見出し画像

学びは裏切らない:成し遂げている人の言葉

今回、目に留まった記事は、NIKKEI STYLE、梶原しげるさんの連載です。

♦ 記事の概要

■ 「学びの大家(たいか)」との出会い

 60代後半の梶原さんは、英語学校に通っているそうです。

私の通う英語学校のクラスメートは「留学」「昇進」「外資への転職」を目指す若い世代が中心だ。60代後半の私は異色というか、相当な変わり者だと思われているはずだ。(記事より)

 そこで新たに同世代のクラスメイトが加わった。

そんな状況にすっかり慣れたころ、クラスに新しいメンバーが加わった。私と同世代のSさんだ。
帰り際、声をかけたのがきっかけで、お付き合いが始まった。実はSさんは、とんでもない「学びの大家」だった。(記事より)

■ Sさんの学びエピソード

 Sさんの交流し、過去の話を聞くと、中学生時代から今に至るまで、努力をしては成し遂げるの繰り返し人生だった。

 中学生時代に、タイプライターを買ってもらい、教室に通えば、最速のタイピストに。

 公認会計士試験に興味を持てば、1年足らずで合格。

「学びはうそをつかない」というSさんの信念は揺るぎないものとなった。(記事より)

 現在も自転車に興味をもてば、走りと自転車を組み合わせた競技「デュアスロン」に挑戦しているとのこと。

 そんなSさんから刺激を受けている、という梶原さんのコラムでした。

---

♦ 思い出したこと

 資格予備校にて税理士講座の講師をしていた際、生徒さんは10代から70代までいました。年齢だけでなく、毎日終電のような激務の中勉強していた会社員、3人のお子さんを育て、PTA会長もしながら勉強していたママさん、日本に来て2年足らずの留学生・・など、いろいろな方がいました。その中で、今回、記事のSさんに似た受講生の方をふと思い出しました。

■ 定年、再雇用後の選択は「受験」

 新宿の校舎、平日午前の部。時間的に、学生やフリーター、主婦の生徒さんで構成されていました。その中、前後左右ともちょうど真ん中あたりに座っているおじさま。カジュアルな格好の生徒さんが多い中、ワイシャツにスラックス。目立ちます。見た目だけでなく、非常に熱心にメモをとり、頷き、たまに挟む私のジョークにもほぼ確実に笑って下さる。すごく印象に残りました。途中、クラスの懇親会があり、学生中心でしたが、なんと出席していただけました。

 自己紹介。「大学生の〇〇です・・」「今は、フリーターで・・」と続く中、おじさまの番。

「定年と再雇用を終え、今は私もフリーター!〇〇です!!」

 私も当時は20代半ば。しかし、この元気のよい一言で、年齢の壁を越え、打ち解けました。

 なぜ、勉強を始めたのか?という質問をしました。

生徒さん「そんなのは、知りたいからですよ。自己実現。年だから、電卓叩くのが遅い。だったら、一発で合わせられるようにすればいい。理論の暗記ができない。でも、学生や子育てしている人と違って、僕は、勉強に全てかけられる。時間をかけたら、なんとかなるでしょ?」
生徒さん「僕は、今までも、興味があることはやってみたの。数字が好きで研究に没頭したら、評価されてね。就職して開発をしていました。異動後は、興味をもって社会保険労務士をやったよ。あとは、ウイスキーに凝ってね。これも研究なんですよ。定年頃になって、急に経営に興味が湧いて、今に至る感じかな。」

 10年以上前なので、曖昧ですが、こんな話をしていました。年齢を言い訳にするのではなく、カバーするにはどうすべきか。自分なりにプランがある。こんなポジティブであり、エネルギッシュな姿が今回の記事のSさんと重なりました。

♦ マズローの欲求段階説(自己実現)

 先月参加した経営セミナーで「欲求段階説」が紹介されました。(今回は既に長文なので、欲求段階説の解説は別の機会に書きます。)

 簡潔に述べれば、ピラミッドの下の方の欲求が充足されることで、次の欲求が生まれる。もっと成長したいと思い、行動できるようになるには、様々な欲求を満たしていく必要があります。

 よく「過度な承認欲求」が問題視されますが、このピラミッドでいけば、承認欲求は満たされて、初めて自己実現の欲求に到達します。

 今回の記事のSさんも、私の生徒さんも、自分の努力がまず評価されたり、価値あるものという確信が得られたという経験をしています。

 生理的欲求はピラミッドの一番下。食欲があることは当たり前で、悪いことではない。何らかの原因で、食欲にエラーが生じた場合に、摂食障害等になります。

 承認欲求も同じ。その先に、「自分が成し遂げたいものがある」のであれば、承認欲求を充足する経験が必要。Sさんのように「すごい!」と言われるタイピングテクニックであったり、資格の取得であったり、尊敬される姿勢であったり。逆に、その先に「自己実現」が無い承認欲求は、SNS依存など、エラー化してしまうのかもしれません。

♦ おわりに

 梶原さんも英語学校に通っていますので、私にはSさんと同じく、エネルギッシュだな~と尊敬な気持ちで読んでいました。

 いつまでも勉強、挑戦、努力。

 努力も「才能」なんて言われたりします。その面もあるかもしれませんが、私は努力は「経験」だと思います。何か、成し遂げた経験、価値を感じた経験。それが自我の欲求、承認欲求を充足し、その先を目指す原動力になる。

 背伸びや無理しているのではなく、誰かに言われているのではなく、自己実現のための行動。やはり輝いて見えますね。

 月末の仕事を終えて、「疲れた・・」なんて顔をしている中、「おい!また楽しく行こうよ!頑張ろう!」と、声を掛けていただいたようなコラムでした。

  #COMEMO #NIKKEI #毎日投稿


お読みいただき、ありがとうございました。 FB:https://www.facebook.com/takayoshi.iwashita ㏋:https://ibc-tax.com/