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【葬送のフリーレン】魔法陣グルグルとの共通点と相違点

葬送のフリーレンと他作品との関連性について考察し、幅広い観点で作品を楽しむことを目的として、様々な記事を書く予定です。

本記事では、剣と魔法のファンタジーの先輩である魔法陣グルグルとの共通点と相違点を、考察したいと思います。


漫画「葬送のフリーレン」の記述内容は、単行本1巻7話まで、アニメ「魔法陣グルグル(2017)」は3話まで内容を含みますが、大きなネタバレになるような箇所は避けるようにします。


葬送のフリーレンとは

いまさらですが、以下が葬送のフリーレンの概要です。

魔王を倒した勇者一行の“その後”。
魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。
彼女が”後”の世界で生きること、感じることとは--
残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは--
物語は“冒険の終わり”から始まる。
英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!

原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第1巻 紹介文より
https://www.shogakukan.co.jp/books/09850180/

魔法陣グルグルの簡単な作品紹介と感想

簡単なあらすじとしては、「グルグル」という魔法を使う少女ククリが、勇者と呼ばれる少年ニケと、様々な人に導かれて魔王討伐を目指すというものです。

上記のように書くと王道っぽいですが、内容は全然王道ではなく、ほぼ10秒に1回くらいはギャグやパロディが散りばめられた、清々しいほどのコメディです。

多少ポエム的なところもありますが、世界観は分かりやすく魅力的なので、頭を空っぽにしてもめちゃくちゃ笑って楽しめる、稀有なファンタジーだと思います。

最近よくある、やたら凝った設定のファンタジーに疲れた方は、一度魔法陣グルグルを鑑賞してみることをオススメします。(葬送のフリーレンへのディスじゃないよ)

1990年代の作品なので、多少古いノリがあるのはご愛嬌です。

第一話は様々な配信サービスにて無料で観られるので、試しに観てみてはどうでしょうか。

両作品の共通点(と相違点)

基本的には類似作品とは呼べない両作品ですが、個人的に似ているなと思った所は3点あります。

ドラクエ要素

1つ目の共通点は、ドラクエ要素が登場することです。

葬送のフリーレンでは、以下の場面にあるように、ドラクエに出てきそうな職業や魔物などの要素が、所々で登場します。

ドラクエに出てくるような職業
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ「葬送のフリーレン」 第1話より
ドラクエに出てくるようなミミック
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ「葬送のフリーレン」 第1話より

また魔法陣グルグルにも、以下の場面にあるように、ドラクエに出てきそうなウィンドウ画面や定番の展開などの要素が、所々で登場します。

両作品の違いは、葬送のフリーレンはドラクエ要素を主にオマージュとして使用しているのに対し、魔法陣グルグルは主にパロディとして使用しているところです。

葬送のフリーレンでは勇者ヒンメル達の旅を詳しく描くことが少ないので、ドラクエなどの定番をオマージュして、それをある程度イメージし易くする効果があると考えています。

また魔法陣グルグルでは、そのパロディが単純に面白いので、作品のコメディの部分を支えていると考えています。

おじいさんがスパイス

もう一つの共通点が、登場するおじいさんがストーリーのスパイスになっていることです。

葬送のフリーレンでは、僧侶ハイターなどの、おじいさんが登場することがよくあります。

登場するおじいさんの例
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ「葬送のフリーレン」 第2話より

また魔法陣グルグルにも、キタキタおやじなどの、おじいさんが登場することがよくあります。

両作品の違いは、葬送のフリーレンのおじいさんは、主にほろ苦く切ないエピソードに繋がり、魔法陣グルグルのおじいさんは、主に脂っこいお笑いに繋がることです。

上記でおじいさんがストーリーのスパイスと書きましたが、葬送のフリーレンはセージなどのほろ苦いスパイス、魔法陣グルグルはガーリックなどの独特の香りのスパイスに例えられるかなと考えています。

個性的な魔法

最後の共通点は、個性的で魅力的な魔法が登場することです。

葬送のフリーレンでは、温かいお茶が出てくる魔法など、やたら具体的な名称の魔法が、所々で登場します。

具体的過ぎる魔法の例
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ「葬送のフリーレン」 第3話より

また魔法陣グルグルにも、長い声のネコなどの、見た目が変な魔法が、所々で登場します。

見た目が変な魔法の例 「魔法陣グルグル」公式Xより
https://twitter.com/magical_grgr/status/1209670167342518273?s=20

どちらも各作品の世界観を形作る、大切な要素ですが、違いとしては、葬送のフリーレンは主に非戦闘用の魔法であるのに対し、魔法陣グルグルは主に(変な効果を出す)戦闘用の魔法であることです。

おまけ

鋼の錬金術師の原作者の荒川弘先生は、魔法陣グルグルの原作者の衛藤ヒロユキ先生の、アシスタントをしていた時期があるそうで、なんとなーくギャグの部分は似ている感じもします。

また葬送のフリーレンの勇者ヒンメルの声優である、岡本信彦さんは、魔法陣グルグルでは魔界のプリンスのレイド役をやっているので、やんわりとした繋がりを感じます。

共通点・相違点まとめ

ドラクエ要素

・両作品ともドラクエの要素が散りばめられている。
・葬送のフリーレンは主にオマージュ。
・魔法陣グルグルは主にパロディ。

おじいさんがスパイス

・両作品ともおじいさんがストーリーのスパイスになっている。
・葬送のフリーレンは主にセージのようなほろ苦いスパイス。
・魔法陣グルグルは主にガーリックのような独特の香りのスパイス。

個性的な魔法

・両作品とも世界観を形作る個性的な魔法が登場する。
・葬送のフリーレンは主に非戦闘用。
・魔法陣グルグルは主に(変な効果を出す)戦闘用。

まとめ

本記事では、剣と魔法のファンタジーある葬送のフリーレンと魔法陣グルグルとの共通点と相違点についてまとめました。

片方の作品のファンの方も、本記事にて作品の共通する部分を感じ、もう一方の作品を見るきっかけになれば、幸いです。

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