退屈なヒットチャートにドロップキック
もうしばし、凡人による天才の考察を。
ここでは便宜上、天才的、天才肌、天才気質などすべて天才と述べることにする。
天才と呼ばれる人を目にするとき、ぼくは羨望の眼差しを向けている。それは間違いなく、自分とは縁のない傑出した才能に対する憧れである。
また「天才」という言葉からは、天賦の、唯一無二の、といった甘美な響きも漂っているものだから、ますます魅かれる。
けれど、そういった華々しいイメージがある一方、孤独、孤高、絶望、儚さ、破滅といった影のイメージを併せ持つのも「天才」だ。