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理想のモノ書き環境ってどんなものなんだろう

先日、「創作のマストアイテム」のことを書いたあと、じゃあ自分の理想の極限ってどんなものなんだろうかと想像してみたら、これが意外に楽しかった。

「マストアイテムは紙とペンだ。それ以外に何が要る」と言い切ってしまったが、それは「命さえあれば」と同様、絶対防衛線みたいなもの。これがなくては始まらないという類のものだ。
したがって、なくてはならないものの上には、あればあったで嬉しいものは山のようにある。

明るすぎなず、そこそこ静かな環境。無響室のような静寂はかえって気が散る。いくらかノイズが混じった環境がいい。
ヴォリュームを絞って音楽が流れているといい。アナログレコードのモダンジャズがいい。真空管アンプとモノラルスピーカーだとさらに嬉しい。
プレイヤーは誰がいいだろう。ジャッキー・マクリーンとソニー・クラークは外せない。ピアノならレッド・ガーランドとトミー・フラナガン。モンクは聴いてるだけならいいけど、「ながら」に聴くのはちょっと辛い。ビル・エヴァンスはなんだか優等生すぎて、ちょっと。
あとはキャノンボールにハンク・モブレーに、リー・モーガンにディジー・ガレスピーあたりかな。
マイルスやコルトレーンは音楽が強すぎて、セロニアス・モンクとは違う意味でキツい。
なんだか音楽ばかりになってしまった。

あとは見開きでA3サイズになるA4のノート。紙は淡クリームキンマリで、米坪は72kg/m前後の厚さがいい。
ノートでなければ原稿用紙。原稿用紙は浅草の満寿屋のクリーム色の400字詰め。罫線はグレーで、ルビありのもの。
持ち歩きならA4サイズ、自宅ならばB4サイズがいい。

筆記用具にはこだわらないから、いつも使ってるゼブラのゲルインクのボールペンで構わない。
インクの色は黒かブルーブラックで、チップボールの太さは1.0の極太がいい。軸を少しだけ太らせて、かすかに重みを増やすために、バランスよく銅線を少しだけ巻いて、指に当たらないように、銅線の上から生ゴムのシートで包んであると最高。ゼブラのペンはどこまでも量産品だから、さすがに軽くて。インク芯は文句なしだから、芯を流用できるオーダーの軸があったらいいなあ。

こういった妄想を具現化すると、天井からスポットが落ちているか、バンカーズランプが手元を照らしているオーセンティックなバーのカウンターが近い気がしてきた。絶対に左端の席。
一枚板のカウンターのいちばん左端で、疲れたら壁に寄りかかれるような席。全体は暗く、手元は明るく、適度に静かで、決して静寂ではなく、音楽は流れ……理想郷か? でもどれだけ馴染みの店になっても、カウンターに原稿用紙広げた書き始めたら、叩き出されるだろうな。

そして最大の問題は、今となっては呑めないということか。

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