見出し画像

休日日記③不死鳥の既視感

金曜日

プロ野球のポストシーズンを傍目に、僕が贔屓にしている埼玉西武ライオンズは早々にシーズンを終えている。結果はパリーグの5位だったが、いっそのこと最下位で終わった方がスッキリした気がしてしまう。

それほど今年は不甲斐ないシーズンだった。とにかく打てない点が入らない。特に5,6月あたりの試合が酷くて、髙橋光成、平良、今井といった先発陣がどれだけ好投してもそれに応えられない打線に呆れてしまった。終わってみればシーズン435得点はリーグ最下位、12球団でも中日に次いでワースト2位の数字だ。
趣味の野球観戦がストレスになっては元も子もないので、今年は球場からも足が遠のいてしまった。秋には少し勢いを取り戻し、終盤までCS出場に一縷の望みを残してくれたのはよかったが。

主力選手が毎年移籍するのが当たり前のチームは、なんとか今の戦力で戦っていくしかない。しかし春先には繋がりかけていた打線が、「彼」のスキャンダルによる離脱で一気に意気消沈した感が否めない。
彼はシーズン中の公式戦は謹慎していたものの、先のフェニックスリーグでそれなりに試合勘を取り戻したようで、FA権の行使は濃厚と言われている。
フェニックスリーグは各球団の首脳陣にアピールするにはうってつけの場になっただろう。これまでライオンズを離れた数多の選手と同じように、彼もきっと出ていくのだろう。

しかしどんな経緯があろうと、得点力の枯渇したライオンズに最も必要な選手であることに変わりはない。僕は来年も彼がライオンズに残留することを願っている。
1991年生まれの彼は僕と同世代である。部屋に飾ってある彼のユニフォームとタオルに手を合わせて願う。
山川、お前のニヤニヤ顔が好きなんだよ。来年もライオンズでどすこい見せてくれよ。


⭐︎
それはそうと日本シリーズが面白い。
基本的にライオンズ以外の試合は見ないのだが、あまりに面白い試合が続くので見入ってしまう。少しずつ消化しようとU-NEXTのマイリストに登録した映画はそっちのけである。

今更ながら、オリックスというチームは見違えるほどに強くなった。気がつけばリーグ三連覇、紛いもなくパリーグ最強のチームだ。
暗黒時代と呼ばれた数年前、西武ドームのガラガラのライトスタンドで声援を送っていたオリックスのファンを思い出すと、敵ながら感慨深い気持ちになる。

山本由伸や宮城に次ぐエース級のピッチャーが次々と育っているし、レギュラーに定着した紅林や宗の存在も怖い。低迷したチームも選手育成が成功すれば逆転できるのだと証明してくれた。

そんなオリックスで楽しそうにプレーしているのが西武からFA移籍した森友哉である。思い返せば正捕手としてチームを引っ張りペナントレースを二連覇したのに出られなかった日本シリーズ。そりゃ出たかったよなあ、よかったなあ幸せそうで。
というのはなんの嫌味でもなく、ライトで起用されようが何だろうが、森には日本一の景色を見てほしいんだよ。だって一度は愛した選手ですから。



⭐︎
日本シリーズの合間に楽しみにしているドラマがある。
「きのう何食べた? season2」

これまでのseason1、ドラマスペシャル、映画版とどれを見ても幸福度100%のグルメドラマである。夏頃にseason2の放送が発表され、僕は妻と「何食べの新作を観るまではなんとしてでも生きなければ」と誓いあい、なんとか今年の酷暑を生き抜いてきた。

もはや、シロさん(西島秀俊)とケンジ(内野聖陽)が飯食ってるのを見るだけで泣けてくるのだが、特に5話のクリスマスの夕食の回。毎年ボリュームたっぷりのクリスマス料理を作っていたシロさんが、今年はケンジの身体を気遣って胃にやさしいビーフシチューを作った。だけど買ってくるケーキは毎年同じショートケーキとモンブランで、思わず笑ってしまう。

「変わらないなあ俺たち」「でも、少しずつ変わってきてるよ」「うん、それがいいな」

そして、「いい夜だなあ」と微笑む二人。
これを観ながら晩酌をするのが、最高なんですよね。皆様もぜひご覧ください。



⭐︎
8月に観に行った35周年ライブ(Pleasureツアー)の興奮が未だに冷め止まず、B'zへの熱が増している。
この日、深夜の勢いでB'zの100曲プレイリストを作ってしまった。

35年の歴史の中でB'zには22作のスタジオアルバムと54作のシングル、その他諸々の作品がある。僕は正直90年代のCDセールス最盛期のB'zの楽曲が一番好きなのだが、ここはあえて全ての時代からまんべんなく曲を選んでみた。

発売順に並べた100曲のプレイリストは曲名を見るだけで壮観だ。35年間ほぼノンストップで楽曲を出し続けている松本孝弘と稲葉浩志という二人のロックヒーローの凄さに改めて気付く。
最近ローリングストーンズの新作を聴いたときも思ったけど、刹那的なロックヒーローがもてはやされる時代は終わったのかもしれない。歳を取っても走り続けていることが一番ロックなんじゃないか。

というわけで今年はもうこのB'z100曲プレイリスト以外は聴かないつもりだ。
自己満足以外のなんでもないプレイリストなのに、SNSに投稿したら「なぜBE THEREが入ってないんだ」と友達がコメントをくれて嬉しかった。
ワイヤレスイヤホンを付けてB'zを聴きながら就寝したら、翌朝イヤホンがベッドの隙間に落ちていて拾うのが大変だった。

よろしければサポートをお願いします。次の記事の原動力になるコーヒー代に充てさせていただきます。