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プレーリーカードで、「自分のための名刺」に出会えた話

幾度と訪れる人との出会い。そんな出会いが楽しくなるように、私は自分のための名刺をつくりました。

今回はプレーリーカードという名刺を作成してみました。名刺は名刺でも、出会いの形を変える名刺というのが面白いところ。デザインしたカードの紹介や、プレーリーカードを選んだ理由、実際に使ってみた感想などをまとめます。


プレーリーカードってなに?

ひとことで言えば、スマホをかざしてもらうことで情報を渡せる、スマートな名刺です。紙の名刺の代わりにカードを差し出し、相手はスマホをカードに近づけることで、予め設定しておいたプロフィールページなどが表示されます。要は交通系ICカードと同じで、NFC技術(近距離無線通信)で情報を読み取れる仕組みになっています。よって、アプリやカメラの起動は不要なのです。

プレーリーカードは2023年2月にリリースされました。記事執筆時からすると、本当にできたばかりの新進気鋭なサービスといえますね。ネーミングもかわいい。煩雑な紙の名刺を一枚に完結させ、ワンタッチで様々な情報を相手に伝えられる。サービスと連携し、いつでも情報を更新できるので、その一枚で常に最新の自分を持ち歩ける。まさに新しい時代の名刺として誕生し、大きな注目を集めています。


これが私のプレーリーカード

プレーリーカードの大きな魅力として、両面を自分のオリジナルデザインにすることができます。描いた絵やお気に入りの写真、自分のロゴなどを好きに使って、自分だけの一枚を作れるのはテンションが上がりますね。というわけで、私もカードをデザインしました!

裏面:デザインに対する自分なりの考え方を、図と文章にまとめた

まずは裏面に注目してみてください。「iとiのかけ算で、愛のあるデザインを。」というキャッチコピーには、様々な意味合いがあります。人の姿や主格を表したi(アイ)の文字。虚数であるi同士を掛けると、普通はマイナス1になります。しかし人と人が関わり合い、人のためを想ってデザインが形作られれば、それは互いにとってプラスになる。そのように、愛(アイ)を込めて人に向き合うことが、私の掲げるデザインにおける想いであり根本なのです。

表面:ロゴマークとタッチの案内を中心に、周囲はこれまで作った作品を並べた

裏面の計算式にあるハートマーク(人と人の関わり)に対応するように、表面にも大きくハートを入れています。その周囲には、これまで人への想いを込めて取り組んできた作品や活動を並べました。私は幅広い興味をもち、多種多様なものづくりを行ってきたことを自身の特色としています。そうした積み上げを、思い切って多くの作品を使って大胆に表現してみました。また、情報はスマホを介して見られるので、敢えて名前は入れていません。その代わり、スマホを近づける誘導も兼ね、私の分身たるカードに触れてもらうことを「Touch me! 」と表しました。

今回プレーリーカードをデザインするにあたって意識したのは、「自分のための名刺」として考えることです。普通、名刺は相手のために渡すものだと思うので、自分のためというのは変に感じられるかもしれません。しかし、プレーリーカードはこれっきり一枚、渡さずに自分で持っておくものです。自分の手元に置くものなら、私の想い(=理念)や作り上げてきたものを込めて、常に忘れず胸に留めておけるものにしたい。それに、名前や肩書ではなく私らしさを表現することで、私という人間性を少しでも相手に印象付けられるのではないか。モノは自らデザインして所有し、情報は自由に更新し広げてゆけるプレーリーカードだからこそ、私自身が表れた大切な一枚にできたのかなと思っています。


プレーリーカードは、出会いの体験をデザインする

ここからは、私がプレーリーカードを選ぶに至った経緯を話します。以前から私は、学会など外部での活動が増えたこともあり、名刺を欲していました。ただ紙の名刺を作るには、いくつか不安な点がありました。印刷する手間やコスト、情報を柔軟に変えられない難しさもあり、前向きではなかったのです。デジタルを上手く活用した、より自分らしく使いやすい名刺を探すのは、至極自然な流れでした。

とはいえ、プレーリーカードがデジタルを活用した名刺の先駆者、というわけではありません。世の中には、名刺そのものを電子化してやり取りできる名刺管理アプリがあります。プレーリーカードと同じような、物理的なカードにスマホをかざして情報を渡せるプロダクトも、すでにいくつか存在していました。つまりサービスとしての大きさや利便性、もっといえば価格の安さを見れば、他にいくらでも選択肢があるといえます。

それでも私が他を選ばなかったのは、名刺を通じた出会いのイノベーションをプレーリーカードが掲げていたからです。上で挙げた他のサービスは、ほとんど「紙の名刺から脱却しペーパーレスに」「スマートで楽に手早く情報交換」といった、名刺自体の機能の部分でアプローチをしていました。もちろんプレーリーカードもそうした側面で訴求をしていますが、私はそこが本質だとは考えていません。実際に購入したユーザの声やWeb上の記事を見て、プレーリーカードは出会いの形を変えようとしているのだと気づきました。

配送時にプレーリーカードが収められている封筒と台紙

それが一番に表れていると思うのが、上に示した配送パッケージです。丈夫で質感の良い封筒、その中の台紙にカードが収められています。台紙には、プレーリーカードがどのような想いで作られ、その人のもとに届けられたかを伝えるメッセージが書かれています。

これはかなり異質なことだと私は感じました。単に使ってもらう製品として届ける場合、たいていは本体とその取扱説明書くらいが入っていれば十分です。あっても「ご購入ありがとうございます」のThank youカードくらいでしょうか。しかし、プレーリーカードはそれ以上のメッセージ、カードを使う人に伝えたい想いを内包して届けられているのです。「初めましての時間をもっと素敵な体験に」「一生分の名刺があなたに寄り添う」といった文面を見ると、たった一枚のカードが素敵なモノに感じられてきます。すなわちこれは、自分だけのプレーリーカードとの初めての出会いの瞬間を、特別で価値あるものになるようデザインされているのです。名刺というプロダクト自体に留まらず、初対面のデザインを通じて「あなたと名刺」という関係性を形作ろうとする試みに、掲げるコンセプトに対する本気度を感じました。

もちろんプレーリーカードそのものも、これからの出会いの体験を新しくデザインするものとして位置づけられています。例えば、従来の紙の名刺は色々と制約があるけれど、同時に名刺ならではの特別な出会いがある、といった話がプレスリリースで語られています。アナログな文化とデジタルの強み、それらをかけ合わせて生まれたプレーリーカードなら、より自分らしさを楽しく手軽に伝えることができる。単に名刺をスマート化したいのではなく、コミュニケーションの形をさらに豊かにしたいというマインドは、楽しげなサービス紹介動画からも伝わってきます。

こうした「出会いのイノベーション」を目指す強い想いに共感しましたし、それを実現する工夫の数々を見て、取り組みの真剣さも感じました。それに新しいサービスということもあり、純粋に応援していきたい気持ちも芽生えました。大事な一枚をつくるなら、心から好きになれるサービスを使いたい。私はそんな想いでプレーリーカードを選びましたし、選んで良かったなと思っています。


プレーリーカードと過ごしてみて思うこと

最後に、実際にしばらくプレーリーカードを使ってみて、思ったこと感じたことをいくつか挙げてみます。

普通じゃないからこそ生まれる、面白さと難しさ

一般に名刺といえば紙製のカードですから、プレーリーカードのような通信機能のある名刺はまだ普通ではありません。その良い点としては、名刺としてこれを差し出すだけで、非常に関心をもってもらえることです。「面白い!」「そんなのあるんだ!」といった感想が多く、とてもインパクトがあります。また、カードにタッチしてもらえれば一枚で何人でも対応できるのも、デジタルの強みですね。従来の名刺交換にはない自由度があるので、実際に懇親会のような場で、自己紹介代わりにカードを置いて皆さんに読み取ってもらうような使い方もしました。

一方で、普通でないことはデメリットにもなります。懸念はしていましたが、やはり人によってはスマホのNFC機能をONにしてもらう手間を掛けてしまうし、そもそもスマホを出せない場だと困ってしまいます。それと当たり前なんですが、名刺として差し出すと、相手はそのまま受け取ろうとします。これは普通の名刺ではなくて… といった説明を挟む必要があるわけです。こうした時間はコミュニケーションの流れを中断することになるので、自然なやり取りを行うハードルは意外と高いと思いました。

デジタルな名刺が普通でない今だからこそ、スムーズとはいかなくても注目してもらえる面がある。逆にそうした名刺が普通になったら、やり取りはスムーズになるけど驚くものではなくなる…。中々難しいところですね。

カードを通じた、コミュニケーションの多様化

次は名刺を差し出した後の話です。プレーリーカードが従来の名刺と大きく異なる点として、出した後の会話に色んな発展があることです。自分の名前や肩書き以上の情報量を送れるので、その場で話題が展開することが多いように思いました。例えばプレーリーカード自体に強く興味を抱く人もいれば、カードに描かれたロゴや作品に注目する人、あるいは読み取った後のプロフィールページの内容に言及する人もいます。良い意味で、名刺を交換するという その行為でほぼ完結していたものが覆されることになり、その場でより多様なやり取りを行えるようになりました。

ただし、この点についても注意すべきことはあるように思います。名刺を差し出して終わりではなく、様々な話題の会話が発展し得るというのは、それだけコミュニケーションの流れが複雑化することを意味します。カードのデザインにしてもプロフィールページにしても、相手の反応に沿って話題を広げられるように準備した方がいいなと個人的に思いました。それにカードの出し方も割と重要です。スマホでタッチしてもらうことを優先しすぎると、カードのデザインをあまり見てもらえないまま終わってしまうこともありました(特にカードの裏面)。

プレーリーカードを使った出会いは、色んなやり取りを行える可能性を秘めていますが、それを活かすか活かさないかはその人次第だと思います。出会いという折角の機会だからこそ、差し出し方や話題の広げ方は自分なりに工夫しておくと良いかもしれません。

名刺に愛着が湧くと、人と出会うのも楽しくなる

実のところ、一番のメリットはこれなんじゃないかと思っています。私はこれまで自分の名刺をもたず、相手から名刺をいただくだけの立場だったので、何となく申し訳なさがありました。しかし自分の名刺をもった今は、人と出会うことに前向きな気持ちで、自信をもてるようになった気がしています。もちろん自ら名刺を差し出せるようになった嬉しさもありますが、それ以上に自分の名刺に愛着が湧いたのが大きいと思います。

プレーリーカードは唯一無二の一枚で、相手に手渡さず、常に自分がもっておく名刺です。自分らしくデザインした、自分しか持っていない一枚。名刺は自分の分身ともいいますが、自分のために作ったものを自分で持ち歩けると、やはり強い愛着が湧いてきます。次はどんな人に見せようか、何を話そうか、わくわくするんですよね。

「私のための、私らしい名刺ってなんだろう」とじっくり考えて作ったことで、出会いの捉え方や考え方が私の中で少しずつ変わってきました。まさに「名刺を通じた出会いのイノベーション」を実感できたように思います。


おわりに

今回は、スマホをかざすだけのデジタル名刺、プレーリーカードで自分の名刺を作った話を書きました。当初は自分の名刺をもつことが目的でしたが、自分のための名刺を作るという意識に変わり、今は人と出会うこと自体が楽しくなりました。

出会いは自分には予期できないもので、ときに思いもよらない出来事を生みます。プレーリーカードという印象的なサービスに出会えたこと、自分らしさが詰まった名刺を作って出会えたこと、その名刺を通じて様々な人との出会いが彩られたこと。少し前の私には全く予想もできないことばかりでした。これからの良き出会いに期待しつつ、これまでの素敵な出会いに感謝したいと思います。


プレーリーカードが生まれるまでの話については、代表の片山さんが書かれた記事があります。本記事でも途中で触れた、プレーリーカードに対する想いや工夫が沢山載っていますので、ご興味のある方は読んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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