリスマス・マーケット

クリスマスが過ぎると、新年を迎えるために煙突掃除の人形、豚が付いた植物も花屋の店頭を飾る。煙突掃除は、綺麗に煤を払い、新年を迎えるという意味がある。

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