見出し画像

[あたらぼの海外ワーケーション・参加者インタビュー]ワーケーションはW杯を観戦しながら_おりんぴあさん

この記事は、新しい働き方LABの研究員第3期生として参加している私ノダミヤコの自主企画の一環です。
「新しい働き方LAB」とは、新しい働き方に挑戦したい人が集まり、一緒に前進していくコミュニティ。ランサーズとコミュニティマネージャーにより運営されています。

新しい働き方LAB / by Lancers

新しい働き方LAB研究員制度(通称あたらぼ)には、海外ワーケーションを実行する指定企画があります。今回は、その海外ワーケ企画に参加しているおりんぴあさんにインタビューをしました。

おりんぴあさんは、サッカーが好きでFIFAワールドカップ(以下、W杯)を観戦しながらリモートで仕事をしてきたという海外ワーケーションの上級者! このたび、その異色なワーケーションのお話や、ランサーズの研究員制度に応募した理由などを聞きました。

試合観戦をしながら、ハーフタイムにメールをチェック

カタールのアル・トゥマーマ・スタジアム
©︎おりんぴあ

好きなサッカーを世界中で観戦しながら、仕事はリモートでこなすというアクティブなワーケーションをしてきたおりんぴあさん。まずは、そのあたりを聞いてみました。


- (ミヤコ)すでに海外ワーケーション(以下、海外ワーケ)は何度かされてるんですよね?

(おりんぴあさん)何度かというより、海外に行っても仕事をするので必然的にワーケーションという形になります。
民泊のカスタマーサービスをしているので、ゲストの方から英文メールがくると、英語のできないホストの代わりに私が対応をします。
これが今のメインの仕事です。

アカウントを常時監視してるので、予約が入りしだいできる限り早くメールを送ります。定型メールはボタン一つでも送れますが、たとえば、ゲストが荷物を早く起きたいとか部屋に不具合があるという件もあるので。
今は8物件をやっていますが、多い時は10物件以上もやってたことがあります。そうなると、ひっきりなしにメッセージの音が鳴るみたいな感じですよ。

- ロシアとカタールで海外ワーケをされていた時は、試合観戦をしながらカスタマーサービスのお仕事をされてたという形なんですか?

そういう形になります。
ホテルで仕事をするだけでなく、ロシアW杯の時もカタールW杯の時も試合を見ながらメッセージが入ってないかは、常にチェックしていました。ハーフタイムの時に、今すぐ必要なメールを緊急に送ったりしていたこともあります。時差があるので、そこそこ大変ですね。日常にやっている仕事をそのまま旅先でもずっとやっています。

- おりんぴあさんはサッカーが好きですよね。プロフィールには、サッカーでMBAを取ったと書かれていますが。

そう、スポーツビジネスのMBAなんです。
具体的に言えば、リバプール大学のフットボールインダストリーズ(Football Industries) MBAというコースです。
分かりやすく言えば、FIFAや欧州サッカー連盟(UEFA)の仕事、サッカークラブの運営などの仕事をする人を作るためのコースです。サッカービジネスをするための基礎知識や世界のスポーツ事情など、サッカー関係の基礎事情を勉強するのがメインです。

- それはサッカー好きが高じてMBAを取得したと。でも今はサッカー関係のお仕事はされていないんですか?

したいのですが、結局仕事がなかなかないというのか、特にサッカー関連は人気なので、やりたい人が多いんです。
卒業した後も1年ほど(イギリスに)いたんですよ。イギリスのMBA(修士号)を取った人には、就労許可付の滞在ビザが2年間もらえるので、仕事をいろいろ探してみたんです。
でも、よい返事がもらえなかったので、1年で諦めて日本に戻ってきました。

- そうだったんですね。

本来は、スポーツビジネスを勉強するために英語を勉強したんです。
けれども勉強する手段だった英語を使って稼いでいる形に今は切り替わったというのか、そうせざるをえなかったんです。英語はビジネスレベルまでできるので。

- ロシアとカタールに行っていたのは、ほぼW杯全期間中ですよね。
それはサッカー関連の仕事を探しに行くのも兼ねてたのですか?

全然! ただ好きで見に行っただけです。

サッカーに対する情熱的なパッションですね!
おりんぴあさんは、海外ワーケ企画の中で英語講座を開くなど、グループに大きな貢献をされています。実を言うと、企画スタッフの方だと勘違いしていました。その教えるレベルにある英語は、サッカー好きが発端で勉強したんだなんて驚きです。

列車の中からネットがつながらなくって、仕事ができない!

ロシアのサランスクにあるモルドヴィア・アリーナでコロンビアvs日本を観戦
©︎おりんぴあ

ハイスキルで何でも余裕でこなしそうなおりんぴあさん、海外ワーケで大変だったことはあるのでしょうか? ここでも好奇心がうずくエピソードがいっぱいで、話は脱線しがちになりました。


- 海外ワーケで一番大変だったのは、電波が届かなかったことだと聞きましたが。

はい、一番大変だったのは、ロシアの列車の中からネットがつながらなかったことです。ロシアの場合は、開催都市の距離が500kmとか300kmというレベルですから。新幹線のような高速列車も走ってないでしょ。航空便もモスクワと地方都市を結ぶフライトはそれなりにあるんですけれども、地方都市同士を結ぶフライトってないんです。

W杯の場合は、地方都市でやるケースが多いので、だから地方都市間を動くとなったら、もうあとは寝台列車しかないんですよ。国家プロジェクトだから、ロシア政府はFIFAのW杯のチケットを持ってる人間に対しては、その間、無料の列車を出すからそれに乗れと。

トータルで5泊、一番長いのは2泊3日しました。
オリンピックのあったソチから、モスクワ南東にあるサランスクまで1300kmかな、そこは2泊3日の寝台列車で行きました。

- そんな長い電車の旅って、したことがないですよ! でも、よくそんなスケジュールを組みましたね。

やらない方がいいです、そんなのは。
(このスケジュールを)組んだのは、ポルトガル対スペインのものすごくいい試合の開催地であるソチから、日本代表がコロンビアと戦ったサランスクの試合、あの間をつなぐ列車だったので、もうそれしかなかったんですよ。
いい試合が見たいのと、日本戦があるので、これはしょうがなくって。寝台列車に昼の12時に乗って、翌々日の朝の6時か7時ぐらいに着くみたいな感じでした。

公式なアナウンスでは、列車にWi-Fiがついてるという話だったのですが、その電波が飛んでる様子すらなくって。ロシアは大草原の中を突っ切るから電波が入らないんですよ。そうなったら、もうメッセージがこないからお手上げなんですね。途中、駅に停まった時に電波が入るので、その間もうずっと仕事していました。

停車時間は、けっこう長いんです。水の補給や機関車の入れ替えなどがあるので。
あとは、ロシアではLINEが使えないので、日本の部屋のホストとはWhatsAppで連絡していました。そこは面倒くさかったです。
列車に乗ってる時も、電波のアンテナにやきもきしながら仕事していたのを覚えています。そこが一番大変でした。

一方、カタールはそうでもなかったです。
カタールは会場が地下鉄の範囲内にあるので、移動の面倒くささがなくて、そこは非常に楽でした。
でも、物価が高いのと体調めちゃくちゃ壊したので、それがすごく大変でした。あの当時(2022年)、まだコロナがまだ少し残っていたので、私もコロナかと思ったら違いましたが。海外ワーケ的には体調を崩したのが大変で、仕事的にはネットが普通につながるので楽でした。

電波がつながらないのは、ネットを使って仕事するには致命的な状況ですね。それでも、「ロシア滞在は楽しかった」とのこと。当時は物価が安く食材もおいしかったので、自分で料理を作ったりしていたそうです。

資金の稼ぎ方を見つけに、海外ワーケの企画へ参加

ロシア・サランスクにある華麗なウシャコフ大聖堂
©︎おりんぴあ

おりんぴあさんは、すでに豊富な海外ワーケの経験もあるのに、なぜあたらぼの海外ワーケ企画に参加されたのでしょうか? 「働き方実験の計画書」によると、海外ワーケを支える資金を生み出すことが目的だそうです。気になるお話をおうかがいしました。


- ランサーズの海外ワーケ企画に参加したのは、資金の稼ぎ方を見つけたかったのが目的だったんですよね。

そうですね。
なんとか稼ぎ方を増やしていきたいなと思ったんです。
海外ワーケを企画している方がいらっしゃるならば、収入をどうやっ て増やすかってことも知ってらっしゃるんじゃないかなと思ったのが、このグループに入らせていただいた理由の大きな1つです。

カスタマーサービスだけの仕事じゃけっこう厳しいので。最近、ライバルが増えて単価が下がってるので、ちょっと辛いです。
本当は、翻訳で本業を立てていきたいなと思っています。

- 企画も後半に差しかかってますけど、成果はどうですか?

いやまあ、なかなか難しいですね。
他にも法律関係のコラムの仕事があるので、収入の柱になって育ってもらえればいいなと。今月末から定例の翻訳の仕事で原稿が来ると思うし、あと地方観光DXの翻訳の仕事も1件あります。
あと、ランサーズのピッチコンテストの最終選考に残ったので、12月16日にプレゼンを300人ぐらいの前でやるんです。
なんとか決勝の5人に残ったようで、幸いにも。

- 5人の中に! すごいです!!

ありがとうございます。
資金不足でずっと頭の中にあったアイデアを温めていて、それを出したら審査員の方に刺さったみたいです。そのプレゼンテーションを東京でやるんです。オフラインで300人、オンラインで2000人ぐらいの前でやるので、それなりに準備しなきゃならないです。
やるからにはね、勝ちたいなって気持もあるし。私自身はこのアイデアに自信持ってるので。内容は伏せていてくださいって、ランサーズの方から言われてるので、お話できないんですけど。

それもあって、この11月から12月は海外ワーケの資金確保をなんとかするという方向には、少しずつは動き始めてるのかなという感じはします。
どうなるか分からないですけれども。できればいい方向に動いてくれればなと。

多才なおりんぴあさんなのに、稼ぐことには試行錯誤されているようです。それにしても、参加されるランサーズのピッチコンテストは楽しみ! このインタビューでも、追記で続きをお届けしたいです。

2拠点生活をするのが夢

カタールの砂漠に沈む夕陽
©︎おりんぴあ

最後に、これからのことについて聞いてみました。サッカー観戦を軸として、世界を回っているおりんぴあさんは、今後どんなことを目標にされているのでしょうか?

- おりんぴあさんの仕事ってネットでできるから、ワーケーションで海外にも行きやすいんじゃないですか?

行きやすいのは行きやすいですね。
だから、2拠点生活をするのが夢です。
日本と、あと東南アジアが一番いいかな。やっぱりあったかいし過ごしやすいし。文化的にも似てるし、物価は安いし、暖かいし、ご飯は美味しいんで。

ヨーロッパも多様性があるから好きなんです。
いろんな言葉やいろんな文化を持っていて、やっぱりサッカーを見ていても、国によってあれだけ違うのは面白いなと思うし。
私、ドイツのサッカーを見て好きになったんです。なので、ヨーロッパが大好きなんです。

まず、ヨーロッパまで行かなくても、東南アジアにせめて行きたい。
ラオスとか、あとマレーシアとかインドネシアとかにも行きたいなと思っています。

- 締めの言葉に何かお願いします。

世界中でみんな仕事ができるようになるといいですね。
これだけネットが発達して、これだけzoomでミーティングすることが当たり前になって、そうなると本当にオフィスなんて必要あるのかなって感じます。
でも、逆の面から見れば、どこへ行っても仕事しなきゃならないということで、24時間仕事しなきゃならないという環境もどうなのかな。
そこはうまく折り合いつけて、バランスをつけなきゃならないのかなと思っています。

「暮らすように旅するというのが自分のスタイル」だと、おりんぴあさん。日常とは違う「気づき」「変化」を楽しみながら、旅先で仕事をする生活がワーケーションだと考えているそう。
誰もがもっとシンプルに旅先で仕事しながら、非日常を楽しく暮らせる世界になればいいですね。


インタビューを終えて

熱狂的なサッカーファンかと思いきや、言葉が被ったときには丁寧にゆずってくれる英国紳士な一面を持っているおりんぴあさん。
サッカービジネスのMBAに加えて、法律にも詳しく、英語もビジネスレベル。こんなに羨ましいほどハイスキルなおりんぴあさんには、もっともっと活躍できる場があるのではと思います。

12月16日に東京で開催されるランサーズのピッチコンテストでは、どんなプレゼンをされるのでしょうか? 気になるので、このインタビュー記事でも続報をお届けするつもりです。

写真はトップ画像を含め全て©︎おりんぴあさんのご提供です。


追記:2023年12月16日に開催されたランサーズのピッチコンテストの様子の動画です。

3時間半ある動画ですが、2時間50分ごろに、インタビューでお話があったおりんぴあさんのピッチが始まります。
「教えることは学ぶこと」だと、学生同士がクラウドソーシングを使って学び合う機会を作るビジネスのお話をされています。
学生だけでなく、社会人の私も教えるハードルが低かったらチャレンジしてみたいなー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?