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残念なリーダーと”今どき”リーダー

「人的資本経営」
最近はこの言葉をよく聞くようになった。

▽「人材」ではなく「人財」

人的資本経営の言葉の意味は人は”資源”ではなく”資本”であり、その人的資本は上司や組織との関係性によって縮んだり、伸びたりするものであり、働く人を中心に経営を考えていくということだと解釈しています。

人を雇ったら雇いっぱなしではなく、目をかけて育てたり、一人一人の従業員の”やりがい”に重きを置いて関わっていかないとやる気を失い仕事の成果が上がらなくなっていくことがわかってきており、従業員の「ウェルビーイング(健康・幸福)」に着目した経営が欧米ではすでに主流となってきています。

そのように現代の組織においては、お金や物といった財務系の価値より、人やスキル、人脈などの非財務系に価値があり、これからその部分に投資をしていくべきという考えがここ最近の経営スタイルだと思います。

そして、コロナによりそれはさらに加速化され、お金よりも自分らしさを重視し、ワークライフバランスD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)、成長欲求を満たすためのリスキリングなどが今働く世代の優先事項になってきています。

現代の人のモチベーションはお金ではなくなってきているという訳ですね。

▽従来のリーダーシップ

そういったさまざまな変化により人的資本経営へシフトしていく中で、マネジメントの方法リーダーシップのあり方がとても重要になってくると思います。

従来の「報告・連絡・相談」重視、ルール徹底の管理型リーダーシップは合わなくなってきているように感じます。

在宅ワークが増えた中、働いている様子など”見えない部分”が多くなることから「業務内容を逐一報告せよ」といったマイクロマネージメントをしてしまうと、従業員は窮屈に感じ「何のために仕事をしているのか」がわからなくなってしまいます。
”社会課題のため””利用客のために”という前向きな目的が”上司に報告するため”に仕事をするに変わってしまうのです。
そして本来モチベーション維持に重要な内発的な動機が失われたことでパフォーマンスは下がり、成果が上がらなくなってしまうという負のサイクルに突入してしまうことが考えられるのです。

そのため、近年のリーダーに求められるスキルは”部下の仕事を管理する”ではなく”部下を信じて任せる”が必要になってきているのです。

しかし、従来型の人はこれがなかなか難しい。
管理しないと不安になってしまう不安傾向の強いリーダー(不安型リーダーと名付ける)は無意識に把握していないと不安だから知っておきたいと自身の精神安定のために報連相を過剰に求めてしまうものです。
「報連相は上司の精神安定剤だ」みたいな言葉が昔あったようにこのようなタイプは多いと思います。

また、自分の思い通りに動かしたい欲求の強いリーダー(自己欲求型リーダーと名付ける)は管理したい欲求にプラスされ、自分の思い通りに物事が進ことで安心するため、言う通りに動いてくれる部下を好む傾向にあり、自身の周りはイエスマンで固めるタイプも多いと思います。そのようなチームは過度に同調意識が高く、偽の仲間集団が出来上がっているのです。

それら2つのリーダーの下では「心理的安全性」は崩壊しており、リーダーだけが気持ち良い状態になってしまっている事が多くある気がします。

チームのメンバーは無言の圧を感じ、それは微弱なパワーハラスメントになってしまっていて、当の本人は全く気がついていない。

▽近年のリーダーシップ

そこで近年注目されている次世代型のリーダーは管理とは真逆な思考が求められています。
代表的なものとして「サーバント・リーダーシップ」「オーセンティック・リーダーシップ」があげられると思います。

【サーバント・リーダーシップ】
リーダー側が部下に支援・育成をして、成長や成果達成を助ける役割に重視したリーダーシップ。自己が引っ張るよりサポート役に徹する。

【オーセンティック・リーダーシップ】
自分らしさを大切にするという価値観を持ち、倫理観をもちながらも、自分自身の考えや理念などをもとにリーダーシップを発揮する。

ワンピースのルフィはオーセンティック・リーダーシップにあたりようです。

これら二つは”自分の弱さを認め、他者を信頼する”という部分は共通していて、今は部下に「この人についていきたい」と思わせ、さらに「この人の力になりたい」と思われるリーダーが次世代型リーダーなような気がします。

指示や指導より、ディスカッション。
ディスカッションよりダイアローグ(対話)です。

リーダーの”言葉の重さ・言葉の本気度”が試される時代ですね。

▽「1on1」面談

また近年は上司と部下の1対1の面談「1on1」を取り入れている組織も多いと思います。
ただ、残念なことに上司による部下への指導や追求の場になってしまっている場合が多くあります。

「何でできないの?」
「どうして○○なの?」

みたいな言葉を使ってしまってはいないでしょうか?
「1on1」は指導の場ではなく対話の場です。
見せかけの「傾聴」は上司の満足のためでしかありません。

”なぜ”できないのか?
は管理したい、追求したい気持ちが見え隠れしていて相手に伝わってしまいます。

”なに”ができそうか?
という言葉を最初に使うと一緒に考えてくれているという気持ちが伝わります。

上下の関係ではなく「対等」な関係が1on1に限らず、さまざまなコミュニケーションの場で必要になってきます。


「あの人とのコミュニケーションに気をつかう」
「あの人に言われたらそういうもんだと思うしかない」
「頑張って自分の意見を伝えてみます!」

みたいな言葉を昨日仕事でスタッフが話していたのを聞いたので、今日はこんな話題のnoteになりました。

残念な上司のせいで疲弊しないために。。

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