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『 税理士 』が話題になるとき 【 徳井さんの件 】

 いやぁ、・・ショックです。学生時代、チュートリアルの漫才も好きでしたし、R1グランプリのヨギータとか、徳井さん個人としても好きでした。ファンというわけではないですが、今もテレビに出ていれば「面白いな~」と好印象でしたし。

 昨日、私はお客様の税務調査の立ち合いでした。調査官とも話したのですが、ため息交じりに「税務署でも、話題になりましたよ。行いもそうですが、納税意識の面でもルーズだったんでしょうね。」というような答え。金額が大きく、しかも法人税という事でレアなケースとはいえ、私たち以上に、税務署側では「ルーズで無申告」という回答に思い当たる節があるのだろう、と察しました。

 想像を絶するだらしなさ、ルーズさ

 こんな言葉を徳井さんが会見で述べていました。

 私の事務所はスポットで仕事することはなく、法人や個人事業であれば「顧問契約」の形式です。もし顧問で3年無申告だったら、生きた心地がしません。そもそも1日として遅れた事はないので、年単位は本当に想像がつきません。色々な報道や憶測がありますが、私の常識に照らせば、無申告期間は既に顧問契約は結んでなかったのではないかと思います(思いたいです)。

 だいぶ前ですが、実は私も顧問契約を解消したケースがありました。理由はやはり度を超えた「ルーズさ」。打ち合わせの日時にいない、会えない。やっと会えても資料が無い。ついには、連絡がつかない。やっともってきた資料はクシャクシャで、ゴミが混ざっている状態。
 この時も怒りではなく、「ショック」でした。縁あって、サポートすることになったのに、相手は私をどのように思っているのか? ゴミだらけの資料をどんな気持ちで渡したのか?私は、サポートしたい気持ちがある。でも、資料が無ければ記帳指導も、提案もできない。持ってきた資料を見て、経費該当性を確認すれば、「適当でいいですよ」と言われる。あなたがそれでよくても、私や社会は許しません。税理士は、ただの納税者のためのサービス業でも便利屋でもない。我々も社会的な責任がある。人当たりの良い方でしたが、関与した年までは責任もって申告し、翌年、今後の手段等を説明したうえで解消しました。
 (顧問契約書にも、資料の不提示や、やりとりができない、虚偽等があった場合には解除できるというような文言は入れてあります。ただ、通常は、多少、ルーズでもサポートしながら一緒にできますし、日々やり取りできれば、解消なんてことにはなりませんが。)

 税理士という仕事がニュースになるときは、大抵、脱税や申告漏れ等、悪さに関連したもの。ドラマに出てくる税理士も割とそんな役です。朝ドラの主役に、なんてニュースはありません。
 今回も多かった「税理士は何していたの?」という問い。まあ、詳しくは当事者しか分かりません。徳井さんは非を認めていますが、税理士も悪かったのかもしれませんし、逆に苦しんでいたのかもしれません。税理士が関与する場合、税務申告は納税者(今回は法人ですが)と税理士という「ヒト」と「ヒト」が信頼関係をもち、共同で行う作業です。無理な要求があったのか、見られたくないような支出や財務状況だったのか、信頼を築くに至らなかったのか。行えないだけの何かがあったのだろう、と思います。

 まず、第一に社会人として納税の義務がある。残念ながら無申告という違反行為は、この時点で嫌悪感が生まれてしまいます。

 ただ、もっと狭い視野でも、仕事の関係者などに迷惑をかける。

 そして、もっともっと目の前の事でいえば、申告しましょうと言って当初は待っていた税理士もいたかもしれない。

 そんな事を思うと、ルーズさという言葉には、無責任、考えが足りなかったという浅はかさだけでなく、相手のことを思っていたかどうかという人柄まで想像してしまいます。本当に、・・ショックだなぁ。

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 ここまでは昨夜書いたのですが、朝起きたら、こんな新たな記事。

関係者によると、「チューリップ」は設立以来9年間、一度も定められた期限内に会社の所得を税務申告していなかったという。また、「チューリップ」をめぐっては、東京国税局から複数回にわたり「無申告」の指摘を受けていたことが分かっているが、期限を過ぎた後で3年分をまとめて申告する行為を3回繰り返していたという。

 残念ながら、ショックを通り越してしまいました。

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