「ドリームボディー・ワーク」と「ドリームワーク」
ミンデルのドリームボディーとボスナックのドリームワーク。
今日はそれについて自分の頭の整頓のため、書き起こしてみる。
「最近夢を見ないのだよね。」という人がいる。
ただ、見た記憶を留めておくことができないから、「見ていないのだ」と思い込む。
また、夢は夜寝ているときに見ているだけではなくて、昼間日常生活を送っているときにもさまざまな形(ふと心に浮かぶ白昼夢のような空想やほとんど意識する事のない身体の微妙な感覚など)を通していつも見ている。
その微妙な感覚を意識できるように練習していくと、日々の生活の中で自分の深い部分とつながることができ、宇宙の大きな流れに同調することができるようになる。
つまり、毎日の生活の一瞬一瞬に起こっていることを通して深い癒しを体験できる。
ゆっくりと感覚をみることによって気づきも起こる。
自分の感じる微妙な違和感を大切にする、ということと同じですが、そのための具体的な方法論がアーノルド・ミンデルの示す「ドリームボディー」。
ここ最近、プロセスワーク(プロセス指向心理学)にとても惹かれる理由の一つは、ユングとのつながりのような気がします。
ミンデルのプロセスワークはC・G・ユングの夢分析の考え方を発展させたもの。
ドリームボディーのワークは、ユング派の流れを汲む援助方法であるが、
夢のイメージを持ち続け、さらにイメージの中に入り、
内側から身体や五感を通して(=enbody)、再度、経験することで、
夢そのものを真に体験することである。
夢の持つリアリティに近づいていくことで、人生の意味を気づかせ、
メンタルヘルスだけでなく、身体疾患からの回復もある。
喫煙や飲酒などの「嗜好」、「慢性病」なども「ドリーム・ボディ・ワーク」の対象です。
どれでもミンデルの著作を読んでいると、ユングへの深い尊敬を感じることができる。
ワークではファシリテーターに従ってここ数日の悩みや関心事項、避けようとしている事項や人を思い出します。
そして、それが夢と関連していないか考えます。
夢の登場人物の立場になって、自分に対して、言いたいことなどを自由に語らせます。
夢の中に自分の立場から夢を解釈し、日常と関連付けます。
夢の登場人物や夢の中の事物の象徴について、個人的な連想によって考えます。
次に、夢の中に自分以外の登場人物の立場から夢を解釈します。
この解釈は、夢の中のイメージが、自分のアイデンテイティをどう拡大させようとしているかといった観点になります。
一方、ボスナックのドリームワーク(Embodied Dreamwork)は、
ある人が観た夢に、その場にいる人が入っていき、
その夢を体験するワークです。
夢は寝ている間に体験する出来事であるが、生きた経験であり、
昼間に体験する生活と同じく“リアル”なものである。
今回の自分が観た夢は、
白い部屋に一人で静かに過ごしている自分のもとに何名かの友人がたずねてくるというものです。
ゆっくり、深海で深呼吸をするように、目をつぶり、自分の身体を観察する。
1回目にその夢のあらすじを語ったあと、2回目は夢の内容を現在進行形で話します。
私は、それを自分の脳内で再現していきます。
自分がそこに今、いるイメージです。
そしていったん自分と周りの間で起こった反応をシェアします。
ファシリテーターはが夢の中の環境がより具体的に想像できるよう、ディテールを導きます。
場の明るさはどうか、聴こえる音は、匂い、温度、湿度、足元にふれる感覚。
ファシリテーターにも、自分にも、周りの人にも
より具体的にはっきりとその夢の環境、空間が脳中に立ち上がってきます。
白い部屋。白いカーテン、ゆるい光が差し込む。木々の揺れる音が聞こえる。
今ここで夢の場を再現したものにより、「私が今、この夢を観ている状態」になります。
主観的な体験(体、知覚、感情など)を自分の体のどこに感じるか、
その感じている部分にアンカリング(錨を下ろす)します。
次にその夢の中に存在している、他の何かに
自分を乗り換えます。
今回は部屋にある机でした。
そして自分がその机になって、その机が感じている体験(体、知覚、感情)を、
机である自分の体にアンカリングします。
さて、ここまで書いたが、読む人に伝わるか自身がない。
ドリームボディー・ワークとドリームワーク、どちらも身体を実際に動かしてみないとなかなか理解できないと思う。
正しいワークやトレーニングを通して、実体験から学ぶしかないとおもう。
もし、自分のカウンセリングにドリームワークを希望する人がいれば、
その夢は予めノートに書き起こしておいてほしい。
何度みる同じ夢でもいいし、すぐに忘れる朝方のモヤのひとつかみを書き留めるのも良い。
一つの夢でも、何度でもワークできるし、その都度違う気付きがあるはずだから。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?