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しがないビブリオマニアのボヤキ

 本稿は下野愛書会の会報『愛書会通信第29号』(2023)に寄稿した「しがないビブリオマニアのボヤキ」の加筆修正版である。

しがないビブリオマニアのボヤキ

 昨年末、ゲンロンカフェで開催された荒俣宏先生と鹿島茂先生と東浩紀先生の鼎談を拝聴したが、荒俣先生が「本を集めているのではなく、集めさせられている」と語っておられたのが印象的だった。私も「大学進学が無理なら、自宅を大学図書館にしてしまえ!」と発想を転換し、読む時間も無いのに仕事でストレスが溜まると狂ったように本を買い、もはや我が家も「家には本が住んでいる」状態であるが、これ以上、本を集めたら私の人生まで大変なことになってしまう気がして、今後は買うのを控えようと決心するも、舌の根の乾かぬ内に吉本隆明の旧蔵書を爆買いしてしまった。私の恩師である井村君江先生は川上澄生に師事したラスキン研究者であるが、先日も「自然という書物」展の図録を買い逃し、代わりにラスキンの署名入り『ヴェニスの石』を買ってしまい、いよいよ枕元まで本が侵食してきている。本が溜まって堪らない(笑)。

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