皿の上に、僕がある。
ぼくが仕事として料理をはじめたのが、1988年。
お給料は税込み11万円で、保険など福利厚生は皆無、賞与なし、休みは当然のごとく週1日。ちなみに家賃は3万8千円だった。
このときの初任給で、ぼくは初めて料理書を2冊購入した。「ぼくの美味求新」という食に関する随筆と「皿の上に、僕がある。」という料理写真集で、いずれも2022年暮れに37年の歴史に幕を下ろした「オテル・ドゥ・ミクニ」オーナーシェフ、三國清三さんの最初の書籍である(当時の表記は、「三国」さん)。
以前にもどこかで