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私的音楽アーカイブ91(ラザールベルマンほか)

901.チャールスミンガス:A MODERN JAZZ SYMPOSIUM OF MUSIC POETY
902.ローランドカーク:THE RETURN OF THE 5000 lb.MAN
903.チャールスミンガス:MINGUS MOVES
904.ラザールベルマン:LISZT:Anne’es de pelerinage(巡礼の年)
905.小澤征爾&村上春樹:「小澤征爾さんと音楽について話をする」で聴いたクラシック
906.ベベンコビッチオーケストラ:ワイワイワイ
907.ベベンコビッチオーケストラ:ナマクサカ
908.ラテン・ミュージック・ベスト
909.セルジオメンデス:the great arrival
910.デクスターゴードン:LANDSLIDE

⚫︎904.ラザールベルマンのリスト「巡礼の年」全曲集は2013年、大変な話題となった。村上春樹の小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」にたびたび登場したためだ。特に1枚目の8曲目にある巡礼の年第1年「スイス」の「ル・マル・デュ・ペイ(郷愁)」はこの小説を象徴する。ジャズ、クラシックに造詣の深い村上さんは小説の重要場面で音楽を使うことが多く、ル・マル・デュ・ペイもまさにこの作品の核になっている。

リストといえば超絶技巧というイメージが常にあるが、巡礼の年に関しては技巧というより抒情的で情感あふれる音楽。それもそのはず、リストがフランスの作家セナンクールの小説「オーベルマン」に登場する場面や風景から着想したからだ。ベルマンの演奏もリストのいわゆる有名曲とは違った側面を強調した演奏になっている。

Disc1
『巡礼の年』第1年「スイス」
・ウィリアム・テルの礼拝堂
・ワレンシュタット湖畔で
・パストラール
・泉のほとりで
・夕立
・オーベルマンの谷
・牧歌
・ル・マル・デュ・ペイ(郷愁)
・ジュネーヴの鐘

Disc2
『巡礼の年』第2年「イタリア」
・婚礼
・物思いに沈む人
・サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ
・ペトラルカのソネット第47番
・ペトラルカのソネット第104番
・ペトラルカのソネット第123番
・ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲

『巡礼の年』第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」
・ゴンドラの漕ぎ手
・カンツォーネ
・タランテッラ

Disc3
『巡礼の年』第3年
・夕べの鐘、守護天使への祈り
・エステ荘の糸杉に寄せて-葬送曲(第1)
・エステ荘の糸杉に寄せて-葬送曲(第2)
・エステ荘の噴水
・哀れならずや-ハンガリー風に
・葬送行進曲
・心を高めよ

ラザール・ベルマン(ピアノ)
1977年5月録音

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