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タブレット メニュー

少し前のこと。

よく利用するやよい軒さんへ行こうとすると、遠目からも薄暗いことがわかる。
なんと、まさかの改装中で、それもリニューアルオープンまで約1ヶ月もあるという告知が。

あぁぁぁ、銀鮭の塩焼き定食・・・

仕方がないので、近所のCoCo壱さんに変更することに。
久しぶりに伺うと、知らない間にメニューがタブレットになっていた。

CoCo壱さんのタブレットメニュー

おぉー、なんだか今っぽい。

最近、外食チェーン店ではコレをよく見かけるし、チェーン店のお寿司屋さんではもうデフォルトになった感がある。


それからしばらくしたある日、リニューアル後のやよい軒さんへと足を運んでみた。

ほぅ。

お店のロゴもそうだけれど、リブランドしました、と言わんばかりに様変わりした店内は、まさにシン•やよい軒だ(正しい店名は「やよい軒」のままである)。

どこを見ても見慣れない光景だけれど、まず目に止まったのは店内に入ってすぐの場所にある空席を知らせるボードと全テーブルに導入されたタブレットだった。
そういえば、スマホ決済の反応が悪くてストレスだった自動券売機がなくなっている。

カウンターに整然と並ぶタブレットを眺めながらいろんなことが頭を過るけれど、時代の流れを考えるとさして驚くこともなく、むしろ新しいシステムを見るのが楽しみになる。
食事と一緒にドリンクを注文するとドリンクを先に提供するか、食事と同時かの選択もタブレットでできる。こういう痒いところまで手の届く仕様は、さすが日本のメーカーさんだなぁ、と感心する(日本製か知らんけど)。

しかし、なくなっちゃった先代の反応悪い券売機。あれも導入されてまだ日が浅かったはずなんだけれど、リースなのかな。
いずれにしてもこの手の機器は高価だろうし、決済方法や技術が少し変わるたびに入れ替えていたのでは、チェーン店は大変だな。最新のタブレットだって何年かすれば、そのうちまた別のものにとって替わる可能性だってあるだろうし。

以前は完全にクローズだった厨房がオープンキッチンのようなサービスカウンターになっていると思ったら、タブレットに呼び出しがくるとカウンターに商品を取りに行くセルフサービスになっていた。なるほど。
食器の返却も同様で、そのすぐ傍にはキャッシュレス決済のできるセルフレジが設置されている。つまり、オーダーから会計まですべてセルフで済むため、これまではそれなりに人数のおられた接客スタッフさんたちがすっかり消えた。
これは、かなりの人件費削減になりそうだ。

こういったタブレットメニューやセルフ化などが急速に進んだ背景の一つには、おそらくコロナ禍がある。
ワクチン開発もそうだったけれど、進捗していない技術をかくも簡単に前進させるのは、皮肉にもやはりこういった外発的な動機なんだ、と痛感する。
もちろん根本的な動機として、遅かれ早かれ顕在化する人材不足の課題があったであろうことは述べるまでもない。

つづく

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