「インビザライン」モニター詐欺? 報酬は支払われる?│教えて!たける先生 #実務02
歯列矯正のインビザラインのモニター契約のトラブルの相談が目立ちますので、noteにまとめておきます。
事案の概要
Q どんなスキームなのか?
モニター契約のスキームを法的に整理すると、次のようになります。
①患者Aと歯科医院Xとの間で187万円の矯正治療契約を締結する
②患者Aと信販会社との間で①の187万円を36回払いする旨のデンタルローン契約を締結する
③患者Aとモニター会社Yとの間で②の分割払い金と同額の報酬を「pring」で支払う旨のモニター契約を締結する
Q モニター契約が無効だった場合はどうなるのか?
何者かかがY社の印鑑を偽造して、③モニター契約を締結していたのであれば、患者AとY社との間で、③モニター契約が有効に成立したとはいえません。そのため、③モニター契約はY社との関係では「無効」となります。
他方、この契約は、①矯正治療契約と②デンタルローン契約とは別の契約ですから、モニター契約が無効であっても、治療は有効ですし、治療を継続するならば、ローンは支払わなければなりません。
Q なぜモニター契約は無効になるの?
なぜモニター契約の印鑑が偽造だと、モニター契約が無効になるのでしょうか?
患者Aさんによれば、モニター会社Yから直接勧誘されたわけではなく、Y社から委託を受けたとされるP社を通じて勧誘されたといいます。
そのため、Y社の立場からすると、自分の知らないところで、P社が勝手にY社の印鑑を偽造して、Y社の名義でAとの間でモニター契約を締結されてしまった、という主張なのかもしれません。
もし、この主張が真実だとすれば、Y社は赤の他人に勝手にY社名義の契約をされてしまったわけですから、AとY社との間で契約が有効に成立したとは言えません。
Q モニター報酬は支払われないのか?
法的にはいくつか解決策があります。
まず、本当に印鑑が偽造されたものなのか、Y社が知らないところでP社が勝手にモニター契約をしたのかが事実であるとも限りません。
そのため、Y社の「偽造」という主張が本当なのかを追求することで、モニター契約は有効だと主張できる可能性があります。
また、本当に印鑑が偽造されていたとしても、契約書にはY社の名称が書かれていますから、表見代理などの民法の規定に基づき、契約が有効と扱われる場合もあります。
仮に、Y社に対する責任追及が難しくとも、権限がないにもかかわらず、モニター契約を募集したP社に責任追及をすることも考えられます。
お問い合わせ先
詳しくは事実関係次第ですから、お気軽にご相談いただければと思います。
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