〇〇のススメ
今回は、ドラマのお話ではない。
人に何かしらモノやコト、特に人を紹介したり勧める(薦める)というのは、実はなかなか大胆な行為だと思っている。
趣味嗜好は十人十色であるから自分の良いと思うモノやコト、そして人であったとしても必ずしもそれを受けた側が自分と同じように思い、感じてくれるとは当然限らない。
また、相手の好みや求めているものを熟知しているならともかく、場合によっては言葉にこそしないものの「 大切な可処分時間を返せ」「うわっ、めっちゃ趣味わる」などと内心思われかねないリスクを孕んでいる。
人へプレゼントをするときに悩むのもこういった思いがあるからだろうし、「ありがた迷惑に思われるくらいなら」などと逡巡した挙句、いっそのこと現金で好きなものを選んでもらった方が、といった考えになる。
だからうっかり人に何かをススメたときには、訊かれてもいない尾ひれをつい付けてしまう。
「直木賞を獲っているほどの作品だから」
「『このミス(このミステリーがすごい!)』の大賞を受賞しているくらいだから」
「アカデミー賞を、」
「グラミー賞を、」
「シーズン○○までつくられるほど人気のある海外ドラマだから」
「ミシュランの○星だから、」
「あの人も良いと勧めていたから」
「食べログで、」(これは個人的にまったく興味ないので、ぼくはない)
偏ったぼくの主観でおススメするくらいなら、NetflixやAmazonの「こちらの作品もオススメです」「あなたにおすすめの」といったレコメンドや、いまならChatGPTに訊く方が求められているものに対する精度が高い気もする。
そう思いながらも、ついついススメてしまうのだろうけれど。
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